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【”移動”と”リハビリ”を分離して考える】広島国際大学で近距離モビリティWHILLの活用可能性について講義

WHILL株式会社(以下「WHILL社」)は2023年7月31日(月)、広島国際大学 健康科学部 医療福祉学科の学生向けに、近距離モビリティWHILLを取り扱うネッツトヨタ広島株式会社(以下「ネッツトヨタ広島」)とともに出張講義を行いました!

将来的に医療や福祉・介護の領域に携わる学生を対象に、歩行領域の新しい移動手段であるWHILLを“自立的な外出や生活を支援するツール”の一つとして認識していただくことを目的としています。

広島国際大学 東広島キャンパス 外観

WHILLは免許不要で「歩行者」扱いの近距離モビリティ

WHILLは免許不要で歩行領域(歩道・屋内外)を走れる近距離モビリティです。電動車椅子規格で開発されており、最高時速は6kmで道路交通法上は「歩行者」の扱いとなります。

左からプレミアムモデル「WHILL Model C2」、折りたためるモデル「WHILL Model F」、スクーターモデルの「WHILL Model S」

免許を返納された方や歩きづらさを抱えている方などを含めさまざまな方にご利用いただいています。 WHILL Model C2は電動車椅子として介護保険を利用したレンタルも可能で、多くの方にご愛用いただいています。

広島国際大での講義

今回、WHILLを取り扱うネッツトヨタ広島と連携し、広島国際大学 健康科学部 医療福祉学科の2年生向けに、「移動とリハビリの分離」という考え方とともに、WHILLが電動車椅子規格の近距離モビリティとして外出や自立的な生活をサポートする一つの移動ツールであることをお伝えするため、講義を行いました。

計60名程度が参加し、将来的に医療や福祉・介護の領域に携わるとのことで、熱心に聞いていただいている様子が非常に印象的でした!

しっかりと聞いてくださっている学生の皆さん

事前課題で、学生に人気だったのは折りたためるModel F

講義に先立ち、学生には事前課題が渡されていました。質問は3つ。

  1. 3種類の製品のうち、無料で1台プレゼントされることになった場合、あなたはどれを選びますか?また、その理由を述べてください。

  2. 現在のあなたの生活において、1で選んだものを使用する上で、困る場面・事柄は何か?その理由も含めあなたの考えを述べてください。(「困る場面・事柄はない」と考える人は、その理由を述べてください。)

  3. 「WHILL」開発者の方への質問を1つ挙げてください。

集計をすると、最も人気があったのはModel Fでした。その理由に多く挙がったのは、コンパクトに折りたためて狭い家でも収納ができること。電車などの公共交通機関を使えることや、旅先に持っていてお出かけをもっと楽しめること、なども上位にあり、機能的な取り回しのしやすさが人気につながったようです。

学生が選ぶモデルの割合。半数以上が取り回しのしやすいModel F(ネッツトヨタ広島作成)

一方で、実態としてはModel Sの販売も2022年9月以降好調で、特に免許返納後の移動手段として選ばれることが多く、ネッツトヨタ広島ではModel FとModel Sの販売の割合がほぼ同程度となっています。
*Model Fは2021年10月から販売開始

ネッツトヨタ広島でのモデル別購入の割合(ネッツトヨタ広島作成)

生活において困りそうという学生からの声でよく寄せられたのが、モデル問わず段差の乗り越えや万が一転倒してしまうことへの心配でした。WHILLに限らず、まちなかに潜むさまざまな物理的なバリア(段差や傾斜、道路のひびなど)をどう解消していくかが重要になってくることがうかがえます。

「バリアフリー」とは

まずはネッツトヨタ広島の奥原社長が登壇し、車椅子が抱える課題やバリアフリーへの意識、WHILL取り扱いに至った経緯などをお話しました。

登壇する奥原社長

奥原社長はバックグラウンドに医師としての経験をお持ちで、車椅子の課題について、感染対策の観点から説明。ハンドリムと駆動輪の距離の近さ(手で触れる部分と、地面と接する車輪が近い)などを例に挙げながら、WHILLは利用者が自立的に手元のコントローラーのみで操作できることを評価し、病院内で感染予防の一つとして有効である可能性について紹介しました。

また、そもそも日本社会において、車椅子利用者に対する「まだまだ知られていないマナー」があることについて説明しました。例えば、駐車場において、車椅子用駐車スペースにコーンを置いて一般の自動車が駐車できないようにしている配慮が、実はありがたいけれど車椅子ユーザーにとってはコーンを移動させることが難しい場合もあると指摘。こうした小さなバリアを知ってもらうことで、「バリアフリー」が進んでいくのではないかとしています。

WHILLで免許返納後や新規のお客様とのつながり創成

ネッツトヨタ広島は2022年11月よりWHILLの取り扱いを開始しています。奥原社長は取り扱い開始後、社員研修やyoutubeでのWHILL紹介、各地でのWHILLの試乗イベントや貸出サービスなどに取り組んできたことを紹介。認知活動やWHILLの販売などを通じ、WHILLの価値として

  1. 免許返納後もお客様と接点を維持し続けられていること

  2. 新たなお客様との接点を作ることができていること

  3. WHILLで女性社員をつなげたこと

の3つを挙げました。

ネッツトヨタ広島では、店舗にフロアスタッフを配置せず、男女ともに営業担当として業務にあたっています。WHILLも一つの商材として女性社員に積極的に関わっていただいているとのことです。WHILLが一つの要素として、女性社員同士のコミュニケーション活性化に寄与できているのは嬉しい効果です。

3モデルの紹介動画youtubeもぜひご覧ください!(密かに、再生回数を競い合っているそうです👀)

WHILL=外出支援を叶えるツール

WHILLは近距離モビリティとして、歩きづらさを感じている方にも使っていただいています。
日本の65歳以上の高齢者のうち、歩きづらさを抱えている方(500m以上休みなく歩くことが難しい)は3人に1人、すなわち約1,200万人いるといわれています。しかし、「徒歩」をカバーする移動手段は限定的で、電動車椅子の年間流通台数はわずか2万台程度にとどまっています。

その根底には、以下のような意識が横たわっていることがあります。

しかし、WHILLのユーザー様に話を聞いたり、様子を伺ったりしていると、多くがWHILL利用開始前と比べて「行動範囲が広がった」「何かをやりたい意欲が湧いてきた」とおっしゃっていることがわかりました。
ポジティブな変化や、より自立的な移動や生活をできるようになっていることがうかがえます。

WHILLが一つのきっかけとなり、ユーザー様の気持ちの面で変化があったことは、それだけでも嬉しいことですが、その気持ちが行動にも変化をもたらしているのは驚きであるとともに、大変喜ばしいことです。

WHILL社では、ユーザー様のこうした変化をまとめた「WHILLカルテ」を発行しており、医療に従事する方々をはじめ、WHILLの利用を検討している方やそのご家族にもご参考いただいています。

娘さんがプレゼントしたWHILLでお出かけを楽しむユーザー様

移動の体力を温存し、行った先で意欲的に動くことがリハビリに

例えば、あるユーザー様はWHILLを利用する以前、リハビリ病院に行くまでや目的地に到着するまでで体力を使ってしまい、本来の目的であるリハビリや行った先で何かをできる体力や気力が残っていなかったそうです。

身体的にも心理的にも余裕がなく、リハビリでは本来あるべき歩様や姿勢を保てなかったり、行った先で疲れてしまい楽しめなかったり。また、疲労を回復するために1日を寝て過ごすことも多かったともおっしゃっています。

WHILLを使い始めてからは、目的地までの移動に使っていた体力を温存することができ、行動の幅が広がったほか、意欲も高まったといいます。リハビリでは心にも余裕ができたからか、しっかり意識して綺麗な歩様を保てる時間が長くなったり、お出かけの際にはもう少し出かけよう、もう1箇所行ってみようといった欲が湧くようになったりしたそうです。

「自分で何かをする/できる」が日々の生活を彩り豊かに

誰かに頼ってしまう場合、つい遠慮をしてしまったり自信がなくなったりする方も多いといいます。そうなると、どんどん外出が億劫になり、気持ちも塞ぎ込んでしまいがちです。

賢くツールに頼りながら、できる限り自分でできることを増やし、より長く自立的に行動したり生活したりできるようにしていくことがとても大切です。人生100年時代において、いつまでも健康的かつ自立的に暮らし続けられる社会を目指し、WHILL社は全国のステークホルダーと連携しながら事業活動に取り組んでいます。

試乗体験を通じて自分ごと化

およそ60分の講義後は、残り時間を使って実際に学生さんたちにWHILLを試乗していただきました!

それぞれのモデルを試す学生さんたち

座学だけでは伝わらないWHILLの乗り心地や操作性を自分の五感で知っていただくことは、自分ごと化や理解の深まりの一番の近道です。学生さんたちは代わるがわるWHILLに乗って、思い思いの感想を伝えてくださいました。

「操作が簡単ですぐに慣れた」
「広いキャンパスにWHILLがあったら便利だな」
コントローラーを倒す角度によって速度を微調整できることにも驚いており、「車みたい!」とおっしゃっていただけたのも印象的でした。

「すごい」と笑顔を見せてくれる学生さんも

医療・介護従事者様向けにも情報発信中!試乗も可能!

WHILL社では、医療・介護に従事する方々(お医者様や作業療法士様、理学療法士様、ケアマネジャー様など)向けのウェブサイトもご用意し、ユーザー様の事例や専門家の声などを紹介しています。

移動とリハビリを分けて考えるということ、電動車椅子は最後の手段ではなく、外出や自立的な生活をサポートしてくれる移動ツールであること、を一つの捉え方として知っていただきたいと考えています。

高齢化が加速する日本、ひいては世界全体においていつまでも元気に快適に暮らしていただける社会を目指して、日々活動に取り組んでまいります!

WHILLは全国の貸与事業者で取り扱われており、他の車椅子ではなく、WHILLを指名して借りたいとご相談してくださる方も多くいらっしゃいます✨
介護保険制度をご利用希望の場合は、Model C2をご自宅で試乗することが可能です。ぜひこちらもご覧くださいね!

試乗時は専門スタッフがご自宅に伺い、WHILLの操作方法などをお伝えします。

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