真白 ひかり

真白と申します。うつくしいものが好きです。思い思いに言葉を紡ぐ場所として。

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マガジン

  • タヌキかもしれない

    タヌキかもしれない私の日常

  • 終わりゆくひと夏の恋と呼ばれるもの、貴方は私にとってまさに夏そのものだった。

最近の記事

笑門来福

もうあのこが自分で笑えないと言うのなら 私が笑うよ もうあのこが自分で歌えないと言うのなら 私がうたうよ 私が私のやりかたで あなたが頑張るというのなら 私は見守りつづけるよ 同じかたちじゃなくても 伝えていける 変えていけるの 笑いかける相手がいる限り 私は笑っていける 相手がいなくなることはない 人間社会でいきていくのなら はたらいている限り 笑いつづける でも無茶はしないよ もうそのラインは知っているから 私は私のやりかたで 未来をあかるくしていくよ あ

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  • タヌキかもしれない
    3本
  • 9本

記事

    寝落ちきれずスマホをひらく

    寝たくない。 勿論、明日のことを考えれば早く寝るべきだし、先々の予定を考えると就寝時間を少しでも早く戻すべきではある。 往生際が悪い。 場を簡潔に切り上げるのが苦手なように、今日という日を切り上げるのが苦手らしい。 そもそも就寝時間が遅くなったのは、長編web小説の続きが気になって4時まで読書してしまったからなのだけれど。 さすがにまずい、とスマホを閉じ入眠し始める時間がどんどん遅くなり、感覚がずれてしまった。 限界まで読書し倒れこむように眠るのは悪くなかったのだが

    寝落ちきれずスマホをひらく

    不思議な朝

    日曜日の夜、リズムがずれてきて2時半くらいに眠りにつく。めったになくお腹が張っていて、なんだかもやもやするが、悩むと更に良くないので特に検索せず寝る。 月曜日の朝。それは予想より早くやってきた。 5時に起床したのである。 これはめったにないことで、11時近くまで動けない自分にはあり得ないようなことである。 ふと肩甲骨まわりのコリを感じ、動かさずにはいられなくなった。身体の声だ。とにかく肩甲骨のまわりをほぐすように言われ、目を瞑ったまま左の肩、肩甲骨、脇のした、と押していき、

    不思議な朝

    キツネではない

    以前、タヌキかもしれないという文章を書いた。 起伏に富んだ道を歩いているとき、しばしば自分はタヌキだと感じる。 しかし、キツネではない。私は私がタヌキかもしれないと疑うが、決してキツネではないと自信を持って言える。 なぜだろう。自己中心的でいて自己肯定感の低い私は、自信を持って言えることがほとんどない。 飽くなきマウント戦争から身を引き、半分巣籠もりして半分社会に参加している、一匹のタヌキだ。 私がキツネではない理由は、己がずる賢くないと思っているとか、勝手にあれは酸っ

    キツネではない

    春は雪解け

    春は雪解け 真っ昼間のまぶしい太陽に照らされて、静かな雪のかたまりから盛んな水の流れが生まれる。 屋根から地面へ、ぽたぽたっ とととっ と滴る音が心地よい。リズムが身体のなかをまっすぐ突き抜け、響く。 坂道は小川になる。ぎらぎらと反射し、時折あぶくが立つ。砂利のつくりだす波線。インスタントのカフェオレに似た濁りが渦巻く水溜まり。水の流れがある景色は、退屈を知らない。 道路状況はぐしゃぐしゃだ。小川と、シャーベットと、氷のかたまりと、土ぼこり━━━滑り止めに撒いた砂利が

    春は雪解け

    入眠剤が効くまで

    このせまい世界から飛びだしたい というのも、みたいものがここにない。海の向こうにある。 天井に吊るされた大量のトマト カプリのレモンの木を見上げるテーブルセット パスタ、パスタ、パスタ、パスタ、パスタ! 弱い入眠薬が効いてきてうまく頭が回らない 眠ろうとすれば冴えてくるくせに 落ち込むくらいなら寝てしまいたいのにだらだらと時間が過ぎていく 毎日くたくたになれば 入眠が得意になるだろうか 西欧の酒ののみっぷりに食らいついてふらふらになり 瞑っていても目が回るだろう 血液の

    入眠剤が効くまで

    フロ所感(年頭に寄せて)

    湯船に浸かって身体を温めれば、思考がポジティブになる。シャワーを浴びながらひたすら懺悔していることもある。タオルで身体を拭いてたら、何を考えていたか忘れてしまった。フロ所感です。 白黒甲乙つけられないことが溢れているのが世ですので、すっきり分断などとはいかないものです。 そのなかで自分の決断は潔くしたいものです。 大抵が面倒だなあと動けなくなる性分ですから、自分にとっていいこと(お風呂に入る、休む)と仕事の立ち回りは潔く決断し、失敗しても沈みゆく泥船のカケラを拾って泥

    フロ所感(年頭に寄せて)

    27歳、初手、眼鏡を壊す。 "いやな予感がすると思いながらも壊れるまで手を止められなかった" を繰り返す人生。 躍起な人ね、と呆れて笑うのもまた自分。スペアの眼鏡をかけてみると、違った顔。コンタクトだと、本来の顔。これからどう過ごしていこうか。

    27歳、初手、眼鏡を壊す。 "いやな予感がすると思いながらも壊れるまで手を止められなかった" を繰り返す人生。 躍起な人ね、と呆れて笑うのもまた自分。スペアの眼鏡をかけてみると、違った顔。コンタクトだと、本来の顔。これからどう過ごしていこうか。

    秋の予感

    秋、たまらない季節 センチメンタルな気持ちで ワインに酔い 店を出たら颯爽と歩く 酔い醒ましの風を浴びて 寒さできゅっと身を引き締める 寒すぎれば速くあるくし 丁度よければ隣駅まで散歩する 秋、たまらない あの秋を都会に置いてきてしまったけれど 感覚が覚えてる 心地よかった想い出だけを

    うた

    混ざれ 虚無の音 散らばれ 煙のように 上がれ キャンドルスタンドから ルームランプ 光 くすませて ふと浮かんだメロディと歌詞。 歌ができること、滅多にないんだけれど。 風邪ひいて口ずさむこともできないのに、 どうして生まれてきたんだろうね。

    タヌキ、自転車に乗る

    山を下りる頻度が増えたので、父が自転車の手入れをしてくれた。6年生の時に買ってもらった自転車は多少傷んでいるものの、化けタヌキという私にはりっぱなぴかぴかの自転車だ。きょうだいの旅立ちまで学生生活を支えたのち物置で休んでいたが、15年物とは思えないはたらきをしてくれている。 人里に職を得た。一日3、4時間の気楽なパートとしてはたらくのは、化けタヌキの体力には都合の良い、たいへんありがたい職だ。昼食をとり、編み物の続きをすこし進めてから里へ下りる。片道徒歩30分だったのが10

    タヌキ、自転車に乗る

    意地と誇りのトルティーヤ

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