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障害者手帳もらったら人生ちょっと楽しくなった

私は双極性障害です。障害者手帳を取得してから半年が経ちました。申請理由はさまざまで、やっぱりやめようかな…と悩んだときもありました。

結局、取得してメリットしかなかったので、手帳についてのあれこれを記録しておこうと思います。

取得するか迷っている方への後押しではありません。こういう人もいるんだな〜くらいに思っていただけると幸いです。

障害者手帳について

ここで説明するのは、私が取得した精神障害者保健福祉手帳について

細かい手続き内容というよりは、私がなぜ取得し、どんな使い方をして、現在どんな気持ちで生活しているかを中心にお伝えできたらと思っています。

これは「障害者手帳をいかにかしこく使いまくるか」という、超個人的最強メソッドなのです。

精神障害者保健福祉手帳とは?

精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。
精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。
厚生労働省

取得のきっかけは休職。期間が延びるにつれ、復職への不安も急速に膨らんでいきました。それと同時に、思い浮かんだのが障害者雇用。

障害者雇用枠だったら、私でも無理なく働けるかなぁ…。でも私そこまで障害者じゃないしな。あれ、私って双極性障害だけど、もしかして障害者なの?私って障害者手帳がもらえる人?

などと疑問が湧いたので、主治医に相談することにしました。

障害者手帳を取得するには

①どんな人が取得できる?

対象となるのは全ての精神障害。長期にわたり日常生活、または社会生活への制約がある人が対象です。

ただし、その精神障害になった初診日から6ヶ月以上経過していることが条件になります。

・統合失調症
・うつ病、そううつ病などの気分障害
・てんかん
・薬物依存症
・高次脳機能障害
・発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
・そのほかの精神疾患(ストレス関連障害等)
知ることからはじめよう
みんなのメンタルヘルス|厚生労働省


手帳の取得を考え出したのは、休職してから約半年経ったころでした。双極性障害と診断されたのは3年前なので、条件はクリア。

しかし、この状態でも手帳ってもらえるのかな?という疑問はありました。というのも、手帳を取得できるのは重度のうつ症状がある人だけという思い込みがあったからです。

私が想像する「障害者手帳をもらえる人」

・寝たきりで食事かトイレくらいしか動けない
・気力体力がなく、家族の介護が必要
・金銭的にも困窮している

しかし、蓋を開けてみると、私でもすんなり診断書をもらえました。このころ、私の状態はこんな感じ。

休職してから約半年後の私

・生活リズムが整い始めた。早起きはまだ難しい
・趣味など、好きなものへの関心はほぼない
・外出はもっぱら近場を散歩。遠出はできない

診断書を書いてもらうには、主治医との相談やヒアリングが不可欠。私の場合は「好きなものへの関心は?」「生活できてる?」といったあっさり質問で、「あぁ、はぁ、」と答えているとすぐにもらえました。

でもこれ絶対人によると思うので、主治医としっかり話し合って、正直に自分の気持ちを伝えた方が良いと思います。

②どうすれば取得できる?

申請は市町村の担当窓口で行えます。
持ち物はざっくり以下3点。

  1. 申請書(窓口に行きその場で記入)

  2. 診断書(主治医に書いてもらいます。私の場合は8,000円くらいでした)

  3. 本人の証明写真(気合い入れて撮った方が良いです。シャツの襟が曲がったまま提出して、どんくさい写真になってしまいました…)

より詳しい申請方法はこちら(申請の方法)から確認してみてください。


私の場合、手続き自体は30分ほどで終わりました。①診断書を提出②申請書をもらって指示通り必要事項を記入③写真を渡しておしまい。

また、紙の手帳かカードで作るか聞かれました。紙だと約2ヶ月、カードだと約3ヶ月かかるとのこと。紙はかさばるし、障害者手帳感が強くてやだな〜と思ったのでカードにしました。

しかし、実際は2ヶ月半くらいで届きました。マイナンバーカードみたいなものを想像していましたが、本物は白黒で「せっかくバッチリ化粧したのにな…」と少しだけガッカリ。

受けられるサービスって?

①全国一律のサービス

  1. 公共料金等の割引(NHK受信料減免)

  2. 税金の控除・減免(所得税など)

  3. その他(生活福祉資金の貸付など)

②地域によって行われているサービス

  1. 鉄道やバス等の運賃割引

  2. 公共施設の入場料等の割引

  3. 上下水道料金の割引

  4. 携帯料金の割引

サービスに関しても、詳しい内容はこちら(受けられるサービス)を確認してみてください。

あって良かったサービス5選!

①美術館や博物館にめっちゃ行ける

美術館や博物館は地味に入館料が高い…。お気に入りの展覧会は何回も行きたいけど、お金がかかるし、何より事前予約が取れないことも。

そんなとき、手帳があれば割引料金で入れます。施設によっては事前予約が不要なところも。このおかげで、東京国立博物館で開催していた国宝展に、予約なし&無料で4回行けました。

②動物園にめっちゃ行ける

美術館や博物館ほどではなくても、動物園も地味に入園料はかかる…。

でも、私には手帳がある!チケット売り場の行列を横目に、颯爽と手帳をかざして入園。今日はパンダだけ、今日はサル山中心に、なんてマニアックな巡り方もできます。このおかげで上野動物園のパンダに、無料で5回会えました。

③割引料金で映画館に行ける

私は映画をあまり見ないので、映画館に行くのは年に1回あるかないか。しかし、手帳があると割引料金で観られるので、安くなるなら行ってみようかな?という気になれます。

このおかげで「すずめの戸締まり」を夫婦2人とも各1,000円で観ることができました。ありがとう、TOHOシネマズ。(2023.2現在)

④割引料金で公共交通機関が使える

地域や事業者によって異なるので、気になるものはしっかり確認した方が良いです。私の住む東京都は、都営交通(都営地下鉄や都営バス等)を無料で利用できます。(2023.2現在)

申込は発行窓口のある駅に行き、手帳を確認後、必要事項を記入するだけ。私はすでに持っていたPASMOを乗車証にしてもらいました。

これは「精神障害を持つ方の社会参加を応援する制度」とのこと。おかげで、通院以外ではほとんど外出しなかった生活が一変。「せっかくだから一駅先まで行ってみよう!」というマインドに変わり、社会復帰に大変役立ちました。ありがとう、都営大江戸線。

⑤障害者雇用枠で就職できる

私は障害者雇用枠での転職はしなかったのですが、選択肢が増えたことは精神的に大きな支えになりました。

絶対に復職しなければ…と不安と焦りで余計に体を悪くしそうな状態でしたが、「もっと自分の特性にあった仕事ができるかもしれない!」とプラス思考になり、精神が健康になりました。

そのほか役に立ったもの

①障害者手帳アプリ「ミライロID」

外出先で手帳やカードを出すのに抵抗がある、という方に便利なのが、この障害者手帳アプリ「ミライロID」

障害者手帳の情報をアプリで読み込んでおくと、提示する際、スマホを見せるだけで完結します。

その他にも、飲食店やレジャー施設で使えるクーポンが提供されており、使える場所もすぐ調べられて超便利。私はロイヤルホストでちょっとお得にパフェを食べました。

しかし、まだ認知度が低いのか、クーポンを提示しても確認のためしばらく待たされることもありました。そこはまあ、仕方ないのかも。

②超便利サイト「障害者手帳で行こう!〜全国版〜」

障害者手帳を使える施設や、サービスを調べることができる全国最大規模の情報サイト。都道府県や施設の種類から検索できるので、どこで何をしたいかピンポイントで探せるのが大きなメリット。

これを見ると「ここが無料で使えるの!?」なんて発見もあったり、かなり便利・お得な情報が盛りだくさんです。

個人的には、無料で使える市民プールや駐車場などがたくさんあることに驚きました。めっちゃ泳げるやん。

ただし、完全な正確性は保証できないとの記載があるため、実際に利用する前に一度確認した方が良いと思います。

まとめ

厚生労働省の総合サイト「知ることからはじめようみんなのメンタルヘルス」では、以下のように締めくくられています。

精神障害者保健福祉手帳をもつことで、不利益が生ずることはありません。
また、障害が軽減すれば、手帳を返すことや、更新を行わないこともできます。
手帳をもつことで、各種の割引やサービスを受けることができますので、ぜひためらうことなく申請をしていただきたいと考えています。
知ることからはじめよう
みんなのメンタルヘルス|厚生労働省


この言葉通り、今のところ特にデメリットは感じていません。障害者手帳を取得したからといって、職場や学校に報告しないといけない訳ではないし、周囲に広める必要もありません。


ここまで、実生活でのメリットを中心に紹介しましたが、取得して特に良かったと感じるのは「自分をもっと大事にしよう」と価値観が変わったこと。

今までは体を壊しても「みんなも頑張ってるから自分も頑張らないと…」と、自分で自分にプレッシャーをかけていました。




手帳を取得する=障害者になった・もう自分はだめだ、と思ってしまう方もいるかもしれません。しかし「障害者になった=これからは無理しなくていい」という考え方もできると思います。

というのも、手帳が届いた時「これからは自分を大事にしていいんだ」とホッとしたからです。多くのサービスも重要なメリットですが、もっと自分を大事に、もっと人生を楽しくできるということもメリットのひとつだと、お伝えできたらなと思います。



取得するかどうかはあくまで個人の自由なので、ゆっくりじっくり考えてみるべきだと思います。そのときに、この記事が何かの役に立てれば幸いです。

自分がどんな状態になっても、人生は楽しくできます。


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