What sort of a book.

20200507 / 音楽のない歌詞を読みたい方へ

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マガジン

最近の記事

「kiræi」

静かに揺れる部屋のカーテンが 季節の別れを告げるように 懐かしい匂いを運ぶ 隙間から漏れる優しい光が 少しばかりあなたに似ていて 私はつい顔が綻ぶ あなたの読んでいた本の名前を 私はまだ知らない あなたの好きなものに触れ あなたが愛したものに触れ あなたの嫌いなものに触れて あなたの人生に触れる それはこの世の綺麗なもの全てを 凝縮したような感覚 時間と時間の隙間に入り込んだようで 世界がギュッと圧縮されて そして最後にあなたが残る こんな感情を教えてくれた そんな

    • 「scalar」

      「思い出?」 「うん。」 「どうだろ、特にないや。」 「でも、ここまで頑張ってきたし。」 毎度、朝になれば向かうわ 「それもそうだ。」 でも、ちょっとくらい休んだって、 神様に聞いてみる 「そんな大層なことだったかな」 意味無くなって、 「泣くなって。」 回想から抜け出したら 「これが終わったら、目が覚めるのかな。」 「こんなしょうもない世界で生きるのかな。」 そこまで声は届かないし なんとなくで来てみた場所だったから 気合い入れて冷静でいられないなら 隅の方で黙って寝

      • 「Reading Steiner」

        もうダメだ、なんて言わないで その手でちゃんと握って まだ届かなくていいよ ずっと知ってる、同じ景色見てることも 諦めないで、また会おうね 1人で歩く世界で まだ届かなくていいよ でも知ってる、そばに居れないことも 揺れた視界の前で 聞き慣れた君の声 慌てる姿は君にはどう映る どこまで覚えているか 明日の記憶でさえ 世界のスキマに 沈んでは消えていく いつからなのか、生まれてしまった 気持ちをまた茶化してるだけ 光る数値が変わるごとに 夢は終わり、そうしてここに。 炭酸

        • 「Hope Noiz」

          deep sensation 成る 君がためいつも澄ます感覚 人生に意味はないが踏ん張る 地面にもキスを済ます錯覚 一から壊すため積み上げた今日 Life is full of hope, let's go deep sensation 成る 日々のため息に負けず頑張る dust of coat 振り払え 音に紛れた香と泡になれ 君に触れられるものは僕だけ だから歩く先々露払え 綺麗なものにはまるで目がない でも、着飾った言葉には目もくれない street light

        マガジン

        • 薄明日和
          6本
        • 青春一過
          10本
        • 水響自転
          10本

        記事

          「like a bouquet」

          「生きていた頃よりずっと幸せな時間だった。」 って、昨日消えた幽霊が言ってた。 その表情はどこまでも晴れていて、 そこで本当の意味で彼女が幽霊だったことを自覚した。 実は差がないんだな とも思った。 彼女は普通にそこにいて、 普通の生活を送っていて、 それは怠惰に暮らす僕なんかよりも よっぽど人間らしかった。 優しい声で甘やかに溶かされ 魔法のように時間が過ぎた。 いったいどれほどの 救いのない日々を超えたら そんな声が出せるのだろう。 あなたは花だ。 何も無い日々を一

          「like a bouquet」

          「illminate」

          部屋から抜け出し どれくらい頑張ったら 外に出られるのだろう 静かに染まる街 それくらいの感覚が 腑に落ちるように 大人になったらしい 高いところは月に 少しだけ近づくから 好きかもしれない、そんな気持ち ひとりで歩く度 街灯が尾を引くから 熱くなる頬に ー 強くなかったらしい 胸に仕舞った言葉 なんて痛いの 抱きしめて笑ったあの日々も そう、ここではない。 ほのかに香りが似てるだけ 壊れて仕舞いそうな気持ち 抱えて歩き出す横顔を まだ夢に見るの そばで照らせたならいいの

          「=25」

          壮観だったと言い切る ことはないけど 今いるこの場所も悪くはないな、って 季節外れの青春が 過ぎ去った後には 何処へ行くんだろう 何色に染めるのだろう 否定ばかりで自分を保った 黒く濁る途なら過去へ もう消えないや、痛いな、 刺さる断片が全てだと信じ切ったあの頃を それでも許したいんだ 何か届けたくて 届けたくても 保険をかけている 何か届けたくて 人生はまだ歩み始め など宣って 「何が何でも」が欠けているのに 洗練された美しさを 僕は書けない 僕は描けない 灰色が浮か

          「Even so, today is a beautiful day」

          夏の澄んだ空気に 身体を預けてそっと微笑んだ 目を離したら消えてしまいそうな そんな儚さを纏う君を見たんだ いつだって一心に それを目掛けて外に飛び出した 背を向けてから君は振り返る 懐かしそうな表情で僕を見たんだ 薄明の空に包まれて 季節の変わる音がした そのまま目を開いた The heady feeling of freedom 星空が落ちる夢を見た 君と手を取りこの夜に 誰にも見えていないけれど それは確かに繋がったから 今だけは現実と重ねていたかった 君のいな

          「Even so, today is a beautiful day」

          「この世界で」

          ずっと、手を取り合っていたい。 目を背けることが増えた 目を背けたものも増えた 一心不乱で駆け抜けた先が この場所だ。 この場所か、 色んな言い訳ができた そんなものには嫌気が差した 一呼吸置いて振り向いた先には 淡く、深い、空が広がっていた。 目の前で落ちるは彗星 奥には澄み切った星群 あの頃夜に歩けたのは まだ、その先を知らなかったからか 世界は分かっていたんだろう 星の向かう末、僕の行く末 痛いほど、胸に染みては流れて 君だってそう歩んでいるんだろう 照らし方なん

          「この世界で」

          「summer」

          電車が来るのを待った いつもと違う雰囲気纏って 記憶にない思い出を 現実にしたくて歩を進めて 音楽で想像する時のように 涼しい季節ではないけれど 今は熱気も少し楽しい これから何を話そうか 綺麗な花模様、道が色めく 約束の場所 今はただ待とう 永遠にも感じる1秒を、ただ 群青、瑠璃から竜胆へ 空は色めく 約束の場所 あの空の向こう キラキラ光る一等星が  目立たなくなるその時まで  一人、待っていたんだ 遠くない場所から聞こえる音 炸裂音は確かに何かを蝕んで 徐々に熱

          「いつかの終わり」

          「そろそろ話そうか」 窓を閉める音と、意味のない鼓動と 部屋の隅ばかり見つめてた 時間は思うほどかからなかった ー そろそろ離そうか 首を絞めたものと、意味のない行動 部屋の隅ばかり見つめてた 時間は思うほどかからなかった やっぱり無理があったんだろうか 日々の無理が祟ったんだろうか 道行く先で未知に出会い 日々逝く先々は満ちもしない 一生増える不満の種に 一層暮れる不安な午後に 想像したんだ間違わぬように 逃走したんだ埒明かぬ重荷 明くる日に思い想い驕った 創造したのは

          「いつかの終わり」

          「幸福に至る病」

          ー とうの昔に人類はいなくなって 君もきっと幸福に呑まれ いとも容易く終わりを受け入れたんだろう 10年ぶりに耳にしたその曲は 意味がすっと簡単になって いとも容易く僕の目を潤したんだ 信じて見えた友好関係 「目に障るものは芽を摘んで」 例 : ignored meaning of “kansei” 躁、至るその日まで もう間近 間近 10年経って、その曲の歌詞や題目は 当時ほど感嘆はしないが それでも容易く僕の目を潤す、 病だ ー とうの昔に人類はいなくなって

          「幸福に至る病」

          「藍色交差点」

          “そこに心があるんだって” 私は呼吸をしている “そこに心があるんだって” 私は声を出している “そこに心があるんだって” 私にはよく分からない涙 涙 涙 ああ、あの頃のようには話せないかな 君の背を眺めているだけで カーブミーラー反射した僕の気持ちが このまま消えて仕舞いそうで 色の澄んだ街角 夕景が 照らす凛とした顔 彗星が 道の真ん中 日々不安中 君が泣いてたって 泣いてなんてないよ 藍に溢れる君の目が 過ぎ去って思い出す季節のようで 何となく 君の真ん中 僕がど

          「藍色交差点」

          「良い子」

          家に帰ってピアスを開けた 聴いたことある感情に晒されて 身体を傷つけたくなる そんな季節 喉が渇いて家から飛び出す どうしようもなくなる心情に壊されて ただ、空を責めるんだ。 咲きたい、泣きたいって、だって、 どうして私だけが ああそっか、どうだっていっか、 キリない、渦巻いて、待って、 そうしてあなただけが 頭を駆け巡るだけ 咲きたい、泣きたいって、だって、 どうして私だけが ああ、そっか、そんな訳ないか、 キリない、渦巻いて、舞って、 そうしてあなただけが 響いて、耳

          「kanmi」

          Clear sky with a sigh 少しだけ下を向く 深い 甘い それだけなら猛毒だから 落ちる浮き雲 凍りついたこの身も 君がいるのなら 優しさで “溶かして” I scream and wait for you もう少しだけ未来になったら I scream and wait for you 君を求めて ずっと心は 期限切れの崩れた氷菓 包み込んでいてよ 忘れられるように In a sugary taste Clear rain with a sign 綺麗

          「日々に問うて応うる夜に」

          いつも、いつだって何もないと思って その世界で生きて サイズの合わない空間で 緩やかに動く秒針を追って そんな世界で生きて 雨の匂いと 流れる夜景に 痺れた手を見て別れを告げ 響く心音に目蓋の重み そんな、そんな綺麗だった日々に 行かないで 強く願う 聴き慣れた音楽に揺られて ここまで夜を描写した 行かないで すぐに強がる 私の気持ちを見透かして もう少しこのままでいてよ さよならのために 雨の匂いと 流れる夜景に 握る手を見て肩に寄り添い 触れる体温で心臓を溶かす

          「日々に問うて応うる夜に」