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薄明日和

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記事一覧

「kiræi」

「kiræi」

静かに揺れる部屋のカーテンが
季節の別れを告げるように
懐かしい匂いを運ぶ

隙間から漏れる優しい光が
少しばかりあなたに似ていて
私はつい顔が綻ぶ

あなたの読んでいた本の名前を
私はまだ知らない

あなたの好きなものに触れ
あなたが愛したものに触れ
あなたの嫌いなものに触れて
あなたの人生に触れる

それはこの世の綺麗なもの全てを
凝縮したような感覚
時間と時間の隙間に入り込んだようで
世界が

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「scalar」

「scalar」

「思い出?」
「うん。」
「どうだろ、特にないや。」
「でも、ここまで頑張ってきたし。」

毎度、朝になれば向かうわ
「それもそうだ。」
でも、ちょっとくらい休んだって、
神様に聞いてみる

「そんな大層なことだったかな」
意味無くなって、
「泣くなって。」
回想から抜け出したら
「これが終わったら、目が覚めるのかな。」
「こんなしょうもない世界で生きるのかな。」

そこまで声は届かないし
なんと

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「Reading Steiner」

「Reading Steiner」

もうダメだ、なんて言わないで
その手でちゃんと握って
まだ届かなくていいよ
ずっと知ってる、同じ景色見てることも
諦めないで、また会おうね
1人で歩く世界で
まだ届かなくていいよ
でも知ってる、そばに居れないことも

揺れた視界の前で
聞き慣れた君の声
慌てる姿は君にはどう映る
どこまで覚えているか
明日の記憶でさえ
世界のスキマに
沈んでは消えていく

いつからなのか、生まれてしまった
気持ちを

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「Hope Noiz」

「Hope Noiz」

deep sensation 成る
君がためいつも澄ます感覚
人生に意味はないが踏ん張る
地面にもキスを済ます錯覚

一から壊すため積み上げた今日
Life is full of hope, let's go
deep sensation 成る
日々のため息に負けず頑張る

dust of coat 振り払え
音に紛れた香と泡になれ
君に触れられるものは僕だけ
だから歩く先々露払え

綺麗なものに

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「like a bouquet」

「like a bouquet」

「生きていた頃よりずっと幸せな時間だった。」
って、昨日消えた幽霊が言ってた。
その表情はどこまでも晴れていて、
そこで本当の意味で彼女が幽霊だったことを自覚した。

実は差がないんだな
とも思った。
彼女は普通にそこにいて、
普通の生活を送っていて、
それは怠惰に暮らす僕なんかよりも
よっぽど人間らしかった。

優しい声で甘やかに溶かされ
魔法のように時間が過ぎた。
いったいどれほどの
救いのな

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「illminate」

「illminate」

部屋から抜け出し
どれくらい頑張ったら
外に出られるのだろう
静かに染まる街
それくらいの感覚が
腑に落ちるように
大人になったらしい

高いところは月に
少しだけ近づくから
好きかもしれない、そんな気持ち
ひとりで歩く度
街灯が尾を引くから
熱くなる頬に
ー 強くなかったらしい

胸に仕舞った言葉
なんて痛いの
抱きしめて笑ったあの日々も
そう、ここではない。
ほのかに香りが似てるだけ
壊れて仕

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