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好きって何だ?


 私は今まで人を好きになったことがないのかもしれない。


 かなりの恋愛体質で、好きな人の絶えなかった私だが、よくよく考えてみるとその人たち全員“好き”ではなかったのかもしれない。


 私は今まで数多くの人のことを“好き”だと認識してきた。でもそれは本当に“好き”という気持ちだったのか。“好き”の定義は一体何なのだろう。




 性格で好きになる人がいた。優しかったり、面白かったり、一緒にいるだけで元気にしてくれるような。でもこれは“好き”じゃないのかもしれない。ただ将来この人と一緒にいれば自分は満たされる、幸せになれる、と思っただけで、“好き”とかではないのかもしれない。


 顔で好きになる人もいた。いわゆる一目惚れっていうやつ。本能のままに突き進むような、胸が熱くなるような恋。でもこれも“好き”じゃないのかもしれない。ただのカッコイイや可愛いの延長線上で、“好き”の感情ではないのかもしれない。


 自分に好意を寄せてくれて好きになる人もいた。この人、私のこと好きなんだ。気になる。これも当然“好き”ではないだろう。ただ好意を返しているだけだ。その人に、自分を好きだというその人に、興味がわいただけだ。“好き”なんかじゃない。


 じゃあ、どの一線を越えれば本当の“好き”になるんだろう。この人のすべてが受け入れられたら?でも本当にすべてが受け入れられるなんてことはない、どこか不満に思うこともあるだろうし、受け入れられるというのも“好き”ではなく、守ってあげたいというただの母性本能なのかもしれない。


 私には“好き”の定義がわからない。以上に述べたように本当に解けない謎なのである。誰かこの答えを教えてほしい。もしかすると一生わたしは人を“好き”になることはないのかもしれない。それなのに“好き”だと勘違いしてしまうのが嫌だ。


本当の“好き”は、これから生まれるのか。
それとも、すでに過去に経験しているのか。

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