空を泳ぐ鯨(18)

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最近の記事

大人になったみんなの食卓に登場できる人になりたい

 「花束みたいな恋をした」といえば一番印象的なのは、ストリートビューで偶然数年前の自分を見つけるシーンだと思います。  先ほど食卓で母が、Googleマップで香川の実家を見てみたのだと話していました。そこには数ヶ月前に免許を返納した祖父の車が写っていたそうです。退職したタイミングでずっと欲しいと思っていた車を買ったのだ、と嬉しそうに話す祖父を何度も見ていた私は、祖父が免許を返納すると聞いて複雑な気持ちになったのを覚えています。80歳を超えた祖父ですが、あんなに車が好きだった

    • 人生でいちばん最初のプレゼント

       冬の寒さが私たちをつかんで離さないように、春もまた私たちのことを強くひきつける季節であると思います。寒い日が続きますが、お元気ですか。私は共通テスト直前にて、またしても体調を壊してしまっている限界受験生です______  よくある名前だから特定されることもないと思うので言ってしまいますが、私の名前はさくらといいます。この名前には、桜のようにみんなに愛される人になりますようにという思いが込められているそうです。私はいつかそんな素敵な人になることができるのだろうかと、この花び

      • 今までもきっとこれからも、分かれない言葉

         受験が近づいてくると、眠れない夜が続きます。深夜4時、もう寝るのは諦めました。安眠サプリメントをポチって、それからいにしへの下書きも、ついでにポチッとしてみます。世界史頑張る。  「もう少し大人になったらわかるよ」 と何度言われたことか分かりません。幼いころから好奇心旺盛だったわたしは、祖母が読むような難しい本に手を出し続け、そして小学生には理解し難い言葉にぶつかり続けていました。  正確には、言葉の意味がわからなかったというわけではありません。分からない言葉があるなら

        • 壊れたイヤホンはまだ直さない

           イヤホンを付けて電車に乗るようになってから、もう一年以上が経ちました。私は片道40分ほどかけて通学をしていますが、その間は友達に教えてもらった曲を聴く時間にすると決めていました。  そんな私ですが、最近イヤホンの調子が悪くなり、耳に何も付けずに登校する日が続きました。修理に出してもらおうか、それとも新しいイヤホンを買ってもらおうかと思ったけれど、やっぱりしばらくはこのまま、イヤホンをつけないまま過ごそうと思っています。  私が裸耳にハーフアップで通学していた頃は、駅のホ

        大人になったみんなの食卓に登場できる人になりたい

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        • 今までもきっとこれからも、分かれない言葉

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          わたしのお父さんは至る所にいる

           辛いことがあった時に、異性の家族がいればよかったのにと思うことがあります。母親と二人暮らしを始めて、もう6回目の冬です。  私にとってお父さんという人は、困った時に背中で語ってくれるみたいな、多くを語らずに見守ってくれているみたいな、時々いいこと言ってくれるじゃんみたいな、そういう存在だというイメージがあります。私の記憶の中にお父さんはいないけれど、だからこそそういう人がいてくれたらいいなと思ったりします。お母さんと黄色い声で盛り上がる食卓も好きだけど、たまにはそういう存

          わたしのお父さんは至る所にいる

          LJK、"ぼっちイルミ"が好きなワケ

           去年の冬、学校帰りに突然大粒の雪が降り出したことがありました。傘も持っていなかった私は寒くて寒くていられなくて、最寄り駅から1番近いカフェに寄りました。ホットコーヒーをテイクアウトして、手を温めながら帰宅しようと思ったのです。赤くかじかんだ指先でホットコーヒーを指さして、ひとつくださいと言いました。店員の方は外国の方でした。  しばらくして、コーヒーを受け取る時、その店員の方が「大丈夫ですか?」と声をかけてくださいました。雪まみれになった私の肩を心配してくださったのだと思

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          「ありがとう、大好きだよ」を安売りしているわけじゃない

           私が日頃心がけていることの一つに、「ありがとう」と「大好きだよ」を相手にふんだんに伝えるということがあります。これはもう10年近く前から続けていることで、これからもずっと続けていこうと思っていることのひとつです。  私が美味しそうにご飯を食べることにこだわる理由は以前書きましたが、今回のこれにも、あるきっかけがあります。  私は、今までの人生17年間で一度だけ、身近な人を亡くしてしまったことがあります。身近というにも烏滸がましいかもしれませんが、その方は、私が2年間通って

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          好きやきづくりの本当の部分

          何を書いていいのかよくわかっていないので、手始めに、私が高一かそのあたりにどこかのエッセイコンテストに出したものの改訂版を投稿してみることにします。 __________  私はほんとうに食べることが好きですが、そんな私の食べ物好きにも、ちょっとしたルーツのようなものがあります。今日はすこしだけ、私がどうしてこんなにも食べることが好きなのか、そしてどうしてこんなにも、毎度美味しそうに食べるということにこだわっているのかのそのきっかけについて、書いてみたいと思います。  

          好きやきづくりの本当の部分