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人生でいちばん最初のプレゼント
冬の寒さが私たちをつかんで離さないように、春もまた私たちのことを強くひきつける季節であると思います。寒い日が続きますが、お元気ですか。私は共通テスト直前にて、またしても体調を壊してしまっている限界受験生です______
よくある名前だから特定されることもないと思うので言ってしまいますが、私の名前はさくらといいます。この名前には、桜のようにみんなに愛される人になりますようにという思いが込められているそうです。私はいつかそんな素敵な人になることができるのだろうかと、この花びらを閉じたり開いたりしているうちに、もう18回目の桜の季節を迎えようとしています。
私が初対面で自己紹介をした時、「きっと桜が咲く季節になると思い出すね」と言われたことがあります。そんな友達ともいつしか親友になりました。何度もふたりで歩いた道には桜の木が突き当たりまでびっしりと植っていて、冬にその木々が葉を落としても、春には立派に街を照らします。その桜が咲き終わる頃、はらはらと散る花びらまでも美しくて、たいそうな名前を頂いてしまったなあといつも思っていました。きっと私もその友達のことをこの先もずっと、春になったら思い出すだろうと思っています。
辞書のcherry blossomのページにはなびらを挟んで、この日を押し花にしようと思ったのは去年の4月でした。あれからもう一年が経とうとしていますが、嬉しいことにも悲しいことにも、あの頃の私はもう私の中にはいなくなっていっているように思います。この1年間は本当に成長の連続でした。涙も笑顔もたくさんあった日々でした。ふと一年前を思い出して辞書を引いてみると、挟んであった桜の花びらはすっかり水分を失って、ぱりぱりとした形に姿を変えてしまっていたけれど、そんな花びらも今の私には尚美しく見えています。あの時の思い出を留めておこうと必死に挟んだ花びらを見て、時が移ろうというのはこういうものなのだと無念半分、どこかで少し安堵してしまいました。今は今の自分のまま、精一杯咲いていようと思います。
早く桜が咲く季節が来てほしいです。早く冬が終わって、春が来てほしい。桜が咲いたとき、今までこの木の下でことばを交わしたたくさんの人のことを思い出します。たしかに舞ってしまった思い出も少しはありますが、つよく風が吹いても枝が繋ぎ止めるほどに美しく満開の花びらがあるように、たくさんの思い出が未だ私の心の中に咲き続けているのです。
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