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伝わる・揺さぶる!文章を書く【ブックレビュー】

最近、「これは…!」と思う本を手に取っては読みふける。そんな日々を過ごしている。

文章を書くことは楽しい反面、責任を伴うものだと思うし、やっぱりいい文章、伝わる文章を書きたいという欲が出る。

本書は、山田ズーニー氏による
「伝わる・揺さぶる!文章を書く」

出版社: PHP新書
発売日: 2001/11/29(第一版第一刷)



小論文のプロが教える「文章の書き方」

著者は、ベネッセで小論文通信教育の企画・編集・プロデュースに携わり、その後独立した山田ズーニー氏。

宣伝会議の編集・ライター養成講座の中でも講師を担当していらっしゃった。

そう、本書は小論文指導のプロが、よい文章を書くためにはどうしたらいいかをアドバイスするものだ。

いい文章とは?

本書でも、いい文章とはなんぞや、という質問が繰り出される。

小論文で言うなら、よい文章、目指すゴールは説得だそう。論理的思考力で評価されるわけだ。

小論文で情感や余韻を狙おうとすると説得というゴールにたどり着けない。

本書が目指す文章のゴールはこうだ。

1編の完成された文章をまとめ上げることではない。書くことによって、あなたの内面を発現することにも留まらない。あなたの書いたもので、読み手の心を動かし、状況を切り開き、望む結果を出すこと、それがゴールだ。


7つの視点から考える。

本書では、意見・望む結果・論点・読み手・自分の立場・論拠・根本思想という7つの視点を押さえ、考えていく。

まず大切なのが、自分が一番言いたいことは何か。実は、意見があるようでただの愚痴になってしまっている、話しがすり替わってしまっていることが少なくない。

自分で問いを立て、自分の意見を見つけることが必要だ。

さらに、望む結果のために、何のために書くのかを考える。そして何を書くか、自分の立場を見つけ、説得のために視野を広げる方法も紹介している。

実際に伝わる・揺さぶる!文章の書き方実践編や上級テクニックもなるほど、とうなづける。

あなたにしか書けない、かけがえのないもの

本書は論理的思考力がベースにあり、まさに高校の小論文指導さながら。

タイトルだけ見ると、情感に訴えるような文章技法かと思いきや、ビジネスシーンで活かせるようなロジックな話だ。

しかし、随所に筆者の言葉への熱量が伝わってくる一冊なのである。

最後に筆者からの言葉を添えて、終わりたい。

自分にしか書けないもので、互いの潜在力が生かされるとき、相手とあなたが出会ったことは意味を持つ。あなたが書くものは、相手にとってかけがえのない意味を持つのである。

あなたには書く力がある。



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