観光客が住人の視点に変わるとき
9月に入り、1週間が経ちました。
ここ新潟県の十日町市では、三年に一度の「大地の芸術祭 越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ2018」という国内最大級の野外美術展が、50日間にわたって開催されています。
この会期中は何十万人ものひとがやってきます。
それも国内だけでなく海外からも。
それにともない人手不足なのか、わが家「ギルドハウス十日町」の住人たちが芸術祭のレストランなどにかりだされ、各地でお仕事するようになっています。ギルドハウス十日町に訪れるひとたちも芸術祭めぐりを楽しんでいるようです。
そんなある日、住人がギルドハウス十日町に来るひとたちのことを
「8割ぐらい芸術祭の観光客ですよ」
と言っていました。
たしかにこの会期中、ギルドハウス十日町を知ったきっかけは芸術祭かもしれません。
でも、そうしたひとたちを観光客として見ていたんだなあ、と思いました。
以前、じぶんは3年以上にわたって日本全国を旅しました。さまざまな交流の場をわたりあるき、見聞を広め、その集大成としてギルドハウス十日町を設立するに至ったわけです。
その旅のなかで、観光地にもたくさん滞在しました。
でも、はじめは観光客の気分だったのに、しばらく経つと住人のような視点に変わりました。
それがとても心地よかったんです。
その場に居るひとたちが仲間のように接してくれ、友だちのようにいっしょに遊びに行き、そして家族のように「いただきます」と食卓を囲む。
まさに暮らすように旅していました。
数日たったときには朝の散歩などで
「今日も観光客がたくさん来てるなあ」
だなんて住人のような感想がこぼれるようになっていました。
ギルドハウス十日町には観光客は来ません。
そもそも観光関連のガイドブックやWebサイトに載せていないので、ギルドハウス十日町に行きたいと思ったきっかけは、本質的には観光じゃないはずです。
ここにたどりついたひとたちは、みんな冒険者です。
だからじぶんは観光客のような扱いをしません。
そのひとがいずれその土地を気に入り、住人になるかもしれないから。
大切な仲間になるかもしれないから。
だから
「はじめは宿なのかどうかもわからなかったけど、なんだか楽しそうだったので思い切って連絡してみました」
「友だちが以前そちらに行ったときの話を聞いて、おもしろそうだったので来ました」
など、きっかけはなんでもいいんですよ。
暮らす場所はひとつじゃない。
あなたのもうひとつの実家として、いつでもお待ちしています。
よかったらサポートをお願いします。もしくはギルドハウス十日町へ遊びにいらしていただければうれしいです。