パソコンを使わない。身軽さを重視。でも、やがては。

いまから17年くらい前の1999年1月25日。この日、世界初の携帯電話インターネット接続サービスが、世間に向けて広く公表されました。

その記念すべき記者発表は、東京都の原宿で行われ、当時ブレイクしていた広末涼子さんがCMキャラクターとして登壇することもあり、実に数百人もの記者が詰めかけたものです。

さて、この世界初の携帯電話インターネット接続サービスとは?

そう、ドコモの「iモード」です。

いまとなっては当たり前を通り越すほどになった携帯電話でのメール送受信やWebページ閲覧。周りでは「携帯電話でメールを送るのって必要なの?パソコンがあれば済むことじゃないか」という声も少なくなかったけど、自分にはとても夢のある技術に思えました。

最近では、指先ひとつで操作できるスマホが普及したため、キーボードやマウスを多用するパソコンの使い方のわからないまま就職する若者が増えているとか。

また、電話やメールよりも、LINEやFacebookなどによる通話やメッセージ交換のほうが幅をきかせるようになってきたような。

そんな、たった20年弱の激変を振り返ると、なんだか感慨深いものがあります。

実は、iモードの記者発表の場には、自分も居たんです。そのときは27歳でしたね。パソコン雑誌の編集者としての興味関心と、なにより広末涼子さんを写真に収めたくて(笑)。わざわざ10倍の望遠レンズを購入して臨んだものです。

ちなみに、この出来事には前日譚があり、実は数ヶ月前にもiモードの記者発表が行われていたそうですね。その際に詰めかけた記者の数は、たった10人にも満たなかったとか。広末涼子さんのキャラクター効果は絶大だった、ということでしょうか!?

そんなこんなで現在。《住み開きの古民家「ギルドハウス十日町」》に集う人たちを見ると、スマホやタブレットが多いものの、なにかしら作業するときはMacBookやWindowsノートパソコン、タブレットPCが使われていますね。作曲家の住人はiMacで曲づくりをしています。うちにホームステイをする外国人たちも同様でしょうか。

自分はというと、日常的に使うのはiPad、つまりパソコンではなくタブレットです。すでに4年ほど、そんな状態。パソコンは持っていません。会社員時代のハードワークから解放され、場所の固定されたデスクワークではなくなり、全国各地を暮らすように旅しながら活動するようになったわけで。

さらに昨年の2015年からは自分の住まいをギルドハウス十日町として開放し、ふだんは引きこもりの多い《住み開きの隠居生活》をするようになった自分にとっては、タブレットだけで十分だし、むしろiPadが大活躍しています。

そんな自分も、パソコンを使いたくなるときが、ないわけでもないです。

「じゃあ、使うとしたらMacBookとか、ノートパソコン?」

となりそうだけど、むしろデスクトップパソコンのほうを使いたくなります。茶の間や旅先ではiPadだけで十分なので、どうせ思いっきり引きこもりをするなら、どっしりとかまえたデスクトップパソコンで、しかも高速・多機能のハイエンドモデルがいいですね。

ギルドマスター室の奥にある小部屋を改装して、腰痛防止のゆったりとした背もたれ&ひじかけ付きの座椅子にすわり、そこを書斎とするのもいいなあ。もちろんWi-Fiではなく有線LANにつなげて、山奥ならではの高速インターネット回線をフルに活かしたい。

・・・などと妄想することがあるように、特定の場所を持たずに移動しながら、会社員時代とは真逆の《新しい生き方》に移行した自分も、こうして自らの場を持ったいま、やがてはデスクトップパソコンでどっしりと構え...。

そして、身軽さ重視の新たな機器を携えた《次世代の旅人》を迎える側になっていく。そんなことを楽しみにしながら、歳を重ねることの良さをかみしめていきたいです。

よかったらサポートをお願いします。もしくはギルドハウス十日町へ遊びにいらしていただければうれしいです。