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6年経ったギルドハウス十日町。なぜシェアハウスでもゲストハウスでもないのか

雨の多い空模様。周辺では少しずつ田植えが進み、棚田の風景がますます美しいです。西日本だと半月くらい早く梅雨入りした地域があるようで、こちら新潟県十日町市(とおかまちし)もそろそろでしょうか。


さて、わたしが立ち上げた新しい住まいの形《住み開きの古民家「ギルドハウス十日町》。2021年5月1日で6周年を迎えることができました。

まだ6年!もう6年!?
長かったような、あっという間だったような...。


死ぬまで楽しく暮らすために立ち上げたこの家には、これまで延べ8,800人がやってきて、そのうちの80名と共同生活を営んできました。長いひとたちは2年以上だったり3年以上、現在も共に暮らしています。

ちなみに、わが家には観光客は来ません。
なにせ特別豪雪地帯のたった6軒しかない限界集落にあり、お店でも宿でもありませんから観光関連の情報媒体に載っていません。

ギルドハウス十日町にやってくるのは、観光客ではなく、冒険者です。何かしらの事情で勇気ある一歩を踏み出し、ここで経験値をためたり仲間を得たりといった様々なきっかけを経て、次の場所へ旅立つ。そんな冒険者たちの拠り所になっています。


生活費は、あくまで目安ですが一人あたり月25,000円。共同生活を営むみんなから無理のない範囲で家計に預かり、水道光熱費やネット代、さらにみんなでいっしょに食べている食費まで賄(まかな)っています。

そんな支え合いの暮らしですから、わたし一人だけ大黒柱のように働く必要がなくなり、「ソーシャルな隠居」という生き方に挑戦できています。

おかげで自分の時間をたくさん取り戻すことができました。その時間を使っていろんな冒険者たちとさまざまなソーシャルアクションを起こしていますし、もちろん自身の趣味もたしなんでいます。

また、昨年にこどもが生まれ、育児にも向き合っています。わたしと妻はほとんど家にいますし、そのうえいっしょに暮らす住人や、元住人、ご近所さん、冒険者たちが協力してくれるので助かります。

それでも子育てにはたいへんなことが多いので、昨年から人数制限を試しているところです。多いときには19名で暮らしていたときもありましたが、なんとか一年くらいかけて《6~7名+短期滞在の冒険者》という比較的おちついた空間にすることができました。


さてさて。
こうした暮らしを展開しているギルドハウス十日町が、なぜシェアハウスでもゲストハウスでもないのか。

過去のnoteでもちょこっと書いてきたような気もしますが、要は以下のとおりです。

まず、シェアハウスとの大きな違いは、いっしょに暮らす住人たちと賃貸契約を結んでおらず、あらかじめ滞在期間を決めなくてよいのと、「家賃」と言わず「生活費」であることでしょうか。たとえば実家で暮らす息子や娘(もしくは居候?)が無理のない範囲で家計にお金を入れているような感覚です。

ゲストハウスとの大きな違いは、チェックインやチェックアウトという所作がないことです。まるで友だちの家へ泊まりに来たような感じでしょうか。むろん料金設定はなく、それでもお気持ちをカンパしてくれるひとがいるのでありがたいです。


とにかくわたしは「サービスを提供する側」と「サービスを受ける側」という関係性になるような要素を徹底的に排除しています。

わたしは以前、3年以上も全国の交流の場を旅したことがありました。旅先で知り合ったひとのシェアハウスやゲストハウスに滞在させてもらい、いろんな学びやつながりを得ました。どちらも大好きになりました。だからいずれは自分の場を立ち上げたいと考えるようになったんです。

ところが、いつしか「死ぬまで楽しく暮らす」ためという目的ができたとき、その目的達成の手段として、ほんとうにシェアハウスやゲストハウスがいいのか迷うようになりました。

そうして全国旅を終え、その結果として出た答えが、あくまで住まいであることにこだわるというものでした。


わたしの家に「ギルドハウス十日町」という名前をつけ、どうか遊びに来てください、よかったらいっしょに暮らしましょう。

そんな家が、6年間も続けてこれました。
みなさんに感謝です。

これからもあくまで自分の住まいとして、わたし自身が居心地の良い家としてやっていこうと思います。

そして、そんな自分本位の空間に興味を持ってやってきたり、そのまま気に入っていっしょに暮らす冒険者たちが少なからずいます。

いっしょに暮らすことで仲間となり、血縁はないけれどいろんな物事を共有していって、いずれは家族同然であったり、まるで親せきどうしと言えるような関係性。それでも家族を目指しているというわけでもなく実の親とかには言えないようなことを気軽に話せるような関係性。それらを一年一年、少しずつでいいから、これからも築いていきたいと思います。

よかったらサポートをお願いします。もしくはギルドハウス十日町へ遊びにいらしていただければうれしいです。