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【RED】 MAUが1億の、中国No1ライフスタイル提案プラットフォーム 7年間の進化

企業概要

REDは、2013年に設立したユニコーン企業で、7年間の間3回転身して、今中国で1億月間アクティブユーザを保持しているライフスタイル提案するNo1プラットフォームに成長した企業です。有名女優をはじめ、たくさんの若い女性の心を掴んでおり、男性ユーザも増え続けています。このような成果がどのように作られたのかをご紹介します。

第一フェーズ:ショッピングの攻略本としてのRED(2013-2014)

REDは最初、香港でショッピング事業を展開する「攻略法」としての立ち位置で起業され、2013年10月にPDFの形で、その「攻略本」を作成するところからスタートした。ゴールデンウィークという絶妙のタイミングで、攻略本のコンテンツ自体の専門性、可読性、希少性に、ターゲットであるユーザーたちの心にピンポイントで刺さっている内容となっており、リリース最初の週から50万ダウンロードを達成していた。当時の越境ECと海外旅行には激しい競争があったが、この二つの要素間における海外商品の口コミというブルーオーションを発見した二人の創業者はなかなか先見的な目を持っていた。

第二フェーズ:コンテンツコミュニティー(2014)

スローガン:海外のいい商品
2014年クリスマスあたりでVer1.0のREDアプリがリリースされた。このタイミングもなかなかよかったため、当時海外ショッピングを検索するとREDは間違いなく1位を独占していた。この期間では基本機能を整備しつつ、コンテンツの量と質の向上、ユーザ間のエンゲージメント、Community環境の構築にかなり力を入れていた。

下記機能がその時期に追加された


・ユーザ間の相互Follow
(コンテンツから、人と人の関係性を結び付かせて、Community構築し始めた)
・ユーザのレベルプログラム、月間、週間ランキングの整備
(アクティブ投稿者のシェアする意欲を湧き起こし、リテンション率向上させた)
・プラットフォーム側から話題募集、発信者が話題に関して発信・リアクションの促進
(興味が近い人がどんどん自然に集まるようになった)
・AIからフォロワーのレコメンド
(良質の発信者が自然に発見され、コンテンツが消費される流れを作った)

フェーズ1と比べて、このフェースではPGC(Platform Generated Contents)よりUGC(User Generated Contents)に力を入れて、どんどん一般ユーザーを巻き込んで、発信意欲を湧き起こした。同じ商品に関しても多角度に評価されたコンテンツが生成され、非常に良いCommunity環境を構築できた。そのおかげで、今でも他のプラットフォームはCommunity環境に関して真似できないようになっている。

フェーズ3:コンテンツプラットフォーム+EC(2014-2016)

スローガン:全世界のいい商品

この時期は中国越境ECがブームであり、多くのプレイヤーがいる中で、良い口コミコンテンツ、アクティブユーザーを持っているREDも当然、この越境ECの戦争へ飛び込んだ。2014年に「福利社」というモジュールを追加して、ユーザが口コミを見た後に、直接購入もできるようになった。ご存知のようにECはサプライチェン、物流、決済など非常に複雑なフローが存在している。国を跨いだ越境ECは関税問題など考慮する要素も非常に多い。REDは29か国でサプライチェーンの構築を実施し、中国のメイン紙媒体「人民日报」からも好評だった。しかし、結果はそんなに甘くなかった。経験が薄いREDではほぼ全ての地雷を一度踏んできた。品質問題、低粗利率など、ユーザーがこのプラットフォームへの不信もかなり増え、かなり難航した。下記の図通りでREDは2016年の越境ECではわずか6.5%しか市場シェアを取れなかった。

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この時期で追加された機能は以下となる


・投稿写真に商品タグをつける
(同じ商品に興味がいる人が自然に結びついた)
・Collectionの作成機能
(ユーザ自身が興味を持ったものをグルーピング化し、再利用しやすく設計した)
・商品購入攻略と実際販売商品との結びついて一緒に露出
(商品の発見、購入がOne Stopでできるようになった)

フェーズ4:Positioningの模索、第二回の社内企業ともいわれている(2016-2019)

スローガン:私の生活を記録する
上のプロダクト模索で出た結論は、攻略情報はREDで確認するが、購入は結局他のプラットフォームで値段を比較して購入する状況だった。ECというマネタイズが主軸のサービスには難しいと検証ができた。REDの1番の強みは、やはりコアユーザが持っているCommunityと認識していた。
この時期で下記の機能がリリースされた


ビデオでの商品試し口コミ投稿、ショッピング以外のシチュエーションでも自分の生活を共有する投稿促進
・映画・ドラマコンテンツを評価するモジュール
(一見ECとは全く関係のないコンテンツで、REDの多様なContents PFへのシフトが覗ける)
・ユーザー間の関係をもっと強化した。
QRスキャン、Beaconでの友達追加、Mini Programから簡単にWechatの友達へ攻略の共有

このPositioningシフトは狙い通りとなり、コアユーザーのプラットフォームへの信頼度が向上し、多くのユーザが増えていく結果となった。有名女優、ファッションコーディネーター、雑誌社などと幅広いユーザーの参入が出てきた。人気女優がREDで私生活の中で使っているものを紹介し、コメント、ライブでユーザーとの直接エンゲージメントによって、ファンとの距離を縮めて、もっと人格化したキャラクターになって、REDと芸能人の間かなりWin Win関係が築けた。余談だが、最近多数の日本人の芸能人もREDに参入してきた。
コンテンツのカテゴリもショッピングに限らず、ファッショントレンド、運動系コンテンツ、知識コンテンツ、メイクアップ知識など幅広いコンテンツがREDから入手できるようになった。その結果、価値観を提案するプラットフォームへ華麗に変身できた。
プラットフォームでブランドの顕示、現実感が無いといった価値観は一部の人には認められないが、REDの市場への影響度は否定できない。今まで中国の化粧品消費は海外ブランドがメインだが、REDの力で「完美日记」「花西子」この二つのブランドが海外ブランドを超えて、Tmallでも1位、2位ぐらいの売上を作れていた。

REDは現在、アリババ、テンセントなど大手の投資もガッツリ入っており、エコシステムの完成度、Communityの雰囲気が全て整理されてきており、まだ上場前ではあるのだが、60億ドルの時価総額として評価されて、これからのREDもかなり成長は期待できるだろう。余談だが、REDがIPOされた場合、私は確実に株を購入するが、この記事を読んでいるみなさまに置かれましても、ぜひ購入を検討していただきたいと思う。




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