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ピロリ検査は毎年必要?

パーソナルDr.コーチング『Wellness』の無料カウンセリングにて実施している『健康理解度テスト』の中から、正答率の低い問題をピックアップして解説していきます。

今回は『検査』に関わる問題について。

皆さんお分りでしょうか?

正解は、『b, 便潜血検査』です。

a, ((最も間違えやすい選択肢))ピロリ菌検査は、胃に住み着いて慢性萎縮性胃炎・胃癌を引き起こす「ピロリ菌」を検出する検査です。ピロリ菌除菌は、胃癌の予防に非常に重要です。
ピロリ菌への感染は抵抗力の低い幼少期に起こり、井戸水や親からの口移しが原因になると言われており、大人になってからの感染は稀です。よって、一度ピロリ菌検査で陰性で、胃カメラでも問題がない場合は、毎年検査を受ける必要はありません。
毎年異なる場所で人間ドックを受けている人だと、意味もなくピロリ検査も毎年受けている方がいます。気をつけましょう。
また、除菌は早ければ早いほど効果が高いので、受けたことない人はなるべく早くチェックしましょう。

b,便潜血検査は、毎年受けることが推奨される検査です。欧米で広く用いられている便潜血検査化学法を毎年受診した場合には33%、2年に1度受診した場合でも13~21%大腸がん死亡率が減少することがわかっており、わが国で広く用いられている免疫法については、1日法による検診を毎年受診することで大腸がん死亡が60%減ることが報告されています。
なお、便潜血が1回でも陽性の場合は大腸内視鏡検査が推奨されます。

c, 今流行りの脳ドックですが、要経過観察の腫瘍や脳動脈瘤が既知のケースを除けば、毎年受ける必要はありません。40歳以上で一度も受けていないケースで検討を開始しますが、20-30代では(慢性的な頭痛など症状ある場合を除いて)基本的には不要と考えられています。飲酒を大量にする、喫煙する、肥満である、といった特徴がある方はリスクが高いので早めのチェックをオススメしますが、毎年受けるのはやりすぎです。一度受けて問題がなければ、2-3年おきの検査を検討します。

d, 腫瘍マーカーは多くの人間ドックのオプションで用意されていて早期発見に有用と考えている方も多いですが、男性の前立腺癌のマーカーであるPSAを除けばほとんど効果はありません。CEA(大腸癌や肺癌のマーカー)は喫煙で上がりますし、CA19-9(膵癌等のマーカー)は血糖異常で上がります。つまり、癌でなくても上がる可能性があります。
実際にがんが見つかった方で、治療効果を評価するために腫瘍マーカーを用いることはありますが、がんを早く見つけるために有用な検査ではありません。陰性だから安心できるということもありません。

あなたは正解できましたか?

人間ドックでは山のような検査から自分に合った検査を、正しい知識に基づいて選択しなければなりません。そしてその正しい内容は、一人一人が抱えるリスクや年齢性別などによって大きく異なります。

検査も副作用が0ではないので、無駄な画像検査を追加して被曝(ひばく)量を増やしたり、一度でいい検査を毎年受けたりするのは非効率的かつ有害です。

正しい知識を習得し、自分に合った検査を選ぶ力を身につけましょう。また何より、その結果をもとに改善策を練るための知識を身につけましょう。

もしご興味があれば、Wellnessの無料カウンセリングへお気軽にどうぞ。テストで健康への理解度を確認し、医師とともに自分の課題を整理することができます。

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