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眠れません!④ 睡眠のためのヒント

今回はよりよく眠るためのヒント。

■「光」を調節する

概日リズムに光が関与することは前回までに書いた。
光はどこで感知しているのだろうか?

それは目の中にあるセンサー(メラノプシン細胞)だ。このセンサーが光の周波数を感知して時間帯を判定し、ホルモンを放出するための信号を出す。
これは目の不自由な人でも起きる反応らしい。
不思議!

朝、太陽が昇ってくると、センサーはフルスペクトルの光を感知する。すると、身体に目覚める準備をさせる信号を出す。
また、周りが暗くなると寝る時間だと伝える。なので、寝る部屋は真っ暗にしたほうが良い

夜にセンサーが人工光を浴びるとメラトニンの生成を遅らせてしまう。
もし光を浴びるなら赤色光が良い。これは赤色光が日没に生じるためメラトニンの分泌を抑制しないからだ。
さらに赤色光はお肌にも良いことが報告されている。皮膚の状態を改善し、治癒を早め、眠りが深くなる効果がある。

逆に夜のブルーライトは良くない。この周波数に敏感な光センサーによって睡眠の質が下がってしまう。
寝る前にパソコンや携帯を見ない方がよい理由がここにある。もし、使用する場合はブルーライトカットのメガネをかけることを推奨する。
最近では、ブルーライト以外の睡眠を妨げるメガネも販売されている。

日中は十分な太陽光を浴びた方がよい。これは日光に照らされると身体がセロトニンを分泌するからだ。
セロトニンはアミノ酸の1つであるトリプトファンから生合成され、その後メラトニンになる。つまり、十分な光を浴びていないと夜ぐっすり眠るためのメラトニンの素が足りなくなる。
色々調べてみたが、具体的な時間を書いてある資料はわからなかった。同じように日光が必要なビタミンDは15分程度なんだけど…。
オフィスで働く人は休憩時間に日光を数分浴びてみよう。日焼けには注意。

■食事

数年前、糖質制限ダイエットが流行した。
私もチャレンジしてみたことがある。確かに5kgくらいは短期間で痩せることができた。ただ、寝起きは良くなかった。
また、日中はエネルギーが必要だろうと朝はご飯を食べるようにしたところ、今度は日中の集中力がなくなってしまった。

身を持って体感したことだが、炭水化物をとるとしたら「夜」しかない。
糖質制限をしている方も、週に1-2回、夕食かその直後に100-150gの炭水化物を摂ったほうがよい。

長期的に炭水化物をカットすると、まず激しいドライアイを経験する。
そして睡眠の質が落ち、場合によっては甲状腺の機能が低下する。程度はあれ睡眠時無呼吸症候群になり、記憶はないかもしれないが軽い覚醒が何度も起こりうる。(これも不眠症の難しいところ。本人は睡眠時の記憶がないのだ。観察者が必要)

夜に炭水化物が必要なのは、トリプトファンの輸送に関わるからだ。
血糖値が上がるとインスリンが分泌される。トリプトファンが脳に輸送されるためにはインスリンの存在が必要であることがわかっている。インスリンは血糖値の上昇に応じて分泌される。
トリプトファンは必須アミノ酸(体外から取る必要がある)の1つ。トリプトファンは体内でセロトニンになる。
セロトニンは体をリラックスさせ睡眠へ導く効果がある。また、枯渇してくるとうつ状態になると言われている(モノアミン仮説)。
また、夜間の血糖値の上昇は、眠っている間に脳が必要な働きをするのに役立つ。涙液を作るのも炭水化物だ。

(補足)
ここで、「おや?」と思われるかもしれない。セロトニンは日中光を浴びて分泌されるのではないの?と。
前回述べたとおり、日中は「覚醒」の強力な指令が出ている。バランスにもよるが、通常覚醒が勝っている。また、セロトニンは日光の他、運動や食事でも分泌される。また、体内のセロトニンの90%は消化管に存在する。
脳内への移行は重要なのだ。

お酒はどうだろうか?

睡眠をとるため、寝酒を飲む方もいるだろう。

アルコールは寝入りは良くなるが、睡眠が浅くなり熟眠感が得られない。
また、飲酒翌朝には脳内のセロトニン量が減少し一時的なうつ状態になることも知られている。

睡眠不足のときはアルコールは避けるようにしよう。

◼️ノイズ

私は睡眠中も結構敏感で、起きやすい方だと思う。「地震だ!」と飛び起きて震度3だったこともある。家族誰も起きていなかった。
子供が小さい頃、夜泣きで目を覚ますこともあったが、翌朝「夜大変だった」と妻から聞いて夜泣きを知ることも多かった。

睡眠中の男性と女性ではそれぞれ違う物音に敏感になるらしい。
ある研究では、男性は車の警笛、強風の音、虫の羽音に反応し、女性は赤ちゃんの泣き声、水滴がしたたる音、争う音に反応した。

また、交通関係の騒音として飛行機>自動車>電車の順で安眠を妨害するらしいこともわかった。

睡眠につながる音は、よく知られたホワイトノイズだ。

ホワイトノイズを出すベッドサイドグッズもあるが、youtubeやアプリでもあるので騒音による睡眠妨害に対抗するにはおすすめだ。

◼️温度と湿度

安眠のためには温度は高すぎず低すぎず、がよい。
ものの本には温度は18℃、湿度は65%が良いと勧めている。この環境が布団にくるまってゆっくり眠れるらしい。
個人的には18℃は低すぎるような気もする。

自分にあった環境を探してみるのも良いかもしれない。

■香り

アロマは門外漢であまり良く知らない。いつか勉強してみたいな。

いくつかの研究でラベンダーの香りが眠気を誘うことが示唆されている。
アロマキャンドルやディフューザーなどで眠りを誘う香りを寝室に導入してみよう。

鼻呼吸テープにもラベンダーの香りは採用されている。


長くなるので2回に分けて投稿する。
また次回。


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