週刊千字

だいたい週1回だいたい千字ぐらい、あまり役に立たない話を書いていきます。

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最近の記事

挑戦する組織には臆病者が必要だ

世の中、物事を止めた人は評価されない。新しい商品、新しい事業を前に進めた人は評価されるが、儲からないと言って却下した人は恨みは買いこそすれ決して評価はされない。ノーベル臆病賞をもらえるのは、わずかな可能性に賭けて無謀な挑戦を成し遂げた勇敢な人であって、巨額の設備投資を断念させた臆病な経営者ではないのだ(なぜ断言できるかというと、そんな賞はないから)。不確実性の高い時代だからと、新しいことにはできるだけ早くできるだけ多くチャレンジすることが大事だという風潮も、輪をかける。 9

    • ビジネス界の鳥山明にオレはなる?

      仕事をしていると、「アイデア出し」をすることがある。1人でやることもあればチームで行うこともある。自分はこれが苦手だ。厳密に言うと、「アイデア出し」は得意なのだが、「アイデア捨て」が苦手だ。捨てるのが苦手なのは、自分のクローゼットを見て毎日自覚している。 自分のアイデアはどれも可愛くみえるものだし、他人のアイデアはピンと来ない。目上の人のアイデアには同調しがちなのもあるあるすぎる。そんな中でどんどん勝手にアイデアを切っていって、結果的に彼の望む方向にしれっと持っていこうとす

      • エロ映画館体験記

        このブログでは、おじさんが喜ぶものを書いていきたいと思っている。すなわち、ビジネス、スポーツ、芸能、そしてエロである。要するに個人経営の夕刊紙ということになる。今のところちょっとエロが少ない気がするので、今回はエロ成分を足しておこう。 その昔、学校を出たばかりの自分は、東海地方のとある田舎に配属された。縁もゆかりも娯楽もない。平日は激務で忘れているが、休日になると何もやることがないことに気づく。当然悶々としてくるので、TSUTAYAのアダルトコーナーにお世話になったり、コン

        • 黒岩祐治神奈川県知事がもっと評価されていい3つの理由

          もうすぐ都知事選か。毎度思うのだが、世界に誇るこれだけの大都市を司るのだから、任意の自己推薦ではなく、東京で優秀な上位100人を強制的に連れ出してきてその中から選ばせてほしいものだ。 さて、都知事と関連した話なのだが、現役の神奈川県庁職員と話す機会があった。彼らの語る黒岩知事評が世間一般のそれとは少し異なるリアルさがあったためよく記憶している。基本的にマスメディアでもSNS等でも黒岩知事を評価する論評を見たことはないのだが、彼らは冷静に是々非々で評価していた。以下に「是」の

        挑戦する組織には臆病者が必要だ

          最も不幸な転職類型に出会った

          ひと月ほど前、同僚が、理由もなく急遽今日の午後は休みますと言った。体調はよさそうである。休ませてくださいとかではなく、一方的な通告。そんなことが翌週にもあった。ははあ、これはもしやと思ったらやはり退職するのだという。あの不自然な休み方は、転職面接を受けていたのだろう。 彼女に聞いたところによると、決め手は先方の部長からの「ぜひ来てほしい」という熱心な誘いだったとのこと。それは選考担当者なら誰にでも言うセリフなので真に受けないでほしいが、目がキラキラしているので何を言ってもダ

          最も不幸な転職類型に出会った

          「成瀬は天下を取りにいく」は天下を取っているか

          「成瀬は天下を取りにいく」を読んだ。ほとんど小説を読まない自分のところにまで情報が届いてきたということは、売れているということだろう。なんならひとしきり話題になり尽くしたあとかもしれない。 西武らしきユニフォームをきた女子学生のイラストと、「西武に青春をささげる」的な書き出しで始まるという程度の予備知識で読み始めた。読み始めてびっくり、西武とは、西武のことではなくて西武だった。つまりライオンズではなく百貨店だった。所沢の話かと思ったら大津の話であった。 文体は、なんという

          「成瀬は天下を取りにいく」は天下を取っているか

          転ばぬ先の杖は、ハラスメントか、ハラスメントハラスメントか。

          学生時代に飲食店でバイトしていた。自分はある程度仕事を任されていて、新人くんのお世話係もしていた。あれしろとかなんでやってないんだとか指導するのではなく、わからないことやつまずいたことを優しく教えてあげる係。自分がこれまでの経験で培ってきたノウハウを、惜しげもなく伝授した。今目の前にないピンチに備えたワザ、いわば転ばぬ先の杖をも先回りして教えてあげた。 学生を卒業した翌年だったか、あの頃のメンバーで飲もうとなった。バイトをやめて数年してから集まるということは、それなりに他の

          転ばぬ先の杖は、ハラスメントか、ハラスメントハラスメントか。

          誰も悪くないけど親友を失った話。

          家が近所で、保育園から高校までいっしょだった友人がいる。ほぼ毎日いっしょに登下校していたし、中学時代は部活もいっしょだった。自分の中では幼なじみであり、親友といっていい存在だった。 あるとき、その友人の結婚式に呼ばれた。自分は親友なのでてっきりスピーチでも頼まれるものと思っていたがオファーはなく、代わりに中学時代の友人だという人物がスピーチをした。自分も同じ中学なので面識はあったし、二人に付き合いがあったことは承知していたが、スピーチを頼むほどの親密さだったとは知らなかった

          誰も悪くないけど親友を失った話。

          謎のビジネススキル"調整力"の正体

          会社組織に身を置いていると、社員の評価尺度として「調整力」が話題になることがある。あの人は調整力がないだの、あの人は全然調整力がないだのという具合である。 自分が以前に出入りしていた会社では「調整グループ」なる組織単位が存在していた。調整を専門とするグループ・・・いったい何を調整しているのだ。しかもそのグループが、その部内の「筆頭グループ」であるとのことだったから驚きである。部外者からすると、バリバリ営業している人が主役のような気もするが、その会社では調整役こそが王道という

          謎のビジネススキル"調整力"の正体

          ワンアンドオンリーと書いて宇多田ヒカルと読む

          もうタイトルに書いてしまっているが、宇多田ヒカルはワンアンドオンリーである。 宇多田ヒカルの前に宇多田ヒカルの予兆はなかったし、宇多田ヒカルの後もフォロワーはいたとしてもマネをしている人はいない。いや、マネしたくてもできないのだろう。メロディーも、歌詞も、歌い方も、リズム感も、声も唯一無二。そしてなにより、それほどの孤高の存在でありながら、大衆に染み込むポップさを異常なバランスで持ち合わせているという尋常でない存在。 しかもそのパフォーマンスを、弱冠15歳でデビューしてから

          ワンアンドオンリーと書いて宇多田ヒカルと読む

          私の転職体験記

          少し古い話になるが、自分は転職を経験している。転職は学歴、スキル、業界、経験年数等によって千差万別だし、個社や部署によっても全然違うと思うので誰の参考にもならないとは思うが、自己満足のため記憶を呼び起こしてみよう。 まず、自分はある程度勤めて、中堅といえるような立場になってから転職活動を始めた。転職理由はシンプルに給料。会社全体の「平均年収」はそこそこだったのだが、例えば平均年収700万円の会社において、新卒から定年まで40年間ずっと700万円をもらえるわけではない、という

          私の転職体験記

          私の『電車の中で座るための戦略とアクションプラン』

          みずほリサーチ&テクノロジーズという会社が、「電車の中で座るための戦略とアクションプラン」というドキュメントを公開している。親しみやすい題材を使って自分たちの成果物のサンプルを紹介している。好例だと思う。これに便乗して、電車の中で座るために自分が日ごろ心がけていることを書き出してみる。 ①待ち列これはマナー的には紙一重だが、ホームの中に広いところと狭いところがある。広いところにはたくさん人が並ぶが、狭いところには並ばない、というか並べない。多くの場合、そういうところには「こ

          私の『電車の中で座るための戦略とアクションプラン』

          横浜市は特別自治市をめざすどころではないという考察

          横浜市が特別自治市とかいうのを目指そうとしている話は聞いたことがある。いってみれば県から独立して、県と同等の権限を持とうというようなことだ。 自分は横浜市にそれほど思い入れはないのだが、横浜市に住む知人によれば、横浜は行政サービスがあまりよくないらしい。なによりスピードが遅いと。具体例を挙げろと言われても知らないのだが、そりゃああれだけの人口と市域を抱えて、行政区も18もあれば、意思決定は大変だろう。それは想像がつく。人口のわりに法人は少なそうだし、東京のように財政で強引に

          横浜市は特別自治市をめざすどころではないという考察

          UiPathのいいところとPowerAutomateへの不満を書き連ねる

          RPAというものがある。要はパソコン操作の自動化をしてくれるソフトのことであり、前の職場では「UiPath」というのを使っていた。誰でもかんたんに自動化ができる、という触れ込みであったが、プログラミング言語的な知識も必要だったりで、とても一朝一夕に身に着けられるものではなかった。それでも苦労しながらどうにかこうにか使っていた。サポートはあってないようなものだし、日本語表現はこなれていないし、なんでこんな使いにくいソフトがこんなにシェア持ってるのかなと思っていた。値段も高いし。

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          ナインティナインのオールナイトニッポンの「今日すごいですね」を振り返る

          今回取り上げるのは、マスメディアの中でも少し検索性に劣ってしまうラジオ番組ではあるが、なんせ天下のオールナイトニッポンである。しかもナインティナインのオールナイトニッポンである。ハガキ職人のデータベース的なものも見かけたことがあるし、誰かが調べているだろうとは思うのだが、意外にも自分は出会ったことがない。それが、「今日すごいですね」の記録である。 まず、「今日すごいですね」とは何かから。このページにたどりついてしまう人はおそらくリスナーだろうから説明不要だとは思うが、1回の

          ナインティナインのオールナイトニッポンの「今日すごいですね」を振り返る

          花粉症商法「この商品の売上の一部は花粉症対策に使われます」

          いわれてみれば、毎年春先に風邪をひいて鼻水が出るような気はしていたのだ。ポケットティッシュの消費が早くなる。そこから毎年なんとなく意識してみたら、3年連続ぐらいで春先に鼻風邪をひいた。これはもしかするかもと思い耳鼻科でアレルギー検査をすると、見事に花粉症であった。そういえばこの時期は鼻水だけでなくくしゃみも出るんだよな。 一度認めてしまうとそこからの進行は速い。あっという間に職場に箱ティッシュを持ち込むようになり、マスクも備蓄しておくようになった(コロナ初期のマスク不足時は

          花粉症商法「この商品の売上の一部は花粉症対策に使われます」