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4th: by the graduation day

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路上ライブを行っていた高校教師デュオ「T'z」による作品集(その4)
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about T'z (teachers singing on the street)

about T'z (teachers singing on the street)

T'z について

 平成11年1月9日に結成され、同5月から平成23年8月までの毎週金曜、雨の日も風の日も休まずに、某JR駅前の路上でライブを続けた、高校教師によるフォークデュオである。

 ボーカルを担当するのは体育教員ケンタ、ギター・コーラス・ブルースハープを担当するのは英語教員カズヲ。ふたりは同じ学校で教鞭をとり、文化祭や放課後にライブ活動をしていた。

 平成9年にカズヲが別の学校に異動

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このままじゃ

このままじゃ

勉強さえできればいいのかい
運動さえできればいいのかい
仕事さえできればいいのかい
本当にそれだけでいいのかい

いまが楽しければいいのかい
気持ちがよければいいのかい
金があればそれでいいのかい
本当にそれだけでいいのかい

 このままじゃこのままじゃ
 なにもかもがいまのまんま
 このままじゃこのままじゃ
 なにひとつかわりはしない

人の事はどうでもいいのかい
自分さえよければいいのかい

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だいじょうぶ

だいじょうぶ

がまんできないくらいに
いやなことあったんだね
たとえなにがおこっても
いつでもそばにいるから

 だいじょうぶきっとだいじょうぶ
 おまえならだいじょうぶ
 だいじょうぶきっとだいじょうぶ
 なあ

たちあがれないくらいに
わるいことあったんだね
たとえこころ傷ついても
えがおだけわすれないで

 だいじょうぶきっとだいじょうぶ
 ひとりでもだいじょうぶ
 だいじょうぶきっとだいじょうぶ
 さあ

時代

時代

個性の時代とだれかがいう
どこに個性があるのだろう
おなじ制服にしかみえない
流行のやまいにきえていく

常識なんだとだれかがいう
なにが常識というのだろう
教えるはずのおとながまた
世代のなみまにきえていく

 メディアはすべてが真実だろうか
 流行はだれかにつくられてないか

  時代にあそばれぬよう
  時代にかわされぬよう
  時代にさらわれぬよう
  時代を自分で確かめて

 愛はひとり

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すき

すき

さあ顔をあげて
もう涙みせないで

せつない瞳のその理由を
もしよければ教えてよ

 今ならまだ
 今日ならまだ間にあうだろう

  形をもたない勇気たちよ
  めざめなさい

ねえ無理しないで
そうそこにいればいい

まぶしい笑顔がもどるように
できるかぎりゆるすかぎり

 今ならまだ
 今日ならまだ間にあうだろう

  声にならない言葉たちよ
  さけびなさい

そんなときは

そんなときは

きのうまでは
あんなにげんきだったのに
きょうはこうしゃの
かたすみでひとりないてた

 どうしていいのかわからない
 なにもできはしないけど
 いつでもそばにいてあげる
 いつでもみまもっているよ

  ここへおいでなみだはみせずに
  そんなにじぶんのことせめないで
  ここへおいでひとりじゃないよ
  やさしいこころでうけとめるから

やりたいことは
おもいきりやってみようよ
いろんなことを

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三年たったら

三年たったら

さびしいときの歌が
また街に流れてる
もうこれで終わりなんだね
もう会えないんだね

 三年前にきみと
 はじめて会ったこの街が
 あのころのままじゃないように
 きみもすっかり変わってしまった
 
  心のなかのきみはどこへいったの
  いつもふたりがこの店で
  笑いあったあのころが
  やけになつかしすぎるよ

話すことがないまま
白いときがすぎる
僕はなにか言おうとしたけど
なにも言えなか

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愛すべき人たちへ

愛すべき人たちへ

ひさしぶりに酒をくみかわし
一夜をわけあおう
なにもかもいまこの胸に
よみがえってきそうだ

タバコをくわえ話すおまえは
おとなびてみえる
だけどその心すべてまで
煙にまかないでくれ

 夢をわすれちゃいないかい
 あのころの熱いおもいを
 若かったなんて言葉で
 かたづけてはいけない

  はしりつづけてそれぞれに
  涙と挫折を落としてきたけど
  いちつも立ちあがれたんだ
  きみたちがそば

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あなただけ

あなただけ

たとえわたしのすべてを失おうと
あなたがいればそれでいい

たとえせかいが終わりつげようと
愛がのこればそれでいい

 わたしの信じる
 たったひとりのひとだから
 いまこころからあなたにつげよう
 あなただけ

とわにわたしのすべてをかけて
あなただけに愛をちかう

とわにあなたを愛しつづけたい
あなただけを愛しつづけたい

 ともにあるく
 たったひとりのひとだから
 いまこころからあなたにつ

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ふるさと

ふるさと

飯坂には吾妻のおろし
灼熱の太陽にうたれて
泥にまみれ白いボールおいかけた
がむしゃらだった高校時代

 かならず迎えにくるからと
 彼女にわかれをつげた
 やまびこのホームに落とした涙
 いまごろどうしているだろう

  かえりたいいまだから
  かえれないいまだから
  なにもかもうつくしい
  ここがおれのふるさと

足利には赤城のおろし
きれいな夕日に暮れていく 
織姫山あれが渡良瀬橋

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