楢﨑正剛プレゼンツGKオンラインサロンが選んだJ1上半期ベストセーブは第7節の東口順昭!「楢﨑正剛特別賞」は中村航輔が受賞
GK玄人が選ぶトップレベルのベストセーブ
試合のことなら監督に、シュートのことならFWに、GKのことならGKに聞くのが一番。ベストセーブを決めるなら“GK玄人”が選ぶのが最適に違いない。
GKの頂を知る人物・楢﨑正剛さんを中心に様々なメンバーが集まるGKオンラインサロンでは先日、「J1の上半期ベストセーブを決めよう」というテーマで議論を繰り広げた。今回に限らず、オンラインサロンの交流会はいつも、参加者それぞれが学びや純粋な「楽しさ」を感じる場となっている。その理由の一つに、現役プロ選手、元プロ選手、現役プロ指導者、アマチュア指導者、(GKが大好きな)サッカーファン、メディアなど多岐にわたるメンバーがそろうこともあるが、何よりも「GK視点で語るサッカーはこんなに奥深いのか」と気がつくからだろう。
“GK視点”でサッカーを見たことがない人には断言できる。「GK視点を知ると、あなたはサッカーを今よりもっと好きになる」と。
そんな前置きをぜひ頭に入れてもらいつつ、今回、上半期ベストセーブを決定した過程の一部を公開させていただく。最終的に満場一致で決まったベストセーブは、「第7節の東口順昭選手」。古橋亨梧選手のシュートを防いだシーンだ。
選考メンバーもみな「このセーブは何度見ても熱くなる」と大絶賛。楢崎氏が冒頭で話した「ゴールキーパーは止める確率を少しでも上げるために、シュートの前からいろんな準備作業をしている」という、選考基準を完璧に満たすプレーだった。なぜこのプレーがすごいのかという議論を通して、GKの本質的な部分や、奥深さを感じ取ってもらえるかもしれない。
GK視点を知る人も、知らない人も、よろしければぜひご覧ください!
【選考メンバー】
・楢﨑正剛(名古屋グランパスアカデミーGKコーチ)
・松本拓也(大宮アルディージャGKコーチ)
・萩原海里(町田JFC GKコーチ)
・福田悠(GKライター)
ほか
GKオンラインサロンが選ぶJ1上半期ベストセーブ
■第7節・東口順昭選手の76分のセーブ(映像はDAZN週間スーパーセーブより)
どんな理由で東口選手のセーブが選ばれたのか?
福田悠「事前の予測と駆け引きがすごい。イニエスタ選手のボールの持ち方でアウトサイドでパスを狙ってくることと、どのタイミングか、どの場所にパスを出すかまで察知していると思う。で、パスを出す瞬間から古橋選手の走り出しの間で、このポジショニングとセーブ。この5〜6秒間はずっと、東口選手の手のひらの上で進んでいるような。東口選手が前に出て止まる瞬間も、ものすごく自信をもってあの位置で止まっている。最後の技術の発動もそう。技術だけ高くてもあのポジションをとっていなければ対応できない」
松本拓也「この瞬間に戦術的要素がたくさん詰まっているのは福田さんの指摘通りです。指導者の観点からも、選手の観点からも、FWの観点からも、すべてにおいてパーフェクトな対応だったと思います」
楢﨑正剛「イニエスタ選手からパスが出るタイミングと古橋選手が出でてくるタイミングだけではなく、味方が釣られて空けてしまったスペースも見えていた。この位置にこの強さで出してくるところまでを予測して、それが一致した。だから前に出てあの位置に早く入ってしっかり足を止めてセーブに備えることができた。読みがハマったからこそ気持ち的にも落ち着いてセーブに入れたのではないか。ただ、それでもまだ相手のほうが優位。それぐらい難しい状況でのセーブだった。情報収集、準備の仕方、予測のすべてがハマった会心のセーブ。時間帯と点差を加味してもこれが上半期ベストセーブだと思う」
萩原海里「いま中学生を指導しているのですが、練習でできるセービングを試合でできないことが多い。それは、予測や準備の段階でミスマッチが生まれていることが多いから。このシーンはそれを選手に伝えるのに非常に参考になるセーブ」
楢﨑正剛「キーパーは反復練習やフィジカルを重視した練習がメインになりがち。試合で起こりうるシチュエーションをいかに作り出すかも大事。イニエスタ選手のようなあんなきれいなパスは出せないけど、試合の1シーンを切り取って、試合の中で起こりうることを想定して練習する。それでも練習は練習。試合と全く同じシチュエーションになってくれればいいが、そのなかで失点したりミスしたりして覚えていくことが経験。東口選手も試合と練習の経験を積み重ねてきたからこそ、このセーブができるようになったのだと思う」
MCタツ「このGKサロンで教わったことですが、GKは止まることがいかに大事か。止まらないとちゃんとしたセーブはできない。東口選手を見ていると、ちゃんと止まって準備できているシーンが多い」
福田悠「駆け引きができていないとちゃんと止まれない。それは相手のレベルによって変わってくるもの。東口選手はJ1のトップレベルのスピードと駆け引きのなかでも、あのクオリティの安定感を出せている」
審査委員長が選ぶ楢﨑正剛特別賞
■第6節・中村航輔の44分のセーブ(映像はJリーグ公式チャンネルより)
楢﨑正剛「勝敗を左右するセーブだった。絶体絶命のピンチでも諦めずに守ることが大事。構えてリアクションでセーブするには間に合わないので、体を投げ出してコースを消しにいった。この状況でできることをやり尽くした。練習ではよくこういう体を投げ出すシチュエーションを練習するが、それが試合の中で起こることはなかなかない。だから、試合で起きても簡単にできるものではない。こういうプレーが出ると気持ちいいし、この後も試合に乗っていける。チーム全体にも『勝てる』と思わせるような重要なプレーだった」
■今後のGKオンラインサロン交流会のお知らせ
楢﨑正剛プレゼンツ「GKオンラインサロン」では人数限定で新たなメンバーを募集しています。次回、11月26日(木)のイベントは下記概要になります。
今まで、メディアであまりフォーカスされてこなかったゴールキーパーのアイテムについて、メーカーの専門家をお招きしてお話を聞きます。GK向きのスパイク、グローブの種類、その他トレーニングアイテムなど、最新のGKアイテムの情報や、楢﨑正剛さんの現役時代のアイテムへのこだわりなどを掘り下げます。
■日時:11月26日(木)
■参加方法&資格:オンラインサロンメンバー限定
※オンラインサロンは、楢﨑正剛オンライン講習会の購入者の特典です
※購入はこちら↓(10名限定)
【今後のGKオンラインサロン交流会】
12月:GKメンタル論
12月:J1リーグ後半戦ベストセーブ
1月:GK技術論:近距離シュート対応
2月:GK技術論:クロスボール対応
3月:GK技術論:ディストリビューション
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