プロポーザル(提案)としての哲学
「わー、ずっと悩んじゃう😥」という思考の沼に陥ることが誰しもあると思います。例えば、自分の進路を決めるとき、突然不幸に襲われたとき、また漠然とした不安を抱えたときなどです。
解決の糸口が見えない難問(アポリア)に直面したとき、哲学で提出された議論を参照して何らかの立場を採用してはどうか――これが、本記事の結論です。つまり、哲学者たちの概念や議論に触れることで、一見何も手掛かりがなさそうな問題に対してうまく「付き合える」かもしれないという話です。
1. 哲学は思考の整理に「使える」よ
人は問題に直面したとき、自分でウンウン考えることもありますが、友人や家族に相談することもよくありますよね。そんな感じで、哲学者も相談相手にできるのではないでしょうか。しかも、有名な哲学者は百年に一人レベルの秀才ですから、めちゃ頼りになるはずです。
誰しも直面する根本的な問題には哲学者が既に取り組んだ可能性が高いです(彼らは本質的な問題が大好きですから)。だから、哲学者たちの概念や議論をヒントに、自分の問題の整理をしてみてはどうでしょうか。
2. プロポーザルとしての哲学
で、人が深刻に悩むことってだいたい限られているはずです。例えば、生きる意味、死、愛、幸福、他者関係などです(これらに還元されませんか?)。これらの問題に対しては「一般的な答え」を探すのではなくて「あなたの立場においてはどのように考えるか」が重要です。なぜなら、あなたが陥っている状況によってとるべき態度が変わってくるからです。
同一の問題に対して、哲学者たちは様々な主張を展開しています。ですから、あくまで彼らは自分の意見を提案(プロポーザル)していると捉え、自分が共感できたり参考になったりしそうな考えを採用しましょう。
例えば、幸福についてだったら、アラン(1868-1951)という人は「真面目に生きるのが一番!」と言います。ラッセル(1872-1970)は「夢中になれることをしよう!」と言います。ヒルティ(1833-1909)は、「なんだかんだ宗教大事!」と述べます。
「〇〇の主張が最も正しい」というわけではないですから、あなたのお好みで選べばいいのです。
3. いまは「わかりやすい」哲学の本が出ているから、読んでみてはいかが
どうやら最近はちょっとした哲学ブームらしいです。既存の価値観が揺らぎ「好きな人生歩んでいいよ」「好きなことで生きていこうよ」と言われるが、結局「どう自分が生きたらいいか」がわからないという人が多いからでしょう。
自分で自分の人生を考えるために、哲学関連の書籍を参考にしてみてはいかがでしょうか。
僕の個人的なおすすめは以下の3冊です(別にみなさんが以下のリンクから書籍を買っても僕にはお金が入らないので買わなくてもいいです笑)。
山口周『武器になる哲学』、KADOKAWA、2018年
哲学の概念が状況の整理に役立つということがわかります。特に社会人にオススメ。
飲茶『史上最強の哲学入門』、河出書房、2015年
僕はしっかり読んだことないんですけど、おそらくこの本が一番初学者向けかなと思います。
渡邊二郎『人生の哲学』、角川ソフィア文庫、2020年
ちょっと哲学かじった人で人生に悩んでいる人におすすめ。テーマは、「生と死」「愛」「自己と他者」「幸福」「生きがい」です。著者のじろーさんは東大の重鎮で「ガチ」の人ですから、質がよきです😁
4. まとめ
本記事でお伝えしたかったのは、思い悩んだ時に哲学者に聞いてみるのもおすすめということでした。なぜなら、彼らは問題を的確に言葉にして整理してくれるからです。
ただ、あくまで彼らの意見はプロポーザル(提案)にすぎません。アドバイスとして有用そうなら、共感できたならあなたが採用すればいいだけの話です。
あなたが抱える問題は、究極的にはあなたのものでしかないからです。
5. 思考の材料
参考文献
その他
↑ 「プロポーザルとしての哲学」というアイデアはこの動画から得ました
分析哲学の講義
イラスト
SatsuKiさん
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