結局、Webサービスって誰のものなんだろう。
※この記事のライター: @watsuyo_2
「二兎追うものは一頭も得ず」
誰しも一度は聞いたことのあることわざですが、Webサービスでも
①ターゲットとなるエンドユーザーは誰なの?
②そのエンドユーザーはどんな課題を抱えていて、どうやって課題を解決するの?
が明確になっておらず、八方美人(と言わないにしても複数市場のエンドユーザーを狙った)で終わってしまうサービスが存在しているのが現状です。
過去の様々な企業の失敗から多くを学び、ペルソナへのインタビューであっったり市場の選定の方法からサービスの持続可能性を高めマネタイズしていく方法論は様々な書籍にもまとめられているので目に触れた方もきっと多いと思います。
私も最近、じゅんさんの影響と昨年末に立ち上げた「世の中にWebサービスを送り出したいエンジニア」が集まっているZeroichi開発(参加者募集中です!)のマネタイズ方法に興味があり、じゅんさん主催の勉強会と書籍・ビジネスクリエーションを元にサービスのマネタイズ、市場選定について勉強、実践中です。
話を本題に移します。
タイトルの通り、「結局、Webサービスって誰のものなんだろう。」
そういった疑問がシャワーを浴びている時にふと思い浮かびました。
Webサービスの本当の価値とは?
例えば、ZOZOTOWNは時価総額1兆円を超え、年商も昨年秋の段階で1400億円を超えているファッションテックのカースト最上位であり、ファッションアイテムを販売するECプラットフォームで規模的にもNo.1なのは誰もがうなずけます。
ZOZOTOWNがめちゃくちゃ売上を伸ばし、時価総額1兆円企業になれたのは、デジタル化が進んでいないファッションテック市場にいち早く大規模なECプラットフォームを作り上げたことが要因だったのではと思います。
すなわちZOZOTOWNそのものに絶大な価値があったのではなく、あくまでもエンドユーザーのためにファッションアイテムを作り、届けようと努力しているブランド側に価値があったのではないかと思います。
「ZOZOARIGATOメンバーシップ」はセール対象外の新作アイテムも年会費を払えば10%引きで手に入れることができ簡単に元が取れてしまう、とにかくファッションアイテムを安く買いたい「消費者」というエンドユーザーからしたら神サービスです。
また、プライベートブランドの展開はユニクロより安くヒートテックが買えたり、ZOZOスーツで店舗に行かなくて良いようになったり、これまた「消費者」というエンドユーザーのためのサービスでした。(ZOZO丸儲けのry...)
しかし、一方の「消費者」というエンドユーザーから支持を受けるサービスでありながら、もう一方のエンドユーザーである「ブランド」は一体どれくらいの利益があったのでしょうか?
おそらく自社ECサイトや自店舗で販売する方が、ZOZOTOWNで販売するよりも高い利益率を得ることが可能です。
それでも、ZOZOTOWNというファッションアイテムのECプラットフォームに出店しておくと、ZOZOTOWNが抱える膨大なユーザーの目に触れるので楽天系の安いブランドやマイナーブランドからは支持を受けますが、自社ECでを持っていたり、ある程度知名度のあるブランドはONWARD CROSSET、Right-onを始め次々に撤退してしまっているのが現状です。
さて。結局、Webサービスって誰のものなんだろう。
巨大なプラットフォームを作り、そのプラットフォームにたくさんのユーザーを集め、出店者側からプラットフォーム使用料を取るビジネスモデルは星の数ほどあります。
すべてのユーザーを幸せにすることのできるサービスを作りたいと思っても中々できるものでもないです。
Webサービスはエンジニア側の自己満足や利益を目的にしてまえばそれまでです。
かと言ってWebサービスは一度デプロイして公開されてしまえば、エンドユーザーの課題を解決し、何かしらの価値を与え、エンドユーザーのものにもなります。
しかし、時には一部のユーザーを犠牲にしてまでも利益や価値をマネタイズさせなくてはいけないのかもしれません。
我々が活動しているZeroichi開発では現在
「atNuda」
というポートフォリオを投稿すると強めエンジニアからフォードバックがもらえて、採用担当からもお声がかかっちゃう!?かもしれない、エンジニア向けポートフォリオ共有サービスを開発中です。
このサービスには大きく分けてエンドユーザーが以下のように3種類存在します。
①求職中のためポートフォリオを作成しているユーザー
②自分の技術力やサービス論をアピールし、承認欲求を満たしたいユーザー
③エンジニア採用担当でポートフォリオを参考にエンジニアの能力を見極めたいユーザー
がいると仮定しています。(実際にはもっと細分化しています。)
ZOZOTOWNほどの規模ではありませんが、エンドユーザーが大きく分けても複数いるサービスを作ることになります。
結局、Webサービスって誰のものなんだろう。
「atNuda」
をリリースしたときには、この命題は解けているのだろうか。
今の私には、Webサービスが誰のためのものなのかはまだ分からない。
最後までご覧になっていただきありがとうございます!