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Water Walkとは何か?【Water Walk×脱字コミュニケーション】


Water Walkライターのもこみ&リサフランクによるポッドキャスト、脱字コミュニケーションにて「"笑える"音楽ブログを書くコツとは?」という回が公開されました。

脱字コミュニケーションとは、普段音楽関連の活動をすることの多い二人が音楽以外のトピックを中心に節操なく語らっている番組です。
今回はリサフランクたっての希望でWater Walkの編集長であるEPOCALC氏をゲストに招き、

・Water Walk始動のきっかけとは?
・名前の由来は何?
・企画立てにあたっての影響元は?

といったことについてインタビュー形式の対談を行いました。
本記事はその回の文字起こしを行い、再構成したものとなります。

も:もこみ
リ:リサフランク
E:EPOCALC


労災見舞いから実現したWater Walkインタビュー

も:今回は"企画の魔人"をゲストにお呼びしました。本ポッドキャストでも折に触れて言及してきたウェブマガジン・Water Walkの編集長であり、数学の探求者であり、そして普段着として和服を身にまとっている友人のEPOCALCくんです。

E:はいどうも、ご紹介に預かりましたEPOCALCでございます。よろしくお願いします。

リ:よろしくお願いします。

も:今回のインタビューはリサフランクたっての希望で実現しましたが、なぜEPOCALCくんをゲストに呼ぶ流れになったんだっけ?

リ:今年の初めにジャミロクワイの「Virtual Insanity」を聴きながら東京中を歩き回る記事を書いたんだけど、その記事のせいで風邪を引いたんですよね。

リ:そしたらEPOCALCさんが「今度労災見舞いということで焼肉でも行きましょう」と誘ってくれて、つい先日高田馬場の安安に行ってきたんです。そこで直接「今度また脱コミの収録に来てください」とお願いしました。

も:実はEPOCALCくんがゲストとして参加するのはこれが初めてではないんだけどね(現在は非公開となっている幻の第0回に参加)。

リ:もう1年半前くらいかな?でもあの時、Water Walkの話は全くしなかった。それが心残りだったんですよ。リサフラともこみの間に交流が生まれたきっかけはWater Walkでもあるというのに。だから、ここらへんでしっかりとそのための回を設けたかったんです。

E:ありがたいです。

も:ということで今回はインタビュー形式で色々と訊いていこうと思います。


Water Walk立ち上げの経緯とライターそれぞれの思い出

も:まず、Water Walkというのは、色々なライターが寄稿する形式のウェブマガジンですよね。もちろんEPOCALCくん自身も執筆していますが、けっこう変な文章を集めているのが特徴です。

E:そうですね、変なものが好きなので。

も:(笑)。そういった「変な音楽記事」を、複数人で運営するウェブマガジンという形式で連載しようと思ったのはなぜでしょうか?

E:まずそもそもとして、僕はそういう変な感じの音楽記事を長いこと一人で書いていたんです。それで一部の人が「なんか変なのがいるぞ」みたいな感じで盛り上がってくれていた。

も:それはどの媒体で書いていたんですか?

E:そういうのははてなブログでやってましたね。僕がアカウントを始めたくらいの頃は堅苦しい文章が多かったんです。特に音楽について。音楽リスナーのブログってお堅いのが多いな~という印象でした。そういうのを見ていて、もう少し肩の力が抜けた文章であるとか、もしくはなんかちょっと笑えてきちゃうような企画というのが逆に音楽の魅力を引き出してくれるんじゃないかと思ったんです。「何なんだこの音楽は?」という風になれば、知らない人も興味を持ちやすいんじゃないかと。

も:なるほど。当時は具体的にどんな記事を書いてましたか?

E:当時の記事としては、"名盤ランキング"に選ばれたアルバムをバーコードバトラーで戦わせて本当の順位を決めるというものなどがありますね。

も:その発想はどこから来たんですか?

E:"名盤ランキング"と呼ばれるものにおいて、その順位付けにどのような基準があるのかということについて考えたんですよね。例えば売上ランキングなどであれば順位に絶対的な基準がありますが、どれが最も名盤であるかという順位を決める上ではそのような基準は存在していません。ならば、それは本当にランキングと呼べるのだろうか?また、それがランキングでなかったとしたら、どのような順位の決め方をすればランキングになるのか?そうして思いついたのが、バーコードバトラーを使ってトーナメント形式で戦わせることです。

も:(笑)。そこに行き着くのが可笑しい。

E:「普通のランキング」って何だろうと考えた時、例えばサッカー大会などではチーム同士が実際に試合を行って、その結果によって順位が決められますよね。それと同じことをすればいいんだと思いまして。

バーコードバトラー:90年代に発売されたおもちゃ。それぞれのバーコードにHPや攻撃力などが設定されており、読み取った商品同士で戦わせることができる。

E:で、これなら「明確な基準」をもってして名盤たちを戦わせることができるんじゃないかと。

リ:音楽関係なくなっちゃったよ!

E:音楽は全く関係ないです。でもこのランキングってそこで取り上げられてるアルバムを知らない人でも楽しめるじゃないですか。音楽を知っている人はもちろん、知らない人も面白がって興味を持ってもらえるようなきっかけになればいいなと思ってこういう活動を始めたところはありますね。

も:ということは、この記事がそういう方向性で書いてみようと思った最初の記事なんですか?

E:そうですね。

リ:なるほどなー。

E:ただ、こういう記事って一人で書くには限界があるんですよね。特にアイデア面に関しては自分だけで考えるというのが難しくて。だんだん手癖で作るような感じになってしまい、これは良くないなと思い始めました。そうした中で、色んな人を集めてこういう記事を作る体制を整えられないかと考えて立ち上げたのがWater Walkでした。

も:なるほど。合同ウェブマガジンという型式にしようと思った一番の理由はマンネリ化への危惧だったんですね。

E:そうですね。あと、そうして集めたライターの方々がWater Walkの企画を通して新たな表現の方法を見つけられたりすれば、各々の個人活動に持ち帰って、より面白い記事を書いていただくきっかけになるかもしれないと思ったのもあります。

も:リサフラもWater Walkでは色々と書いてるよね?

リ:そうですね。振り返ってみると、Water Walk名義の初記事は僕の"新譜ディスクレビュー"ですからね。

ディスクレビュー:本来であれば"アルバムレビュー"などとほぼ同義。しかし上記の記事では本当にCDディスクのデザインそのものをレビューしている。

も:あれは名作だよね。

E:大名作ですよ。

リ:あれはもう本当に初めての試みすぎてめちゃくちゃ不安でしたね。「本当にこれでいいんでしょうか?」ってWater Walk内で会議した記憶があるよ。

も:リサフラにとってはライターデビューでもあったもんね。

リ:そうだね、Water Walkでの活動がなかったらライター的なことはやってなかったと思う。

も:書いてて苦労した点は?

リ:そもそも経験がないから、ただ記事を書くこと自体にも苦労した。あと、書き始めた当初はそのアルバムの音楽性にもちょっと触れてたりしたんだけど、会議の中でレイレイ(・セフォー)さんに「これは"ディスクレビュー"なのだから音楽の話をするのは違うんじゃないか」と言われて。そういったことが難しかったですかね。

レイレイ・セフォー:Water Walkライター。脱コミにも一度ゲストで参加している。

も:“ディスクレビュー”といいつつ音楽自体については一切触れないという、相当倒錯したスタイルではあるけど、それが割と批評的というか。目に見えるモノ以外を読み取っちゃいけないという。

も:あの記事に関しては、このサブスク時代になぜCDを買う必要があるのか、という視点もあったよね。

リ:そう、そこはかなりこだわったね。個人的にCDを買った時の楽しみのひとつとしてディスクデザインを見るというのが元々あって。それをうまく活かせた記事なんじゃないかと思ってます。ちなみにその次に書いた記事が"史上最強のアルバム・ジャケット決定戦"という記事なんだけど、そこではバーコードバトラーを使う手法を拝借させてもらってて。

リ:でもバーコードバトラーなんて普通持ってないじゃないですか。それでどうやって調達しようかと考えていたら、EPOCALCさんが「貸しましょうか?」と言ってくれて、それを借りに行ったのが彼との初対面でしたね。

も:気持ち悪い初対面!バーコードバトラーの貸し借りって(笑)。

リ:高田馬場のカフェで落ち合って、店内で紙袋に入ったバーコードバトラーを手渡されるという、なんだかまずいものを取引しているような感じになっていました。

E:そうでしたね、懐かしい。

も:リサフラの記事は足を使って書くものが多いよね。

リ:そうですね、やっぱり外に出て写真を撮れば基本的に面白くなると思ってるところがあります。さっき言った年明けの記事もそうだし、ランニング時にどの音楽ジャンルを聴くとスタミナが一番持つかを調べるために鶴見川の河川敷をめちゃくちゃ走る記事とかもそれですね。

リ:とにかくロケを大事にしております。

も:素晴らしいですね。偉い。

E:うんうん。

も:僕がWater Walkで書いた記事としては、まず咳が入ってる曲を集めた記事(失われた咳を求めて)ですね。あれ以降、しばらく"咳の人"っていう認識をされていた。

リ:今となっては思い出しにくいけどそんな時期があったんだね。

も:まだライターとしてメディアに文章を書いた経験もない頃だったからね。"音楽レビューはどこまで要素を減らせるか?"もそれくらいの時期だった。

も:これは音楽関連の言葉を使わずにアルバムのレビューをしようという記事だけど、EPOCALCくんから「明日空いてますか?」と突然大学に呼び出されて、前情報なしで参加した企画だったね。

E:そうでしたね。

も:あれは書いててすごく楽しかったし、めちゃくちゃバズったよね。

E:めちゃくちゃバズりましたね。

も:あれ以上のバズは滅多にないんじゃないかと思う。だってnote公式のおすすめ記事みたいなのに載っちゃったもんね。

E:あれはありがたかった。

も:そういうのもあって思い出深いし、僕のライター活動にとって大事なものになってる気がします。


"前衛音楽批評"とは?

も:このように脱コミの2人の活動にとっても非常に大きな助けになっているのですが、最近は何も協力できていないので、このインタビューを通して発信にご協力できればと思ってます。EPOCALCくん自身も色々と謎めいてますからね。

E:僕はライブなどにも全然行かないし、ライターの知り合いもそんなに多いわけじゃなくて。謎めいてしまってるのはそういうことも関係してるでしょうね。

も:謎の人っていう印象はあります。

リ:謎の人がやっている謎のウェブマガジン。一応初めに"Water Walkって?"という説明の記事がありますね。

リ:でも最近知った人は多分よく分かってないんじゃないかと思います。

も:そうですね。なので、まずは“Water Walk”という名前の由来を教えてください。

E:これはジョン・ケージからの引用なんですよね。彼がバラエティ番組に呼ばれた時に演奏した曲の名前です。

ジョン・ケージ:著名な前衛音楽家。何も演奏しない曲「4’33”」などで知られる。

E:Water Walkがどんな曲かというと、まず舞台上にはピアノが中心に置かれて、その周りにはバスタブやジョウロといった水に関わる日用品がたくさん置いてあるんですよ。そこで彼はピアノを叩くようにして弾いた後、水をチャプチャプして遊んだり、ジョウロで水やりをしたりします。これって意味が分からないですよね。そこにいた観客も頭の上に"?"が浮かぶような、戸惑った様子で。でもしばらくするとそのパフォーマンスのコミカルさに思わず笑う人が出てきて、そこからはもう爆笑の嵐なんですよね。

リ:へぇ〜。

E:で、演奏が終わったらジョン・ケージがお辞儀をして、拍手のうちに映像が終わる。それを観て素晴らしいと思ったんです。"前衛"って言うとなんだか高尚でとっつきづらいイメージがありますが、「先鋭的な表現だってもっと笑える形で届けられるぞ」という意味でこの名前を引用したというのがありますね。

も:以前からEPOCALCくんはWater Walkについて"前衛音楽批評"を意図したものだと言っていましたね。今の話の通りジョン・ケージの影響は大きいと思いますが、評論という観点においてはどういった人から影響を受けましたか?

E:そうですね、批評の形という意味だと大瀧詠一の影響が非常に強いと思います。それは思想的な部分についてもそう。

大瀧詠一

E:大瀧詠一は音楽を"ノヴェルティ"と"メロディー"に分類してるんですよね。あらゆる場面において一貫して主張していた話ですね。どういったものか説明すると、まず"ノヴェルティ"というのは、いわゆるちょっと可笑しみのある音楽ですね。コミックソングとかに近い概念かもしれない。

も:コミックソングは"ノヴェルティ"の一種であるという理解で合ってますか?

E:そうですね、"ノヴェルティ"の方がより広い概念だと思います。で、もう片方の"メロディー"というのは、単純に優れた音楽のことを言っています。

も:「メロディー」という言葉が一般的に意味するものとは異なる独特の定義ですね。

E:で、ノヴェルティの音楽にどういうものがあるかというと、例えばザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」という曲が挙げられますね。

E:これは死んじゃった酔っ払いが天国から追放されるというおかしい内容の曲で、歌も早回しの音声になってますよね。

リ:『キテレツ大百科』のEDみたいな感じですよね。

E:まさに。「はじめてのチュウ」も"ノヴェルティ"ですね。つまり、こういうのって結構前衛的なことをやっているじゃないですか。ただ、こういう前衛的なものをそのまま出してしまうと、ちょっとついてこられなくなってしまう。それを面白さというオブラートに包んでお出しする、というのがノヴェルティの考え方なんです。

も:あくまでもポップさみたいなものを大事にしている?

E:そう、大事です。で、"前衛音楽批評"の話に戻るのですが、例えば「"音楽レビューはどこまで~"の記事では、普通の音楽レビューから段々と要素を減らしていきましたよね。

も:まず比喩表現が禁止になって、音楽の専門用語が禁止になって、最終的には音に関する感想すら禁止になった。その結果、私小説みたいな文章になりましたね。

リ:あれはすごかった。

E:もしその私小説を初めから音楽レビューとして出しても全く意味が分からないじゃないですか。なので、やっぱりある程度の面白さみたいなものを担保させることが必要なのだという、"ノヴェルティ"的な考え方が記事によく表れてるんじゃないかと思いますね。

も:じゃあ僕は知らない間に"ノヴェルティ"をやらされていたわけだ。

E:そういうことになります。

も:大瀧詠一自身の"ノヴェルティ"的な作品やプロジェクトについて教えてください。

E:例えば『LET'S ONDO AGAIN』は、音頭というちょっと面白い枠組みを使って日本民謡を復興させようとか、海外の曲を民謡風にアレンジしてやれないかとか、そういうちょっとした実験が全編にわたって繰り広げられている面白いアルバムです。

E:あと「君は天然色」も結構"ノヴェルティ"的な要素が盛り込まれた曲ですね。

も:え、あんなシリアスな曲が?

E:確かにシリアスに見えるんですけど、『A LONG VACATION』は"ノヴェルティ"かつ"メロディ"な音楽を狙ってるというのが面白いところで。この曲の「別れの気配を ポケットに隠していたから」という部分がありますが、ここで野球でホームラン打った時のSEが聞こえるんですよ。

リ:思い出してみたら確かに鳴ってる!!

も:そういえば!

E:こういう音を入れるというのが、すごく"ノヴェルティ"っぽい発想なんですよね。SEを入れるという発想ってノヴェルティ・ソングあるあるなので。でも普通に聴いてるとそこまで意識しないじゃないですか。だから"メロディー"的でもあるんです。

リ:そういうことか…そういうことをしながらめっちゃ売れるからかっこいい。

も:確かにあんなところでホームランの音が鳴ってるのって普通に変なんだけど、あって然るべきものに聞こえる。

E:あと文章的な面だと、ボルヘスという南米の小説家の影響を受けてますかね。どういう本を書くかというと、存在しない本のレビューを書くんですよ。

も・リ:EPOCALC過ぎる(笑)

E:存在しない推理小説について「ここのギミックが面白いね」とか書いてそれでおしまい、みたいな小説を書いてる人ですね。あとはその影響を受けたポーランドのSF作家・スタニスワフ・レムも一冊丸ごと架空の書評というのを出してたりして、すごいなと思いましたね。

リ:あまりにWater Walkですね。

E:そうですね、Water Walkでは嘘を取り扱うことが多いんですけど、そういう要素はここらへんの小説家からの影響が強いんじゃないかと思われます。

も:真面目な顔して言ってるけど、「嘘を取り扱うことが多い」って(笑)


編集長としてのこだわりについて

も:それにしても、Water Walkという名前に決まるのは早かったよね。何ならその後アイコンが出てくるのも異様に早かった覚えがある。

E:皆に言う前から名前は決まってたので、アイコンもパッと作っちゃいました。

も:なるほど。EPOCALCくんってこれに限らずいつもめちゃくちゃ仕事が早いよね。さっき話題に上がった"音楽レビューはどこまで〜"の記事だって、大学で企画をやった翌日にはもう完成してたからね。

E:企画を具体的に思いついてからは3日で出来上がったことになりますね。

リ:あまりにすごすぎる。

も:途轍もないスピード感ですよ。どうしてそんなに仕事が早いんですか?

E:これについてはサークル(ArtSpaceイオロス)の先輩にとんでもない人がいまして、その方からの影響をモロに受けていますね。駒澤零という方なんですが。

駒澤零:イラストレーター、"KAOMOZI"オーナー、"nemuigirl"メンバーなど多岐にわたって活躍している人物。彼女の主宰するイベント「しぜすべ」についてはWater Walkでも特集した。

E:駒澤さんはとにかく仕事が早いんですよ。思いついてすぐに音楽レーベルを立ち上げて、さらにその日のうちに一枚目のコンピを作るための人集めも済ませて準備を整えてしまうという、本当にすごい人です。

も:一日でコンピ作る準備整えるってすごいな…

リ:相当すごいですね、それは。

も:そういう行動の早さには何かこだわりがある?

E:やっぱり人様の手を煩わせたくないというのが大きいでしょうか。例えば"音楽レビューはどこまで~"だって、一度もこみくんに編集を頼んだじゃないですか。そういう時、こちらが早くやればやるほど相手の考える時間が増えますよね。なので、とりあえず初めに突貫で形を作ったり、なるべく早めに作業するようにしたりといったことは意識してやってますね。

も:もう、頭が上がらないですね。

リ:本当にそうです。だって今日の時点で編集できてない脱コミの音源が5個くらい溜まってますからね…。

も:僕もリサフラもWater Walkで初めて記事を書いた時はライターではなかったし、現在所属してるライターも普段そういうことをやってるわけでもないですよね。

E:そうですね。

も:EPOCALCくん的にはどういう人に書いてもらいたいとかありますか?

E:企画にもよりますけど、全員に共通して言えることは、何か他の人にはないこだわりポイントを持っているライターを求めてるかもしれないですね。

も:というと?

E:この前、他ジャンルの技法で音楽をレビューするというシリーズをやったんですよね。そこで声をかけたイトウヨリヤクモさんという方がいらっしゃいまして。この方は音楽の文章なんて一切書いたことがなかったのですが、ワインについてはとても詳しいんです。そこで、ワインと同じように音楽レビューを行うという記事を書いてもらいましたね。

リ:皆さん、Water Walkライターになってください。

E:最近ライターが不足しているんですよ。

も:やっぱり書き続けるのって本当に大変だから、なんとか身を寄せ合って、助け合いながら続けたいですよね。でもここまで続けられてるのは本当に偉いと思います。

E:いえいえ。

も:Water Walkを続けたことで得られた新たな視点ってありますか?

E:結構ありますよ。ライターとしての新視点だと、リサフランクくんみたいに外に行って記事を書くというのは、僕は音楽の文章でやろうとしたことなかったですしね。それを見て、実際に外まではいかないまでも自分もDIY的なことがしたいなと思って、松本隆の字を真似て書くという記事を書いたりしました。

E:他の人の作品を見て、"これは自分にはなかったな"みたいなものっていうのは結構あるし、しかもそれは僕の思う面白くてちょっと前衛的な文章というルートからは全く外れていないところにあった。最初にも言ったとおり、一度は一人でやって行き詰まって、もうこれ以上広げる余地はないのではないかと思っていたんですけど、いやいやめっちゃあるじゃないかと。そういうことに気付けたのは他の人とやってて良かったことですかね。

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