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青じそジュース

冬に旬を迎えるレモンでシロップを作るように、季節の香りを瓶に閉じ込めて、ゆっくり味わうのが大好きだ。

今年は青梅シロップ、それにカルダモン、シナモン、クローブを加えた青梅とスパイスのシロップ、梅酒、黒糖梅酒、夏みかんの果実酒が仕込んである。季節が移ろいでいくのとともにじわじわ熟成されていく様子を見て、棚を覗き込むたびに胸が高鳴る。

先日、近所のおばあさまにお手製の赤紫蘇ジュースを少しお裾分けいただいたことがあった。
おそらく人生で3,4度目に飲む赤紫蘇ジュースであったけれど、これまで記憶にあったような香りも風味もやや独特な味とは程遠く、すっきりさの中にまったりとした味わいを感じる優しいジュースなのであった。
いくらでも飲めてしまうそのおいしさに、ついおばあさまにレシピを訊ねたものの、思い返せばわたしの庭では赤紫蘇が1本、しかもほとんど虫に食われてしまっていた。
青じそでも作れたものか訊ねると「青じその方が香りがよく出るよ〜」と教えてくれたので、それならと張り切って、庭でわしゃわしゃ伸び放題だった青じそでジュースを作ることにした。

大きさがまちまちなので、1L分で45枚程を使用

摘む時間も、煮出す時間も、大葉の香りに包まれて終始幸せな気分が溢れている。
煮出して砂糖とクエン酸を溶かすという非常にシンプルな工程ながら、作っている間は充足感でいっぱいになる。やっぱり香りものは良いなぁ。
水1リットルに対して、しそ40〜50グラム、砂糖はしそより気持ち多めにするとこっくり、少なめにするとすっきり飲めるよと教わったので、後入れでもいいかと少なめに50グラム程で。

数分間ただ煮出しただけで、黄金出汁かと思うほどの美しい色合い。思わず見惚れて、砂糖が溶け切った後もしばらく掻き回し続けていた。

煮出した後に砂糖、冷めてきたらクエン酸を溶かしこむ

調べると、クエン酸の代わりにリンゴ酢で作るのもおいしいらしい。今回は教えてもらったクエン酸を使用したけれど、自分好みのお酢を入れてみたり、砂糖をはちみつや黒糖にして作ってみても面白そう。
わたしの記憶にあった独特な味は恐らく祖母のジュースで、おばあちゃんはしょっぱい味付けが好きだからきっと塩を入れてたんだと、今になってわかった。

あっという間に出来上がるだけでなく、材料の種類と量を少しずつ変えるだけでジュースの個性も豊かになるから、漬物とか卵焼きのようにその人・その家庭の味が生まれやすいのも、とても魅力的なジュースである。

ストレートもいいけど、水や炭酸で割ってもおいしい

香りも高く、色も美しく、飲んで美味しい体に嬉しい季節の青じそジュース。
今は穴ぼこだらけの赤紫蘇も剪定したから、うまく増えたら今度はブレンドで作ってみよう。


#夏の旬食材レシピ


2024.09.09追記
花が咲き始めたら実がとれるしそ。葉っぱだけでなく花と実も楽しんだなら、空気がすっかり冷たくなる頃にはその存在がますますかわいらしく思えてくる。


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