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身体の痛みをどう評価するか

運動指導を日々行う中で、痛みの訴えのある方も多く見えます。

特にパーソナルトレーニングを行なっていると、痛みの解決をニーズとされる方も多いです。

今回は私が普段痛みを訴えられた方に対してどのように対応しているかについて、お伝えしたいと思います。


【痛みの評価について】

まず、痛みの評価についてです。

基本はクライアントさんの訴えを聞きながら、次のような点を意識して情報を集めます。

・痛みの程度はどのくらいか
(10段階の数字で答えて頂くことが多いです)
・痛みが出るのはいつか
・痛みの具体的な部位
(指一本で触れるのか、広範囲か)
・痛みが出始めたのはいつか、きっかけはあるか
・痛みが強くなる、弱くなる姿勢や動きはあるか
・痛みは安静にしていても、夜寝てても出るか
・痛みの性質はどのようなものか
(鋭い、鈍い、しびれを伴う、など)

これらの情報を通じて、痛みの原因となってきている点を予測していきます。

また、同時に痛みに対してどのようにクライアントさんが捉えているかを確認することも大切です。

痛みは主観的なものなので、その人の捉え方次第で、解決が難しくなってしまうことも多くあります。

その点について次の項目で見ていきましょう。


【痛みに対しての向き合い方について】

痛みはそれを感じる本人の主観的な要素も強いです。
例えばスポーツをやって試合に出た経験のある方は、転んで怪我をしたとしても、競技中には痛みをあまり感じず、終わってから痛みを感じたということもあるのではと思います。

つまり、痛みをどう感じるかには心理的な要因も多く影響します。
特に慢性的な痛みが継続しているケースでは、少なからず次に挙げるような破局的思考に囚われていることが多いです。

・痛みへの恐怖心や不安感があり、いつも痛みのことばかり考えてしまう
・痛みに関して誤った診断を告げられたり、不安を煽られたことがある
・自身の痛みが重症であると思い込んでしまう
・積極的に社会復帰しようと思えない
・長期の安静や治療を必要以上に続けてしまう
・ストレスのある仕事が続いている
・配偶者やパートナー、家族など周囲の人間関係が上手くいかないことが多いと考える

このような思考に陥っている場合は、痛みに必要以上にフォーカスし過ぎず、適切な対処を行うことが必要になります。


【痛みに対しての対処法について】

まずは、痛みの原因に身体にかかってくるメカニカルストレスや、誤った身体の使い方が考えられる場合は、それを回避する方法をお伝えし、痛みの状態がどう変わるか判断します。

例えば、痛みの出ている箇所と動いたときに関節にかかってくる負荷が一致すると判断できたときは、どうすればその負荷を取れるかを優先して考えます。

また、痛みについての誤った認識、認知の歪みを認められる場合には、客観視できるような方法を提示することも必要です。

例えば、日々の痛みの程度をノートに書くなどといったことも有効です。
また、痛みが出ない範囲を知り、その範囲の中で運動を継続して行うようにするということも重要です。

痛みに上手く向き合ってコントロールできるようアドバイスをできるようになることも、指導者の役割として大切ですね。

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