マガジンのカバー画像

生い立ちの記

21
運営しているクリエイター

#母

【生い立ちの記】18 意識

【生い立ちの記】18 意識

18

あれは多分
小学校四年生の時だと思う

クラスメイトに突然
「ミマの家っておかあさん居ないんでしょ?可哀想だね」と言われた

子どもだからこその
悪意の…
いや、意味なんて殆どない
挨拶程度の言葉

だけど私にとって衝撃だった
何も答えられなかった

母が居ない生活が当たり前だったから
母が居ないことを意識なんてしてなかった

この言葉が
私には母が居ないということを
しっかりと自覚させ

もっとみる
【生い立ちの記】7 母のお葬式

【生い立ちの記】7 母のお葬式

7

母のお葬式の記憶は少しだけ残っている

私は兄と葬儀場でたくさん遊んだ

色んな大人が集まっていて
なんだかお祭りみたいで楽しかった

沢山の人が
優しく、時に泣きながら声をかけてくれる

ただ
「おかあさんの分まで頑張って」
という言葉は
子どもながらに
不思議で
重たくて
苦しかった

【生い立ちの記】6 母の死

【生い立ちの記】6 母の死

6

そこから先の記憶は残っていない

聞いた話によると
結局
兄が祖父母に電話をかけて助けを呼んだらしい

母は病院に運ばれた

そして

亡くなった

脳梗塞だった

【生い立ちの記】3 あの日のこと

【生い立ちの記】3 あの日のこと

3

記憶にしっかりと残っている
自分の人生の最初の場面

それは多分
母が亡くなったあの日のこと

その日、
兄と私が起きたら
父はもう居なくて
母はまだ寝ていた

兄と二人で遊びながら
母が起きるのを待つ

お腹が空いてお菓子を食べた
けれど母はまだ起きてこない

その内、
ドーンドーンと大きな音が聞こえた
何の音か分からなかった

そして母がやっと起きてきた

でも
いつもの母とは違っていた