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315*散り際に生き方が現れる

NHKで放送中のドラマ『逆転大奥』を見ていて感じたこと。

人は去り際にその人間性が現れる、と言われますが、今シーズンの登場人物たちの描かれ方がまさにその言葉通りでした。

例えば病を患い、自分はもう助からないと知った時、自分の命よりも周囲の人々を思いやる人もいれば、理不尽な状況を身近な人のせいにして怒りをぶつけてしまう人もいます。陰では「死にたくない」と嘆きながらも、人前では明るく振る舞い、人々のために最期まで奔走し続ける人。自分が処刑されると分かっても、仲間の無事を願い、彼らと共に歩んできた日々を幸せだったと笑顔すら浮かべる人。

みんな、道半ばで諦めなければならない無念さや絶望を抱いているのは同じでも、その絶望に支配されてしまうのか、その絶望に負けずに希望を持ち続けられるのか。その違いを、単純に「人間性」と言ってしまって良いものかは分かりません。

去り際の態度や心境というのは、それまでの周囲の人々との関わり方には少なからず影響を受けていると思います。ただ、それをどう解釈してどのような心境で過ごすのかは、ある程度自分で決めることができます。

それまでの時間が幸せだと思えるなら、絶望の淵に立たされても「生きてきて良かった」と思える。それまでの時間さえも理不尽だと思っていたのなら、最後まで報われない人生だったと憤る。

人間性というよりも、その人の生き方そのものが、去り際に現れるのかもしれません。

退職するとき、「良い職場だった」と感謝の気持ちをもって出ていけるのか、「ひどい職場だった」と不満をぶつけながら出ていくのか。人それぞれ、色々と事情があると思います。人同士の相性もありますから、どうしても人間関係が上手くいかない場合もあると思います。ただ、自分ではどうしようもない状況すらも、感謝の気持ちを持てる人ほど成功できる気がします。

身を置いていた環境から出ていくとき、不満ではなく感謝の気持ちを持って出ていきたい。今まで支えてくれた人たちに、少しでも多く何かを受け取ってもらいたい。「もう居なくなるから関係ない」ではなくて、限られた時間だからこそ大切に過ごしたい。そういう生き方のほうが私は好きです。

散り際にこそ生き方が現れる。

どんな状況であっても、感謝と希望を失わずに進みたいですね。



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