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道。これまでのことと、この先への想い

日々が来る。どんな状況にある人でもそう。変わらないこと。

昨日は母校(秋田商業)の試合を見に、八橋球場へ。夏の甲子園予選、決勝。たくさんの観客、すごい熱気だった。

結果は負け。最後の最後まで追い詰めたが、あと一歩、本当にあと一本足りなかった。2年連続決勝で負け、選手はとても悔しい気持ちだろう。OBのぼくより何倍も。

それぞれの道へ。負けと同時に次のスタート。何事もそう。ぼくだってそうだった。それぞれが新たな自分の道を見つけて、前に進んでいくだろう。


人生では勝て

今ではこんな感じだが…ぼくも高校球児だった。3年生の夏、3回戦で負けた。その時、太田先生から「人生では勝て」と言われ、それが妙に心に残った。

中学まではヤンチャばかり。問題児だったし、毎回トラブルばかり起こしていた。先生ともよく喧嘩したし、まぁやりたい放題。

そんな自分でも「人生を変えたい」と思い、野球の名門校に入った。そこではじめて自分を認められ、"オレでも人の役に立てるのかと…"と知った。(ほんと、それくらいクソみたいな人間だったのだ。)

出来ることをした。出来る努力を全てしたと思う。それでも現実は厳しく、目標叶わずだった。そして負けと同時に次の物語がはじまる。

野球が終わってから、頭がおかしいくらい本を読んだ。本を読んでば面白い人を見つけ、その人に会いに県外のセミナーに行ったりした。入り口はビジネス。あの時はお金の勉強や世の中の仕組み、「稼ぐ」という色が強かったけど、とにかく勉強した。

そして北海道に行き、「ふくし」を知る。自分が語っている社会や地域に、含まれていない人がいることを知った。

その人たちの想いを知ると、稼ぐことやビッグになることに執着していた自分の小ささを知った。福祉の現場に立ちながら、引きこもっているおばあちゃんや、生きがいがないおじいちゃんの家に大学の友人たちと足繁く通うようになった。

その時から読む本も変わったり。福祉のことや心理のこと。社会のことや街づくりについて。ぼくが普通に暮らしている世の中には、いろんなルールやしがらみがあり、それによって虐げられている人もいる。

恥ずかしながら、高校まで何の勉強していなかったぼくからすれば衝撃だった。そこで自分が相当恵まれていたことに自覚的になった。


それでもまだ失敗

"ふくし"の道を志したいと思った。地域で暮らす人が生きがいを持って、普段の暮らしの幸せを感じられる人を一人でも増やしたいと思った。

北海道に残り、会社をつくる。大学生たちと一緒に町を元気にする。そんな想いだったが、強い自我もあった。「オレが…」を捨てられず、地域のためか、自分のためか、わからなくなっていた。

それを指摘され、ぼくは何もできずに町を出た。すごく苦い経験。でも大事な経験だったと思う。

そんなこんなで地元秋田に戻ってきた。今は仲間たちとAKITA"KARA"というプロジェクトを進めている。

不思議なことに地元に戻ったら、真面目さがやや薄らいだ。これはぼくにとっては良いことだと思う。ガキの時、悪さをしまくった地元。もう帰らないと決めて、出た地元。でも戻って来てしまった。

そんな自分のダサさや、中途半端さがどうでも良くなった。「社会を変えたい自分」に興味がなくなった。

別にぼくじゃなくて良い。より良い未来に自分がいなくて良いとなぜか思えるようになった。

自分が社会を変えたいのではなく、社会をより良くするために自分には何が出来るか。驕らずに、地に足をつけて、やるべきことをやる。

目の前のことに集中をして、その都度その都度、自分にできる範囲で全力を尽くす。そうやってAKITA"KARA"を進めてきた。


長くなったけど…

高校野球を見て、少し当時の自分を思い出した。それから過去を振り返り、ここまできた。長くなってすみません…。

でもあの時は必死だった。今の自分はあの時より夢中であり、必死だろうか。全てを投げ出しても良いくらい、夢中だろうか。

わからない。その時その時の自分が居る。それで良いんだと思う。

それでも社会には向き合っていきたいと思う。いつかまた福祉の現場に戻りたいとも思う。

救いたい人というより、共に生きたい人がいる。社会のしがらみによって辛い想いをしている人がいるなら、社会を変えるしかない。

みんなで生きる。地域で生きる。

ぼくが見てきた本質的な町づくりや地域づくりを、今いる秋田で実践していくしかない。まだ道の途中、まだまだ先が長い道の途中。

そこで出会う人、別れていく人。どんな未来が待っているかはわからないが、楽しみな気持ちが強い。わからない未来こそ、おもしろい。

「人生では勝て」

これはきっと、他者と比べてではなくて、軸を自分に持ってということだろう。「このくらいで良いだろう」といういつものぼくに「もう少し頑張れ」と言いながら、生きていこう。

共に笑える、ふざけられる、楽しく生きれる仲間を増やすために!

ありがとう秋商!オレはこれからも秋商!
それぞれの道で、ぼくもぼくの道でがんばります。

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