届けるまでが仕事
鈴木敏夫が好き。ぼくら世代だとわからない人もいるかもしれないが、ジブリの宮崎駿の右腕と言えば、鈴木敏夫。
プロデューサーの仕事をはじめてから、少しまた鈴木敏夫さんを知りたくなる。今日もヘルパー終わりに、めちゃ混む道を我慢し、本屋に向かい、2冊買えた。
昨日出た「危機の時代に読むとく、風の谷のナウシカ」という本を買いたかったけど、他の本が欲しくなり、結局それは後回し。まぁでも、そんなことはよくあること。
ぼくは、朝起きるといつもストーブの前に行く。体を温めながら本を読む。そして朝ごはんを食べる。ヘルパーの仕事の待機中も読書。夜をご飯食べても、まず読書。仕事前も必ず読書。
ぼくにとって本を読むというのは、学び以上に安心をつくることかもしれない。
目の前の仕事と向き合いすぎていると、迫り来る何かと闘う日々が来る。もちろんその多少の緊張感をぼくは大切にもしてるけど、でも自分から自分を離す時間が必要だとも思う。そう、それが読書だったりする。
本を読むことで、自分を客観的にみたり、モノゴトを冷静に捉えられたりする。意識を外に向ける、自分からは離すのって大事。別にこれは読書じゃなくても、禅でも、瞑想でも、なんでも良いと思う。
読む終わると気持ちが軽くなったり、筆が進んだり、仕事が捗ったり。本好きには、もしかしたらわかる感覚かもしれないけど、ぼくはそれが好き。
これで決めたんだから、届けること
話は変わるが、『秋田をおもしろがる。』というイベントを企画している。これはぼくにとってちょっと挑戦的なもの。
秋田にまだ根付いているか、育っているかが微妙な価値観を、投げかけるイベントだったりする。
人が集うってのは結構難しい。それはどんなものでも。舐めてかかっちゃダメ。商品として人を捉えて、ガサっと集めるのではなく、一人ひとりに届く、その人にとって大切な時間にしてもらうためには、色々と大変なことは付きもの。
ぼくは秋田に来てから、社会課題や人口減少といった課題を煽る、「強いメッセージ性」に違和感を持ってきた。
それで今回のイベントはもっと緩やかなイメージにできないかと、多様な人の関わりしろにできないかと、思考を重ねてきた。そして「おもしろがる。」という言葉を。
「おもしろがる。」は多少の強引さを含む気もする、もしかしたら、"ガサツさ"もあるかもしれない。でも、今回打ち出すものとして、外に見せるものとしては、これくらいが良いとも、思った。『秋田をおもしろがる。』が良いなと思った。
優しさと、したたかさと、それに加えて、多少の強引さというか、緩慢さ。なんか、そのバランスって大事だと思う。
小松理虔さんのおもしろさやいわきでの実践。そこには秋田だけではなく、秋田で暮らすぼくら自身を捉えなおす、考えなおす力がある。でも、それを面白いと思う人はいるのか…という不安も常にある。
でもそこを、こじ開けるのがぼくの仕事で、キャッチーなゲストや、すでに名前が売れているメジャーな人、有名起業家を呼ぶんじゃなくて、ぼくが選んだのが、この選択。でも、これが本当に秋田を変えて行ける、そんな兆しを生むものだとも思った。
だから、走る。コツコツ届けていく。手元にある2000枚のフライヤーを、これから出会いたい人、一緒に秋田の未来、ぼくらの未来を考えたい人に、丁寧に届けていく。
そうやって、道なき道を今日も行く。この失敗で、ぼくのプロデュースの仕事は終わるかも。でもそれでも良いと思う、後悔ない選択もしたから。だから、あとはぼくもおもしろがりながら走るだけ。
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