屍人荘の殺人/今村昌弘/創元推理文庫
※注意※
この記事は私の感想なので口調や言葉遣い、あまり気を使いません。
文章も考えて打ちません。読みにくいでしょう。
そして見ている貴方の、好きなものを否定するかもしれません。
私は私のためにこれを書いているので、ごめんなさい。
それでもよろしければお暇つぶしに眺めてください。
思ったよりも30%増しくらいで面白かった。
私は推理を楽しむタイプの読者でないし、
犯人やその周りの謎を解く人の心理、一番好きなのが犯罪を犯す理由、心理、行動力への移り変わりを見るのが大好きで本を読んでいるので、
ちょっとライトな作品、人物像だなとは思ったけど普通に面白かった。
普通に。
だいぶライトだとは思うけど。
うん。というか映像映えする作品だよねこれ。
エンタメチックな小説だよとても。
あらすじと一番多分、隠すべきネタバレを書くとしたらこうだ。
夏。
主人公の大学生葉村はミステリ愛好会の会長であり、
自らのホームズ(仮)である明智と共にこれから夏が来るが何か事件がないか事件がないか思っていたところ。
いわくのある映画研究部が夏合宿をするそうだった。
それがしかも避暑地の山荘ということでミステリ心のが擽られた明智は小躍りするほど参加したいという気持ちだった…が。
実はそれが男女のコンパを目的としているものだったようで、
呆気なく男二人、主に明智がだが参加させてもらえるよう努力しても映画研究部の部長は首を縦に振らなかった。
そこへ同大学の有名人である剣崎という女から声をかけられる。
合宿に参加したいんですよね、と。
だがしかし彼女は明智のライバルというか。
普段名探偵を目指している明智が近所のペット探しをしているようなとき、
彼女は本当に殺人事件などを解決しているという、もはやライバルというか格上の探偵だったので当然明智はあんまりいい気分でなかった。
彼女の話としてはこうだった。
あの合宿は実はコンパを目的としているので貴方たち二人では参加できない。そこで私が頼んで、三人で参加させてもらいませんか?
という、彼女にとって利益があるのかよくわからない話だった。
明智としては何が何でも参加したい、何か事件が起こってくれないかという脳内だったので二つ返事でOKを出したが、
葉村は納得がいっていなかった。
貴方には何か利益があるんですか?と。
すると彼女はそれを聞かないでくれることを交換条件に、一緒に参加しませんか?と。
するともう葉村は何も聞けない。ちょっときな臭いが、明智は行きたがっているし…と。
何もわからないまま、映画研究部の合宿…という名のコンパらしきものに参加することとなった。
というのが導入だ。
当日の道中、
途中途中で参加者と顔を合わせるのだが、剣崎も含めて美人や可愛いと言える顔立ちの人ばかりでなるほどこれがコンパか…なんて葉村は一人考える。
道中の車の中で、去年の問題をめぐってなのかあまりいい雰囲気でない中、
合宿所である山荘、「紫湛荘」へとたどり着くといわくの根源であるOB三人組とやっと顔を合わせることとなる。
なんでもこのOB、去年の合宿でやらかしたことがあり自殺者が出たとかでなかったとか…
そりゃ合宿と称してコンパなんてしてたらおかしなことも起こるだろうが、
まさか自殺者なんてと葉村が思う中明智は楽しくなってきたと浮かれ気分。
そうして合宿は一日目を迎え、
映画研究会らしく短編の映画をとったりなど充実している中、
夜になりBBQを楽しんでいると早速OBの一人が女性に絡みだす。
もちろんそれはうまくいかなかったのだが、女性陣には道中の車内で会ったような嫌な空気が流れだす。もちろん、それに関係しない葉村も雰囲気悪いなあなんて思いながら過ごしていた。
そして景気づけにじゃないが、
夜もふけってきたし肝試しをやろうとOBが計画していたことを持ち出す。
もちろん泊めてもらっている立場だしOBだし、断れない。
あまりやらない方がいいんじゃないかという中、
さっきのOBは罰として脅かし役にするし楽しくやろうよ、と。
そこまで言われてしまうと断るに断れる空気でもなく、全員参加の肝試しが始まる。
肝試しはペアで行うということなのでペア決めのくじ引きを心配していたのが、
くじ引きはそれなりに公平に行われたそうで特段OBが仕組んだであろうペアになることもなく肝試しは決行されることとなった。
その肝試しの最中、
森の中でおかしな出来事と遭遇する。
ゾンビだ。
歩行のおかしい、酔っぱらったような動きのゾンビが次々と現れ、
肝試しの最中全員は山荘へと逃げだす。
最初に隠れていたであろうOBの一人はもちろん、
肝試し中だった何人かは紫湛荘へ帰ってはこれなかった。
そこから紫湛荘内でのサバイバル、対ゾンビとの立てこもりが起きる…
というなんじゃこれ展開が始まる。
私の中でミステリ小説でゾンビ?????まじで????と思った瞬間だった。
こうしてクローズドサークル、陸の孤島が半ば無理やりにできあがると。
一応補足をしておくと、
何もゾンビでなくてもいいじゃんと私は思ったのだがこの小説、シリーズが出るというかあるそうで、それに関連するせいでこんなゾンビものになる…のだと思う。多分。
嫌いな人は嫌いだよね多分。
私も最初は読む本間違えたと思ったよ。
さらにこの立てこもりをしている中、
パニック状態にも関わらず内部か外部(ゾンビ、その他の犯行)かもわからない殺人が起きると。
ゾンビのせいで生きるか死ぬかもわからない。
その上に誰かもわからない、ゾンビなのか知らない人間なのか、いやまあミステリ読んでいるというかそういう思考だったら内部に犯人が絶対いるはずなんだけど顔もわからない殺人犯もいる、と。
クローズドサークル内でのミステリの幕開けだぁ、って感じ。
こんなお話し。
感想としては、
ものすごくライトノベル感が否めないんだけど、本としてはそこそこ面白かった。
最初に書いたと思うが私はミステリにおいて推理はほぼ絶対しないし、
もはやどうでもいいの域なんだけど、
犯人が多分、このクローズドサークルになった時点か、はたまた準備をしていた時点で生きる気があまりなかったのか、
ものすごく複雑なトリックじゃなくて大胆な方のトリックを使ったおかげでほえーくらいの感想を得ることはできた。
最初すっごいゾンビいる????とは思ったけど。
一応こう書いているが、読了後ゾンビいる?????とまでは思わないもののゾンビねえ。くらいの気持ちにはなれる。
いるか…?くらいの。
新しいのかはわからないけど、まあびっくりするよね。出ると。
登場人物の女性がほとんど美女なところとか、
主人公の葉村くんのくせがライトっていうか、考え方のせいなのか、
女性にドギマギしたりなんだかちょっぴり期待をしているところとかがライトノベル臭がするのだけど、
まあおおむね面白い。
普段みたいなこの人は何を考えていたのだろう、
とか、
ここが可哀想だとか共感するところはほぼなかったんだけど面白かったよ。
本当に面白かったよとしか感想がないけど。
殺しの動機としては妥当なんじゃないかな。
そこそこ大切な人が他人のせいで自殺しちゃったらまあ殺したくもなるのかも。復讐な。
というところだ。
この小説の面白いところはそこまでたくさん、
こういう本がないところだと思う。
そりゃ選んで、人外と殺人犯が出る小説を読んでいたら別だよ。
がしかしまあそうそう読まないでしょう。はまっていない限り。
あとはパニックであるなかである程度冷静なテンションと、
あまり難しくない表現が多いとこじゃないかな。
あとは動きの説明が多いところかな。映像っぽい。
剣崎のくせとか、しゃべり方とか、
この女優さんがやっていると思うとそこそこ、映像を見たことがなくても頭の中に映像をおこしやすい。
そんな感じだ。
エンタメ小説ってそういうとこだよね、と思う。
これ映像にした方が面白いんじゃないかなとか映像映えしそう~とか。
映画は面白いのかわからないというか、
終わり方が若干違うそうなのでネタバレでも調べるかってくらいなんだけど、
普通に見ても面白いんじゃないかな。多分。
ゾンビが出るシーンとか気合入りそう。
あと今思ったけどこれ映画研究部でも演技研究部でもなんでもよかったんじゃないかなって思う。
若干これとこれが絡んでるのかなーって思ってたトリックじゃなかったし、
ほぼその設定いらなくねとは思った。
作者が演技研究部は顔はいいがひねくれてるとでも思ったのか、
演技と映画なら仲いいだろうと思ったのか。まあつながりはあると思うけども。
特殊メイクってかおばけのメイクの話とかしてたのにそういうの一切関係ないんかーーーーいとは思った。
まあどうでもいいんだけどね。
さて、感想としてはこんなもんなのでこれで書くのはやめるとしよう。
お仕事行く前だしね。ごはん食べないと。
この本は続きがあるというか、シリーズらしいので次も読んでもいいかなとは思った。
まあまあ、話として面白いし。
シュールではないからトリックみたいな本ではないけど、
ドラマとかになったらそこそこ面白そう。
映画のキャストみるとドラマになっても遅くて22時の枠だと思うし、
事務所や制作会社の金になってしまいそうでそこまで面白いものになるかもわからないけど。
この本自体はまあ、また読んでもいいボックスに入れるとしよう。
読了感はそこまでないがつまらなくないからね。
でわおわり。
はとり→ついった
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