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シライサン/乙一/角川文庫

※注意※
この記事は私の感想なので口調や言葉遣い、あまり気を使いません。
文章も考えて打ちません。読みにくいでしょう。
そして見ている貴方の、好きなものを否定するかもしれません。
私は私のためにこれを書いているので、ごめんなさい。
それでもよろしければお暇つぶしに眺めてください。





私の大好きなと言っても過言でない作家さんの本だ。
もちろんGOTHから入って、割とずっと読んでいる。
がしかしここ最近独特の雰囲気が少なくなっているというか、低迷下している気がしているので今は一番好きな作家ってわけではない。



今回読んだ「シライサン」というのは、元は映画だそうでジャンルはホラーだ。ホラーは大好きなのでまあ、小説が面白かったら映画にも手を出してみるかなんて思った。


あらすじとか内容としては、
主人公の瑞樹がカフェで友達とお茶をしているところから始まり、
その友達が目の前で錯乱して何かに怯えるようにして怪死した。

その後、その怪死した友達と同じ死に方をした弟がいる、という春男からコンタクトを取られると。
そしてその怪死の謎を解こうと、そんな話だ。

怪死の内容としては、必ず両目が破裂して死ぬ。
周りの人間からは見えない、何かに追いかけられるようにして恐怖に怯えながら死ぬ。みたいな感じだ。

普段私はミステリを読むことが多いのでまあ、内容的に明らかに犯人が人間ではないものだなって最初思った。犯人ってか凶器っていうか。
もちろんそうなるトリガーは決まっている。「シライサン」という怖い話を聞いてはいけない、みたいな感じだ。それを聞いてしまうと恐怖の始まり、死の追いかけっこの始まりみたいな。

なのでまあ、あぁ…B級ホラーの内容だなあ…なんて思いながら読んだ。
ヒットしてないっぽいしB級ホラーなんだけどさ。多分。







感想としては、
原因解明のシーンは割とよかったと思う。
乙一さんの書き方の特徴というか、私個人的にいいなと思っている部分がそこで、説明や何かに挑戦するとき、敵や犯人を追い詰めるときの物語中の解明にあたるシーンの描写がとてもわくわくする。

小出しの仕方がいいのだろうか、
主人公達の年齢層があまり高くなかったり小説やドラマにおけるフィクションを含めた人格をしていないので中々入り込みやすく感じるのだろうか。

もちろんリアルじゃない部分もある。
例えばものすごく人と目を合わせられないだとか、この小説じゃないけど片目がない主人公だとか、人に見えない存在が見えちゃってたりとか。

がしかし描写のおかげかなにか、
その主人公達は大体の性格が普通なのだ。ちょっとかしこいとかのレベルはあるけれども、変わった特徴があまりないのだ。
色々事情は抱えているけど内面は普通、っていうのが自分とは違うどこかにいるかもしれないリアルな人って思える気がする。
だからこそ読みやすかったりするのだろうか…説明が難しい。



まあとりあえずその不可解な事実を解明するシーンは、読み進めていて面白いと感じた。何故こうなったのか?という私の思考に対していい塩梅で小出しにしてくれていた。




何故「シライサン」が生まれたのかの理由や、設定付けもよかった。
民族系とか風習とか、私はあまり好まないのだけど語りが宗教的な書き方をしていなかったのでそこまで嫌悪しなかった。
そして途中で読んでいるうちにし「シライサン」の当て字をもんやり考えたりしていた。私は外した。最後が参だと思った。



この二点の書き方がまあとても読みやすくて、想像しやすくてああなるほどエンタメ系というか映画映像にしやすい文章だなと思った。
趣味嗜好に拘る必要があまりないから、演者のうまさとかあんまり関係ない。ただの一般人でいいし頑張るとこは怖いものだけ、みたいな。
とても読みやすいけど、特に考えなくていいから余韻があまりない。みたいな。


あまり本も好きでないし考えるのも好きでないタイプの人にはおすすめだ。
大体の本の半分くらいの長さで読了できると思う。
そして知識を必要としないのでそこそこ面白い。よ。





がしかしオチが若干地味。
なんというか、映画に引っ張られすぎたのか、続編期待というか、
アメリカン映画の続編ありますよ系の終わり方なのだ。私にとっては。
そのくらいだとあぁまたかって思っちゃう。慣れって怖いね。


乙一さんが書くならもっと乙一さんのいいところを表現できればよかったのにと思った。
これじゃあ量産されているB級映画だよという感じ。

いやまあ考えれば別に、面白いは面白いんだよ?
実はその風習が受け継がれていたものだったとか、替え玉で生き残っていたとか、なんか色々。
だがしかしこれは乙一さんの考えるシナリオか…?って感じ。
なので以前の小説のキレというか、ファンタジー感というか、人を魅了する感じの内容が薄れたなって感じ。
まあ読みやすくなってるから、好きになるのかなあ。
これは漫画だったと思うけど、ジャンプ+かなんかの「山羊座の友人」の方が面白かったな。ああいうの好き。




とりあえずそんな感じだ。
個人的には映画しか見てないけど「残穢」の方が面白かった。
あれの終わり方もぱっとした終わり方ではないけれど、とてもリアルだ。
触らぬ神になんちゃらって感じ。
普通ならそうするしわざわざ怪異に触って死にたくないだろ、って思うのでいいと思う。


「シライサン」、続編が出たとして読むかな。
読まなそうだな。
あらすじを読んでから決めるかも。


おわり。
羽鳥→Twitter

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