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文化と観光とデザインと。(後)

(前)の続き。

散らかりっぱなしで前回書いちゃったんで、これはまとめ記事と後半にちょっと遊びましょーっていうお知らせ。(むしろそっちが主)

結局、文化財の保存と保護の問題

世界遺産(World Heritage)や日本遺産(Japan Heritage)。「遺産(Heritage)」なんだよ。

これを「観光資源」にしようという動きがかつてはありました。まだ動いてるのかな?

ところで、1970年代に全く同じ動きがイギリスであって、1980年代に遺産論争にまで発展した歴史がある。

デザイン史(特に建築)を学ぶと出てくるJohn Ruskinら vs 観光社会学に出てくるJohn Urryらが中心に訴えたもの。

ラスキンとアーリの本はちょっとだけ貼っとく。

要するに産業革命時代の鉱山とか設備なんかが20世紀に入って衰退。それらに産業遺産としてラベルを貼り、観光資源として活用しちゃってることはどうなんよ? 国中が物見遊山のレジャー施設化しちゃってるじゃん論と、観光に来る人は多様化してるんだから、一部の専門家のためのもんじゃねぇ論のガチンコ勝負。

って、あれ。これまさに今の日本の問題じゃないか。
ァハハハ(〃´∀`)o_彡☆ポムポム 

専門家からみたら、劣化は許さん。それはしっかり保存しろ。人に見せるなんて以ての外だ。と、見せることで興味が惹かれて、能動的な学習意欲を刺激して、保護していくための理解や価値が広まるんや。って部分の差。

保存と保護の違いは大きい〜。

そんな議論を経て…

観光学だけ見てると、保護って視野になっちゃうし、文化財だけ見てると保存だぁって視野になっちゃうから、それらを融合する必要がある。

その一つの方法が3Dスキャンと複製技術。それがもうちょっと進んで、VR内で分解できたり、構造を見られたりって、ITと融合してるわけで。

ただお互いもう少し視野を広め合わないと、これらを実現するお金の出どころが問題になる

もう一つ考古学に立った視野で、観光領域側に知っていてほしいこととは、いまだ未発見の文化財がすげーたくさんあるってこと。

未発見だから、どこにあるのかわからない。そこの田んぼの下に眠っているかも〜! なんてことはザラ。偶然見つかったりってのが多いけど、文献調査とかにもっと人員が割ければ、推論を組み立てて議論を重ねて推定地候補を上げていくこともできるのだけど、いかんせん稼げないから。この領域。

クライアントが少ないし、行政は予算少ないし

趣味でやってるならともかくっすね、たいていは南北朝時代まで簡単に遡れちゃう日本国内なら、ほとんどそのまま観光資源化できちゃうネタが多いわけで。そこでうまくマネジメントして資源化できても、調査してる側に利益が来ないわけですよ。貧乏なままなんですよ。

しかも調査って、教育委員会絡みからの依頼が多いのだけど、予算少なっ!
調査費時給800円って、学生かいっ!

そりゃやってられんわ。あとね、大学の仕事じゃないんだよね。調査って。勘違いしちゃ駄目だよ。仮に大学の仕事だとしても、学生は奴隷じゃない。

というわけで、視野を広くする

調査会社はそんなわけで、経営ギリギリってわけじゃないけど、スケールしにくいモデル。調査が終わっても、観光利用されたときになんらかのリターンが戻るわけではない。

じゃあ、何らかのリターンが戻る仕組みができれば良くね? って考えたのが、IP(intellectual property)の考え方。製作委員会みたいな組織化ができると良いのだけど、リターンされる仕組みを作っておかないと無理。

ここでデザイン思考の出番❗ ではなくて、問題点を明確化して、歴史を少し学んで、現代技術とポストマーケットを観察して導き出した案。

擬人化しようぜ❗(あーそーぼーっ❗)

正確には、遊ぼうぜ。(そのまんまかよ)
文化財を種にして。世界観とフィールドは準備していくから、文化財をキャラクター化していこう。そしてキャラを動かそう!

そうだ。コレクションカードにもしよう。今ならコレクションカードのキャラをスマホに入れといたほうが便利じゃね? だからデジタル化しよう。ああ、もともとイラストはクリスタで描くからデジタル化してる。

じゃあ、LIVE2Dでヌルヌル動かそう。Spineでも良いや。

キャラがそこまで動き出せたら、ノベルゲーム作ろう。文化財だからドラマの元ネタはたくさんある。

Blenderで3D化して、ユニット組んでアイドル活動しよう。ユーチューバー的な音楽活動してもいいよね。

二次創作していこうよ。元の世界感がしっかりしてれば、二次創作の世界もしっかりするよね。

元ネタになる文化財に聖地巡礼に行こう。そこだけで見られる限定コンテンツとか作ったら良くね? 関連グッズも作れないかな…。

という妄想をしてみた

割とガチで。世界観設定とキャラデザインがかなりキモになるけど。

ちなみに文化財をモチーフにするので「つくも神」として設定。
この時点で100年以上経過しているものが対象となる。

世界観はつくも神として現れなければならないほど、文化財を忘れられてて消えかけている(現実に壊されるものも多い)世の中で、まだ保護されて残っているつくも神たちと協力して、消えかけてるつくも神を探していく。

ドラマとして悪霊化していくつくも神たちをなんとかしていくってのと、文化を破壊しようとしている大きな力を見つけて、倒していくっていうサブストーリーも悪ノリして考えてる。

ちなみに仮タイトルは『カルチュラル・スピリッツ(文化の神々)』

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厨ニっぽいっすか? (褒め言葉)

あ。ゲームにはしないけど…。(;・∀・)

とりあえず社内で盛り上がってみて、近場の山代温泉総湯をモチーフにしてキャラクターをデザインしてみた。

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いろんな頭身パターン、表現パターンを模索して、

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ちょっと動かしてみたり。

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コレクションカードのイメージを作ってみたり。

山代温泉総湯ラフ

調子に乗って山代温泉だけじゃなくて、山中温泉とか片山津温泉の総湯をイメージしてキャラデザしてみたり。(キャラデシートは割愛ね)

山代・山中・片山津-効果

これ、温泉って男湯もあるんで、そっちバージョンも考えてて…
(by キャラデザにノリノリのZ世代社員)

※総湯ってのは北陸での呼び名で、信州では大湯って呼ぶ。その温泉地での湯元だったり、シンボル的な場所。

あ。面白そうって思ったら一緒に遊ぼう。

で、キャラと文化財を紐付けしてるので、IP利用に応じて権利使用料を文化財調査予算へ回せるようにならないか、会計部分での調整とかアレコレ考えているところ。

カードとグッズの売上で運営費を賄おうって考えてるんだけど、そこにNFTもうまく取り入れたい。NFTはまだまだ発展段階だけど、デジタル原画の所有権を証明できるところまでは考えてるだけどね…。

というわけで、他にアイデアとかあったら教えて下さい。これ以上妄想できないし、貧乏だし。。゚(゚´(00)`゚)゚。ぶひぃーん

もうちょっとしたらコミュニケーション用サイトを作ります。設置します。がんばります。(お前が設置するんかいっ❗)

'`ィ'`ィ(ι´Д`)ノ

とりいそぎ、FBページのメッセンジャーはお気楽に使ってくださいまし。

まずは北陸からならそれなりになにかできるかも⁉

どうせやるなら観光プロモーションと組み合わせたいじゃないですか。これをきっかけにして文化財を知ってもらいたいし。

というわけで、某DMOさんにも協力依頼してます。その他公共交通さんとか公共施設さんとかも働きかけに行きますよ。運営役として。

2023年に北陸新幹線も延伸開通するので、駅に等身大パネルとかおいていいよって言われてますから〜。

デザインどこ行った?

某デザイン協会に入っているのですが、やっぱり製品デザインとかパッケージ・グラフィック(広告)デザインとかが多いんですよね。

製品デザイン系だとどう遡ってもアーツアンドクラフトくらいまでしか行けなくて、グラフィックデザインだとバウハウスがどうしても話の中心となっちゃう。

鳥獣戯画とか枕草子とか源氏物語絵巻とか、それこそ文学の世界って割り切られてしまうので、その系譜である漫画・アニメ・ゲームとは一線を引かれてしまう傾向に。むしろ一段下に見られている感もあったりなかったり。

でもね、ミレニアム世代とZ世代っすよ。

随分前から言われてきてた世代が、もう市場に影響を与えてるし、この世代は興味の分断世代なんだから、共通興味で育ったミレニアム以上の世代では感覚共有は難しいんです。そこは認識しましょう。そこの団塊ジュニア世代近辺の世代。そう。ぼくら。

老害だの何だの掲示板で書いてた世代は、すでにその老害に入り始めてる。そこを実感しないといけねぇ。

デザインって、結局世代の共通項を見つける作業でもあるんで、興味が分断している世代にとって共通項見つけるのってなかなかしんどいと思う。

唯一の共通項ってアニメ・漫画のサブカル表現なんですよね。

そこだって実際は細かく別れているのだから、うまくエッセンスを取り出す能力が必要になったりする。

実際、デザインにも世界観を作り上げる総合力と演出力が必要になるって考えてるんだけど、この考え方はなかなか浸透しないですわ〜。

でも、UXデザインではイメージボードとか絵コンテみたいなもの描くけど。

というわけで…

ヲタクの時代キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

いや、チョットチガウ。

融合の時代なんすよね。総合的に。

長かったけど、結局遊びましょってお誘いでした。

参考文献/
文化を資源化する社会―文化遺産活用のジレンマをめぐって―松浦 雄介

デザインの近代史論 - 神戸大学


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