【#Real Voice】　「笑って」　4年・高原歩希

2021年11月17日 19:00

もうすぐ、私のたった4年間のサッカー人生が終わりを迎えようとしています。
正直、辛いこと苦しいこと悔しいことの方が多かったです。それでも、それを上回る喜びや感動、素晴らしい経験、愛情をここで多くの人にもらいました。

ア式に入部した1年生のときは、4年間が果てしなく感じていました。それでも今4年間を振り返ると、濃密で本当にあっという間だったなと感じています。

早稲田に来てよかった。今までやったこともなかったし、自分に向いているのかも分からなかったけど、サッカーのマネージャーという選択肢をとりア式の門を叩いてよかった。
本気で心の底から思っています。
ここにきて、知らなかった景色をたくさん見ることができました。そこで自分の力も試すことができました。マネージャーの仕事をきっかけに多くの人と出会い、自分自身の世界も広がりました。早稲田に来るきっかけを、ア式を選ぶきっかけをくれた全ての人に感謝しています。

実家に帰ったとき、仮入部初日の日記を見つけました。
“今日の、ア式へのワクワク感を4年間大切にする。同期になる人達に初めて自己紹介して、4年間一緒に頑張ろうって言ってもらえたこと、試合を見て、この人たちと一緒に成長していきたいと思ったこと(ア式初日は新人歓迎試合でした)、この嬉しくてワクワクした1日目のことをこれから先忘れずにいたい。4年の最後に幸せだったと胸を張って言えるようにしたい”

正直、辞めようと思ったことは何度もありました。辞めたいって、友達に泣きながら電話したこともあります。当時自分の持っていた仕事の説明を全部文字にまとめて、これを渡して部を去ろうと考えたときもありました。それでも私を必要としてくれる人だったり、もっとみんなの活躍を近くで支えたいと思える選手のパワーだったり、最初に自分が大切にしたいと言った初日の嬉しさを思い出しては部に残り、今ここに立ち、残り1ヶ月を迎えました。

今、私はとってもとっても幸せです。

4年間、楽しいときも辛いときも一緒に過ごした同期に囲まれ、何でも話せる人たちと共に毎日楽しく過ごしています。みんなが初日に言ってくれた、4年間一緒に頑張ろうという言葉、みんなは何気なく言った言葉で、覚えていないでしょう。でも私はその一言に何度も助けられました。
可愛い後輩もいます。いつも元気に話しかけてくれて、私が元気なかったときは笑わせてくれて、「ほまれさんが笑ってよかった」って言ってくれたり、関東リーグ帯同の前日には、チーム付きの私にも必ず、頑張ってください！とメッセージをくれる後輩もいます。そんな後輩たちの、ほまれさんって慕ってくれる言葉にも何度も力をもらいました。

4年間、私に自信をつけさせてくれ、今ここで幸せだと思えているのは紛れもなくみんなのおかげです。みんなの何気ない一言が私の力でした。

そして、今の私にとってこのア式蹴球部は夢です。

正直、昔は自分の引退が寂しくなるなんて考えたことありませんでした。
でもインカレに行けるか分からない日々を過ごしていたとき、まだここでみんなと一緒に部活をしていたいし、インカレに行って日本一という目標を目指し、みんなと少しでも長く一緒にいたいと本気で思い、どうなるか分からない未来に不安と緊張で押しつぶされそうな日々でした。
(私は結構冷めてみられるので、ほんとかよ、と突っ込まれそうですが本当です。)

インカレがかかったラストチャンスの関東リーグ最終戦。選手以上に緊張していた気がします。

安斎がゴールを決めた瞬間、試合終了のホイッスルがなった瞬間は嬉しすぎて涙が出ました。涙脆くなんてないし、みんなの前で涙なんか見せたくないのに、自然と嬉し涙が出てしまいました。(恥ずかしいので泣いてないとそのときは言い張りました。)

まだみんなと一緒に部活ができること、みんなと一緒に目標を目指して戦えるステージがまだあるという嬉しさがこんなにも大きいことに驚きました。そして自分の中にこんなにも熱い感情があったなんて。

最初の話に戻りますが、ここまで私を熱い気持ちにさせてくれるのはみんなだからです。みんなとだから少しでも長く同じ時間を過ごしたいし、みんなと一緒に日本一の景色を見て喜びたい。微力でも、このア式蹴球部を日本一に導けるようなマネージャーになることが夢です。

4年間、本当に色々あったけど、
ここでの生活で得た幸せで、これから先も前に進める力を手にした気がします。
この楽しくて、辛くて、嬉しさも悔しさも経験した日々のことはこれから先社会に出ても思い出しては心の支えになるんだろうなと感じています。
ここでの日々が、私をとても強くしてくれました。みんなの姿が、私をここまで導いてくれました。

あと1ヶ月、泣いても笑っても最後です。
私はみんなに笑っていてほしいです。
みんなが笑顔でいられるよう、残された時間の中で自分にできることを。
ア式蹴球部を日頃から応援してくださる方々、いつもありがとうございます。あと少し、皆さんの力を貸してください。

決して簡単ではなかったインカレへの切符、巡ってきたチャンスは必ず結果に変えて、最高の景色をみんなと見たい。