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【#Real Voice】 「限界を知り、そこから踏み出す一歩の価値」 4年・浦田幹

今シーズンも多くの人の力をお借りし、活動を継続することができました。
常日頃より、多大なるご支援誠に感謝申し上げます。

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私にとって、4年目は学びに溢れた1年でした。
その学びの中で自分が感じたことを綴ります。
 
そしてその学びは、私の人生で学んだ大事な経験に似たものでもありました。
 
だから私はア式を選んだのかもしれません。
 
 
 
 
 
初めては中学校2年生の時でした。
とにかく早く問題を解き続ける戦法で中学校2年生の時には市の算盤大会でチャンピオンになった私。
 
努力が形になったことに胸躍る瞬間だった。
 
そして大きな自信を胸に挑んだ県大会。
「俺のスピードなら通用するやろ」
と意気込んでいた浦田少年。
そんな自分の隣に座った女の子は、大会後に知ったのですが
天才双子姉妹と言われる1人でした。
 
 
「始め!!」
の合図とともに
この瞬間まで、算盤とは片手で弾(はじ)くものだと思っていた浦田少年。
しかし、横の少女は両手を使いものすごいスピードで問題を解き続ける。
 
自分の概念を壊された瞬間でした。
勿論、結果は完敗。
 
絶対に敵わないと白旗を上げた瞬間でした。
 
 
 
2回目は浪人時代でした。
私が通っていた塾には中学校受験を控えた小学生が多く通っていた。
私の横に座る彼は、超名門私立N中学校を受験する。
 
ある日、性格が悪い私の先生は、算数の問題を小学生の彼と自分に解くように指示した。
大学受験を控える私であったが
解法すら頭に浮かばず、頭を抱える始末。
一方、横に座る彼は問題が出された瞬間に使い馴染んだ鉛筆を動かし、2.3分ほどで正解を導き出した。
 
この日、私は凡人と天才の違いをはっきりと理解した。
 
今までの人生を恥じるほどの出来事で
その後、小6の彼をI君と呼ぶようになった。
 
 
 
3回目はア式蹴球部で迎える4年目のシーズンでした。
4年目の私は、学生スタッフ兼学生幹部としてチームマネジメントを行っている。
 
選手でない自分にできることは何か
 
ひたすら考え行動し続けた。
 
チームの敗戦はマネジメントの失態と捉えてやってきた。
 
しかし、負けを重ねる中で自分の行動がチームのためになっていないのではないかと考えることもあった。
 
 
所詮、ピッチの選手次第なのか?
 
 
そんなことを考え、自分の限界を決めようとする自分。
 
 
そんな自分を払拭するために、とにかく行動に移した、とにかく。
全てのアクションがチームのためになるはずだ!そう決めつけて、、、
 
しかし、上手くはいかなかった。
反対に周りから反感を買うことも増えた。
 
「行動が自己満足」
 
「引っ張っているのではない、突き放しているだけだ、そもそも信用できない」
 
「お前のために戦いたいと思わない」
 
と伝えてもらったこともあった。
 
いつの間にか「チーム」のためが「自分」に変わっていたのだと今になって反省している。
 
当時は相当キツかった。
 
「これで終わりか」
 
算盤大会の経験、浪人時代の経験
勿論、同じものではないが、自分の限界を
もっと言えば、弱さを実感する上では、これ以上ない時間であった。
 
重たい空気が自分を取り巻き、逃げたくなる自分。
 
そんな時、目に入った部員ブログが印象的だった。
 
「当事者たれ」

京都大学サッカー部のマネージャーの方が書いたものだ。
(本当はそんな文章を#Real Voiceで書きたかった)

輝いて見えた。
 
それと同時に真の意味で当事者になりきれていない自分を感じた。
 
 
今年になって、試合で負けて悔しく辛い時もできるだけ、感情は隠した。

「4年だから」

「スタッフだから」

後輩が戸惑わないように、スタッフより選手の方が辛いに決まってるから。
 
 
 
マネジメントをする中で、自分の意見よりもチームとして最適な答えは何なのかを意識した。時に他人のテリトリーにだって否応なく踏み込んだ。
 
「4年だから」
 
「新人監督だから」
 
義務から来る行動や発言を言い続けた私はどこか責任から逃げ出すようになった。
 
まさに当事者である自分を失っていた。
 
 
お前はどこにいる、お前は何がしたい?
 
 
ある日、監督から
「理路整然と物事を進めすぎ」
と言われたのも、みんなの感情に寄り添うことなく、なすべきことしか考えていなかった自分の至らなさを突きつけられたものだと捉えた。
 
 
 
「今年になって新人監督の浦田幹と話しているように感じる」
と伝えてくれた同期にも同じようなことを感じさせてしまった。
 
 
 
もう一度向き合うべきは自分の弱さ、心だ。
 
自分がなすべきことを理解することで、一歩を踏み出す覚悟が生まれた。
 
そしてその道は、決して自分だけでは見つけることができないものだった。
 
 
過去を振り返っても、苦しい瞬間に踏み出す一歩こそが成長につながった。
そして、その一歩を踏み出すことは
「自分の力」
だけでは難しくて、どんな時も周りの仲間が背中を押してくれた。
 
 
 
算盤大会で感じた挫折を経て、落ち込む自分に算盤塾の先生は
「土台のないところには家は立たない」
という言葉を伝え、基礎からもう一度見つめ直すきっかけを与え、自分の成長を一番に信じてくれた。
結果的に得意の暗算を極め、五段を保有するまでに成長することができた。
 
ありがとうございました。
 
 
小6に完敗した自分に人生の恩師は小学生向けの参考書10冊を自分に渡し
「君は努力をしてこなかっただけで、勉強をし続けて今があるのではない」
と伝えてくれた。
自分の現状を教えてくれる人が近くにいたから
睡眠や食事以外の時間を勉強に充てなければならない自分の実力を理解することができた。
だから今こうやって早稲田大学に来ることができている。
 
ありがとうございました。
 
 
そして4年目の経験を経て
本当の自分の弱さを知り、今がある。
それに気づかせてくれたのは紛れもなく仲間だった。
シーズン当初よりは、マシな自分にはなってるんかな。
いや、まだ半歩ほどしか踏み出せてないのかもしれない。
残念ながらかっこいい4年生ではないかも知れないが、泥臭くここまで積み上げてきた自分を感じることもできている。


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そんな自分は横断幕の「結繋」を見て
本当はこんな意味も込められるのではないかと思う。
 
“弱さ”を自覚し、“弱さ”を仲間に曝け出す、そして“弱さ”を仲間と克服することが
結繋(きずな)になるんじゃないかと。
 
弱い人間が助けを周りに求めることは結繋ではない。
そもそもそれは繋がりではない
 
それは「寄生」だ
 
「馴れ合い」だ。
 
 
今シーズンチーム内で色んなアクシデントが起こったが、どれをとっても
その解決には、同期、上級生、下級生、スタッフ
多くの方々の姿があったはずだ。
 
そして、そうやって本気で熱くぶつかり合う結繋(きずな)こそが
 
ア式蹴球部のいいところだ
 
そして強みだ。
 
 
 
他人のミスに本気で向き合う姿
 
壮大なビジョンに少しでも近づこうと行動する姿
 
4年目という重圧を自分に課し、苦しみ足掻く姿
 
自分だけではなく、チームのために行動する姿
 
ピッチに立てなくても、できることを自分に問い続ける姿
 
最高の早慶戦を用意するために、できることを実行し続ける姿
 
弱い自分を押し殺し、戦い続ける姿
 
 
 
その全てが自分の限界を感じさせながらも
 
ア式には限界からの一歩を後押ししてくれる仲間がいる。
 
だから、ア式に入って本当によかったと思う。
 
 
 
後輩には伝えたい。
 
どんな時だって仲間とぶつかることを避けてはいけない。
 
自分の立場や性格を理由に行動をやめてしまってはいけない。
 
できないことを恐れてはいけない。
 
枠からはみ出し続けるその姿が
 
「日本をリードする存在」
 
になるために必要な行動だと
 
そして、そのはみ出す姿を否定するのではなく、
 
受け入れる行動が周りの人間に求められる行動だと
 
ア式を少し長く知る自分は思う。
 
 
 
偉そうにはここまで話してきたが自分も最近、気づいた立場の人間だ。
 
新人監督なんて偉そうな立場で色々みんなに伝えてきたが、
何かを成し遂げた人間でもない。
逆に新人監督という役職を通じて多くのことを学んだのは私の方であった。
 
ありがとうございました。
 
 
そんな豊かな学びの時間も残りわずか。
残り4試合、すべてが終わりと隣り合わせの重い試合になる。
 
ただそんな試合だからこそ、楽しみたい。あと半歩踏み出すチャンスにしたい。
 
部員全員で12月25日(@NACK5)で笑うために
 
今を大事に活動したいと思う。
 
トモニイコウ。
 
 
 
 
 
 
そして最後に。
 
同期
バランスを崩す俺を見て、いろいろ思うこともありながら、それを伝えずにいたのはみんなの優しさだったと今になって思う。
きつく当たることも増えて、ア式以外のことを話すことも減って、同期に一番寄り添えてなかったってずっと思ってる。
 
本当にごめん。
 
俺も必死で、余裕がなかった、未熟者です。
それでも最後はみんなで笑いたい。
わがまま言ってばかりやけど、あと少しよろしく頼む。

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幹部の皆
ああでもないこうでもないとそんなことを言い合った日々が宝物です。
自分が折れそうな時も横で必死に歯を食いしばるみんなを見て、踏ん張れた。
そして、またみんなに負けないように考動することができた。
最高でした。まさに戦友です。

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4年スタッフ
進む道はバラバラながらも、突っ走る姿は嫌でも刺激を受けてきた。
いいメンバーが揃ったと思う。
たくやの献身性、ハルキの行動力、林の発想力、ほまれの寄り添う力
自分にないものばかりで実は、みんなの姿が輝いて見えてました。
恐らく4人ではご飯に行けなさそうなんで5人でいきましょう。

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トレーナーの皆様
4年目の今年はマネジメントばかりに気がとられ、トレーナーの仕事は江田、しおりを中心に任せっきりですみませんでした。人を支えることの難しさを知り、本気で向き合う尊さを感じることができたのは皆さんの姿を間近で見てきたからだと思います。
ありがとうございました。

んでまた学生4人で写真撮ろうな

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そしてこんな素晴らしい環境に100%で向き合わせてくれた両親
 
心からありがとう。
 
ありがとうで溢れる4年間になりました。
 
 
 
浦田 幹

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浦田幹(うらたもとき)
学年:4年
学部:スポーツ科学部
出身校:夢野台高校


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