見出し画像

「僕はあなたの活力になりたい」 2年・安達佳哉

「明日への活力になる」

これがア式2020のmission。
最初に聞いた時、サッカーの組織なのに
全くサッカーと関係ないやん、なんて思ったものだ。

でも今は、この言葉の持つ大きな意味を実感している。

このmissionを遂行できたと感じた出来事がある。
社会貢献活動で、東伏見地域の皆さんと協力して創り上げた「WASH YOUR HANDS」の動画である。

画像2

感染が拡大し、多くの活動が自粛に追い込まれた。

もちろんサッカーも例外ではなかった。
そこにグラウンドがあるのに、
夜のアスファルトでの走りを余儀なくされた時期だった。

動画作成は、
こういう時こそ、社会貢献活動のあり方が試される時期と認識し、
緊急事態下でも地域の皆さんと繋がれる方法を真剣に考えて、模索して辿り着いたものだった。

難局であるにも関わらず、地域の多くの方々にご協力いただいた。

出来た動画をお見せすると、
「すごくいいね!」
「元気が出た!」
と言ってくださった。

大きな反響を頂いた。

画像1

僕自身、すごく嬉しかった。
自ら行動して、誰かの活力になれた経験は僕にとって大きな気付きを得る機会となった。

グラウンドがただ東伏見にあるから、ここで活動を行っている、という認識から
温かい人たちが集まり、こういった状況下でもお互いに支え合える地域に対して自分にできることはないか、という認識に変化した。

東伏見がさらに好きになった。

また、改めて僕は周囲の方々に支えられて、
ここまで当たり前のように幸運に恵まれて生きてきたことを実感した。

これを機に、当たり前に感謝したいと強く思った。


そこで、今回のブログのテーマは感謝にする。
抱く感謝を率直にありのままに伝える。


特に、僕が一番に想いを伝えたい、
「あなた」に向けて、この文章を書く。

日頃伝えられない想いをこの場を借りて打ち明けたいと思う。

あなたは50歳という節目を迎えた。
あなたは、僕に対してこんなことをよく言っていた。

「私のお母さんは、
私が成人したときにはもういなかった。
だから、私をもっと大切にしなさい」

笑いながら言っていた。

いや、笑いながらも
多分、心の中で傷ついていた。
自らの20歳の晴れ姿を大好きな最愛の人に見せられなかった
悲しさ、寂しさを滲ませた表情だった。

でも、そんな悲しみ・寂しさを乗り越えた
あなただから優しいんだろうと思う。

そんな僕も20歳となった。
高校を卒業して、北海道から上京した日を思い出す。

猛烈に寂しかった、と今でも思う。

家を出る。
その時、
あなたは涙が出そうで、
僕も涙が出そうで、
でもお互いに強がってたのか、
涙を流さず、抱擁だけしたことを思い出す。
お互いに涙堪えていた。

住み慣れた北海道の地を横目に
飛行機の中で涙ながらに、
必ず恩返ししよう、と心に誓った。

自分は3兄妹。
でも、その時期は
自分と妹が同時に親元を離れたため、
ひとつ、子育ての区切りをつけた時期である。

親として子どもの親離れは誇らしいこと。
でも、家族全員で過ごした日常の喪失感に日々葛藤したことだろう。

僕も最初の1年間は辛い時間だった。

帰ったら、
一緒にいてくれる
すぐにご飯が食べれる
辛いことや楽しいことも何気ない会話の中で共有できる.......

そんな今までの日常とのズレをいつも噛み締めながら1人自ら作ったご飯を食べた。

思えば、
仕事のミスをして辛い日も
ゴールを決めて嬉しかった日も
友だちと遊んで楽しかった日も
友だちと上手くいかず喧嘩した日も

あなたと話したいなって考える。
なんて言ってくれるか考える。

あなたの存在が僕の中で大きな支えだった。


今まで僕を無償の愛で支えてくれたあなたに恩返しする。
でも、
あなたが望むのは、私が成長して支える側となって恩を次に繋いでいくことだと思う。

世界中の人々を全員幸せにできる大それた力はない。

それでも僕は、
周りに居てくれる人達にとって
悲しみや苦しみを分かち合える・分かり合える存在でありたい。
誰かに活力を与えられる存在でありたい。

あなたはきっと"佳哉"という名前にそういった願いを込めたんだと思う。

今はまだ力不足で、人間としての小ささを痛感することも多いけど
名前に負けない人間になるつもりだ。


今までサッカーを通じて
あなたと一喜一憂を共にしてきた。
そんなサッカーを全力でできるのも、残りわずか2年となった。

いつも、同じ目標を共有する術として
サッカーがあった。

自ら厳しい環境に突っ込んでいく僕を
あなたは力強くサポートしてくれた。

辛い時も嬉しい時も
いつもそばにいてくれた。

選手権で負けた時もあなたは一緒に泣いてくれた。

東京と北海道では距離がある。

それでも、

楽しかったと心から思えるような家庭を自分も築けるように
あなたが僕の生き方を誇れるように
生涯、僕という存在を誇れるように

今日も生きる。

20歳の節目にあなたに贈ります。

ありがとう。
あなたの下に生まれて本当に良かった。

「あなた」は僕の自慢の母だ。

画像3



安達佳哉(あだちよしや)
学年:2年
学部:社会科学部
前所属チーム:札幌大谷高校


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?