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【#Real Voice 2022】 「逆境を楽しむのが真の成功者」 2年・ヒル袈依廉

12月も折り返していよいよ2022年もラストスパートをかけましたね。年内ラストの試合を来週末に控えたところで、本日のブログを担当します。スポーツ科学部2年のヒル袈依廉です。

東京もすっかり寒くなってきました。
先日、母から「鹿児島もわっぜえ寒くなってきたがよー。今日10℃くらいしかなかった。日曜日は雪が降るかもーち。」というLINE。
1回でスラスラ読めたでしょうか。今僕の文字を打っているパソコンにも、下に赤い波線が出てくるほど、理解が追いついていません。
このブログを読んでいるアップル社のどなたか。いち早く鹿児島弁に対応できるようにアップデートを要請します。
僕が時々既読無視しても、次から次に追いラインでこんな感じでわざわざ鹿児島弁で世間話を振ってきます。おそらく、「どこにいっても地元の素晴らしさを忘れるなよ。」といったような母らしいかっこいいメッセージがこもっているかと思いますが、引き続き既読スルーさせてもらいます。

さて、冗談はここまでにして。今年は何を書こうと考えていたところ、やはり無難に今シーズンを振り返ろうと思います。


今年の3月、大学サッカーのシーズン開始と同時に行われるデンソーカップに新2年ながら関東選抜Bとして出場させてもらった。実際に出てプレーした試合は対日本高校選抜のみで、大学の選抜大会にもかかわらず、高校生相手としかできなかった。しかし、メインキーパーとして君臨していた法政大の壱成君の大活躍もあり、僕らは関東選抜Aや全日本チームを抑えて優勝することができた。僕自身、何かの大会で優勝してシーズンを開始したことがなかったから、これまでない最高の出だしで、どんなシーズンになるのか楽しみで仕方なかった。当時は。。。

チームに戻り4月の関東リーグ開幕まで必死にトレーニングに打ち込んだ。しかし、なかなか序盤は思うようなプレーができず、もがいている自分。スタメンも前日のダブルボックスのセッションを終える頃まで、誰が試合に出るかわからなかった。

迎えた関東リーグ開幕戦。
ギリギリでスタメンの座を奪い、筑波大と対戦。スコアレスドローで勝ち点1は取った。個人的にもストロングを発揮して、なんとか無失点で凌いだのでグッド。

続いて第2節、国士大戦0−2
負けた。なかなか点が入る感じがしなかった。試合後に国士大のGK飯田君に早稲田なら大丈夫。カイレンの活躍を楽しみにしている。と声をかけてもらった。頑張ろうと思った。

第3節、拓殖大戦2−3
先制したものの、逆転され負けた。それもロスタイムで。めちゃくちゃ悔しかった試合。それにキャプテンが負傷し、この試合以降今シーズン、ピッチに戻ってプレーする姿を見ることはできなかった。


少しずつ、チームの雰囲気が悪くなっていくのが、完全にわかった。


第4節、東洋大戦。第5節、東京国際大戦。
ベンチだった。チームも負けた。しかも東洋戦も苦い負け方をし、東京国際戦は完封された。

明治大戦。
J内定のDF陣2人が戻ってきた。今シーズン初の4バック全員が4年と、安心感が半端なかった。結果は1-1と今年の優勝チーム相手に粘りを見せた。

そこから流経大、駒澤大と引き分けて、なんとか調子を取り戻した。雰囲気も良くなってきた。

そして順大戦 3-1。
やっと勝てた。この1勝だけでこれまでにない喜びを表現した。さあ、ここからだとなったが現実はそう甘くなかった。すぐにやってきた桐蔭横浜大戦、法政大戦、また負けてしまった。

こうして前期の戦いは終了。今思えばどこかの試合を1つでもものにしていれば、今の苦しみはなかったと思う。


夏。Jリーグチームの練習参加をしてきた。プロの方々とトレーニングを経て何か早稲田に持って帰ればと。より一層、自分に磨きをかけた。自分の将来像を描くことができたし、何より大きな自信をつけて帰ってきた。

だが、後期は次々と負傷者が続出。決してそのせいではないが確実にチーム全体に大丈夫なのかという空気が流れ込んでいた。
後期の結果は奇跡的な2勝と1分けだけで、そのほかは全て負けてしまい、2部降格という最悪の事態を味わうことになった。

最高の出だしから最低の結果で終わってしまった。

降格は人生で2度目だ。高校1年の時にプリンスリーグから県リーグに落ちた以来。
水野雄太(4年)擁する大津高校に1-6でボコスカやられ、平瀬大(4年)擁する黄金世代のサガン鳥栖に1-15でボコスカやられた。
これ、少年団のサッカーフェスティバルではありません。プリンスリーグです。Twitterもだいぶ炎上していました。

終わってみれば、なんとなくこの頃の雰囲気と似ている気がした。
最高学年があまり出場していなかったこと、それにより頼れるゲームキャプテンがいなかったこと。本当は最後尾のG Kである僕がチームを締めないといけなかったが、果たせなかった。結局自信がなかった。ここぞというときの存在には程遠いと実感した。まだまだのびしろだらけ。また一から頑張ります。

その中で、1年を通して戦線離脱していた我々のキャプテンは試合前日の締めで常々、楽しんで欲しいと言い放っていた。だが、毎回頭をよぎる。高校時代の監督が言っていた。「サッカーを楽しむのは小学生まで。俺らがやっているのは勝負。プライドのぶつかり合いだ。」大きな矛盾だ。
しかしこの矛盾は、今シーズンの終盤に差し掛かったところで気づくことになる。
もちろんサッカーはスポーツ。意地とプライドのぶつかり合い。絶対に負けてはいけない勝負の世界。その中で、優勢と劣勢の場面は必ず起こる。どんな逆境に立たされても、余裕を持ち、笑顔でいること。そして仲間を信じること。これがいわゆる置かれている状況を楽しんでほしいというメッセージなのだろう。

気づくのが本当に遅かった。

しかし、もう気づいた。

あとは、次に繋げるのみ。

これから先、思いもよらぬことが訪れるだろう。
訪れるまで楽しみに待ちます。


そして存分に楽しみます。

◇ヒル袈依廉◇
学年:2年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:鹿児島城西高校


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