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【#Real Voice】 「憧れを理解する」 4年・松浦一貴

決して思い通りのシーズンではありませんでした。
失ったものを数えようと思えばいくらでもできたと思います。
それでも、今を、目の前の景色を、リアルを、大切に。
 
歩みを止めそうになった時もありました。
そんな時、自分を追い越し、駆け抜けていく存在が目に映ります。
彼らに負けないように、不格好にしがみついてでも、最後まで歩き続けます。
誇りとプライドをもって。
 
 
 
 
 
 
憧れは理解から最も遠い感情
 
自分の好きな漫画に出てくるセリフです。
今だからこそ、より心に響きます。
 
自分にとって「4年生」は憧れでした。
 
堂々と、たくましく、全体の前で思いを伝えること
強い個性のある組織の中で、自分らしさを発揮すること
悩みを抱える選手に手を差し伸べること
時に厳しく愛のある言葉で選手をモチベートすること
感謝の心をもって接すること
 
文章にすれば綺麗事のように思えることを当たり前のようにやってのける姿に、
「WASEDA the 1st」
~サッカー選手である前に、人として一番であれ~
を感じました。
憧れの始まりです。
 
しかし、それは「4年生」を理解したということではありませんでした。
 
部員に思いを伝えるためには、言葉だけじゃない、それを体現しないと伝わりません。
日々の取り組みが、そこに現れるのです。
自分には、突出した武器も、技術も、戦術眼もありません。
その分、他の選手にはない「らしさ」を表現する必要がある。
 
さらにその「らしさ」を使い、牽引する存在になることは容易ではありませんでした。
「多様であること」と「多様性を受け入れること」は違うと知りました。
折り合いをつけ、割り切ることもありました。
大人になったとはこういうことを指すのでしょうか?
感情の起伏を、周りには見せません。
チームの結果に一番責任を感じながらも、元気にいつも通りのBチーム主将をやり続けます。
どの自分が「いつも通り」なのでしょうか?
 
自分に見えていたのは「4年生」のほんの一部分であり、氷山の一角を捉えて憧れていたのだと今になって思います。
その裏にある思いや感情を理解せずに。
 
日々、理想と現実のギャップにおびえていました。
 
こんなにも多くを背負っていたのか、と。
こんなにも見えていないところで時間を費やしているのか、と。
勝てない時、こんなにも自分の無力さを痛感するのか、と。
 
 
そんな日々の中にも、気づきがありました。
 
彼は同郷、姫路の後輩です。
お笑いではよく比較されます。
まだ負けてないという自信の大きさは髙橋の顔くらいあります。
彼が関東リーグに出場した時、涙が出るほどうれしかったです。
同時に、危機感も覚えました。
自分にとってどれほど大きな存在だったか。
彼のアシストで点を取ったこと、今でも忘れません。
TOPの舞台で共演するまでは終われません。

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彼らは、同期です。
この4年間数えきれないくらい迷惑をかけてしまいました。
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
しんどい時期もありました。
遠回りもしたと思います。
それでも、苦しみながらも、涙を流しながらも選手・スタッフ関係なく戦う姿にいつも奮い立たされます。
ありがとう。

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彼らだけではありません。
エピソードを話せばきりがないほど、多くの部員からパワーをもらいました。
頑張れの一言が、ありがとうの一言が、笑顔が、あのゴールが今の自分の血となり、肉となっています。
 
部員ブログでもよく耳にした言葉
 
「原動力」
 
憧れていたころの自分にはまだわかりませんでした。
憧れた「4年生」を少し理解して、ちょっぴり4年生になれた気がします。
ただ、自分が理解したと思っていることもまた、ほんの一部なのかもしれません。
だからこそ、憧れた「4年生」を理解しようと今なお奮闘中です。
憧れを憧れでは終わらせません。
 
 
来年からは社会人です。
不安と期待を抱き、上京してきた新人時代と同じようにいろいろな景色が眩しく映るでしょう。
就職活動を通して、仕事の規模・スケール、関わる人の多さ、社会に対しての貢献、自由な意思選択などを知りました。
 
そしてまた、憧れを抱くのでしょうか?
憧れを理解しようとするのでしょうか?
 
そんな時、大学での4年間を思い出します。
歩みを止めた人は、この4年間が記憶の片隅になってしまうでしょう。
最後まで歩みを止めないことで、より鮮明に、よりリアルに思い出すことができるでしょう。
立ち止まっている暇はありません。
 
 
明日はいよいよリーグ最終戦。
去年と同じ法政大学。
リーグ最終戦、彼らは早稲田に勝ちインカレ出場を決めていました。
今年は立場が逆です。
これも何かの縁なのでしょうか?
 
 
「憧れを理解する」
 
そんな自分に言えることはただ1つです。
 
勝ってインカレ出場を決めよう。


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松浦一貴(まつうらかずき)
学年:4年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:エストレラ姫路U-18


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