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「今見えないあなたへ。」 3年・川野秀悟

東京のアパートの一室

六畳一間の片隅で
1人で座っている

ひかりに照らされた壁に
整然と佇む家具
窓の奥に広がる外の景色

目の前には白い机と
その上に置かれた
ペンとノート

動きのない空間が広がっている

ベッドに置かれた時計だけが
隅でわずかに動きを見せ

静かに時間が流れている

この空間で僕は
部屋を見渡したり
外を眺めたり
机に向って何かをしたり
考えたり。

オフに入り
実家にも帰ることなく
アパートの部屋で過ごす時間が増え

こんな時間が
今の日常になりつつあります

進んでいるはずの時間の中で
止まったかのような時を過ごす僕は

最近、“人“を感じるようになりました。


1ヶ月前

その日もピッチの上で
仲間とともに走っていました

人に囲まれ
目の前の人を感じ
走っていました。

思い返せば
昨シーズン
上手くいく時期もあれば
上手くいかない時期もあり
怪我でプレーができない時期もありました。

いろんな状況に直面しました。

ただどんな状況でもまわりには仲間がいて
目の前に見える仲間にいつも支えられていました。

サッカーが出来る環境すら当たり前でない中で
人にも恵まれ
当たり前でない日々を過ごすことができました。

贅沢かもしれませんが
そんな仲間が
今目の前に見えないのは
正直寂しいです。

でも今見えないからこそ
見えていた人のことも
より強く感じられているのだとも
思っています。

そんな1ヶ月前でも
見えない人はいました。

それは家族や友人、恩師
身近な人だけでなく
これまで関わってくださり
自分を支え続けてくださった
すべての方々の姿でした。

見えなくても
会えなくても
声や言葉だけでなく
何かしらの形で。
その時も見えなかったあなたは
僕を支え続けてくれました。


僕自身が
これまでサッカーを続けられてこれたのも

そもそも1人の人としてまっすぐ生きてこれたのも

そして今

こんな思考で
この言葉とともに
こうして見えない人を感じられているのも

紛れもなく今は見えないあなたが
僕を支えてくれたからです。

昨シーズン目の前で支えてくださった
昨シーズン見えなくとも支えてくださった

今は見えないあなたへ。

ここだけで伝わるかはわかりませんが
伝えさせてください。


いつも本当にありがとうございます。


先が不透明なこの世の中でも
もうすぐ新たなシーズンが始まります。

自分にとっては
東伏見という素晴らしい環境で
かけがえのない仲間と共に
本気でサッカーに向き合える
ラストのシーズンが始まります。

見える人にも
見えない人にも
支えてもらったからこそある
今の自分で

今の自分を越えて

支えられたことを証明すべく

感謝とともに
仲間とともに
あなたのために

ラストシーズンを走り抜きます。

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川野秀悟(かわのしゅうご)
学年:3年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:栃木SCユース


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