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【#Real Voice】 「自分はどうありたいのか」 3年・大場琳平

3年生になり、就職活動を始めたことで、自分と向き合う時間、将来のことを考える時間が圧倒的に増えた。

その中で、就職活動を通じて、自分は将来、どのようなキャリアを歩み、どのような人間になっていたいのか、ということを深く考えるようになった。だが、サッカーしかしてこなかった自分にとって、なかなか答えが出なかった。

今までの自分だったら、何も考えずに真っ先に「プロサッカー選手になりたい」と答えていただろう。でも、自分のサッカーの実力やチーム内の立ち位置を考えても、小さい頃の自分のようにそんな簡単にプロになりたいとは言えないのが現状。

では、なぜ、今までの自分は「プロサッカー選手になりたい」と思っていたのか。
「なぜ」という言葉をもとに深掘りをしていく。

だが、自分の頭の中に出てくるのは、「憧れだから。夢だから。」といった表面的な言葉ばかり。プロサッカー選手になって、自分がどうなりたいのか、どういうことを実現したいのか、というプロサッカー選手になってからのビジョンがなかなか見えてこなかった。

その時、ふとある言葉を思い出した。

「プロサッカー選手になることは手段であり、目的ではないぞ。」

自分が1年生だった頃、当時4年生だった宮田君に言われた言葉だった。
この言葉を言われた時は、言葉の意味があまり理解できず、「サッカー選手になることが夢なら、それは目的だろ。」と当時の自分は思っていた。

でも、今となってはこの言葉の意味が理解できた。

プロサッカー選手になることを目的と捉えていたら、プロサッカー選手になった時点で満足して、それで終わってしまう。プロサッカー選手でいられる時間というのは限られているし、サッカー選手を引退した後のセカンドキャリアの方が長い。プロサッカー選手になることが目的を果たすための手段なのか、それとも目的なのか。その捉え方や考え方の違いによって、その先のキャリアも人生も変わってくる。サッカー選手になれたとしても、なれなかったとしても、自分がどうありたいのか、その目的を明確にすることが大事だということ。

プロサッカー選手になることを目的と捉えていた自分。目的と手段の捉え方を間違えていた。だから、自分がどうありたいのかということを見つけ出すことができなかった。

自分はどうありたいのか、自分の人生における目的は何なのか。
自分の過去を振り返り、その過去から探していく。

すると、ある結論に至った。

それは、

「誰かの幸せを生み出し、そしてその幸せのために行動し続けられる人になること」

なぜ、そのような結論に至ったのか。

それは、過去の自分の行動には、常に尊敬する両親の存在があり、両親のような大人に自分もなりたいと心の底から思ったから。

自分は5人兄弟+愛犬の3番目。兄弟を聞かれるときにはいつも驚かれる。
そんな大家族の中で育った。
両親は5人の子供を養っていくことでさえ、大変なはずなのに、子供の夢、やりたいことを尊重して、いつも全力で応援してくれる。

自分が小6の時、セレクションを受けるために、秋田から東京まで往復1200キロの道を車で毎週、送迎してくれた。

中学生になる時、自分がレイソルに入るためだけに、家族で秋田から千葉に引っ越すという決断をしてくれた。

レイソルのレベルの高さに付いていけず、挫折をした時、厳しい言葉を、優しい言葉を、投げかけてくれた。

上京し、両親が共働きを始めた時、家庭の経済的に両親が共働きをしなければいけない状況にあることを知り、そこまでして、自分の夢のために必死に動いてくれた。


両親にはここでは言い表せないほどの多くのものを与えてもらった。自分にとって、大好きなサッカーをしていることは1番の幸せ。その自分の幸せのために、両親は行動し続けてくれて、自分を支えてくれた。

大学に入り、親元を離れたことで、また様々な知見を得たことで、より一層、両親の凄さ、偉大さを知り、両親の姿が自分の将来像そのものになっていた。

そして、
「誰かの幸せを生み出し、そしてその幸せのために行動し続けられる人でなること」

という自分の価値観に確信を持てるようになったのは、ア式蹴球部での社会貢献活動の経験だった。

保育園の子供や、障害を持つ子供と遊んだ時、

小学生とサッカー教室で一緒にボールを追いかけた時、

気仙沼の復興支援ボランティアに参加し、現地の人と交流した時、

そこで生まれる空間が自分は大好きだった。
多くの人に出会い、多くの人の笑顔に触れることによって、自然と自分も笑顔になっていた。

誰かのためにやってあげるとかそういった見返りを求めたものではなくて、自分がやりたいと心の底から思ってやったことが、誰かの笑顔になったり、喜びになったりすること、そして、その幸せの支えとなることに自分は幸せとやりがいを感じる。


「誰かの幸せを生み出し、そしてその幸せのために行動し続けられる人でなること」

どんな状況になっても、どんなキャリアを歩もうとも、両親から得たこの知見、価値観を大切に生きていきたい。

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大場琳平(おおばりんぺい)
学年:2年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:柏レイソルU-18


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