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【#Real Voice】 「自分らしく」 2年・植村洋斗

2年目のシーズンも早ければ11月13日の関東リーグ最終節、長くて12月25日のインカレをもって終了する。大学4年間の半分が終わってしまう。あっという間だった。
 
早稲田大学ア式蹴球部に入ってから今までの2年間を振り返ると、非常に充実した時間だった。悔しさや嬉しさ、時には怒り、理不尽なことなど多くのことがあったが、今振り返るとそれがあったから今の自分があると思う。
 
 
1年目
 
正直きつかった。自分は新しい環境に慣れるのに時間がかかる。それは自分の性格の面でもあると思うが、自分は人見知りであまりコミュニケーションをとるのが得意ではない。先輩とコミュニケーションをとるとなればなおさらで、ビビってしまう自分がいた。ア式蹴球部は入部条件にランテスト合格、仮入部期間を得て正式に入部が決まる。仮入部期間では日々の自分自身の行動、立ち振る舞いなどを先輩たちが判断しア式蹴球部にふさわしい人間だけが入部することができる。同期にはコミュニケーション能力に優れ、そういった部分で入部を認められている人もいた。うらやましかった。
では入部するために自分にできることは何か。考え悩み、まあ何とか入部することができたが苦しかったなと思う。入部した後も練習70分前に集合し練習の準備、試合前日には寮で試合の準備があり中々サッカーに集中できない日々が続いた。


「サッカー楽しくないな。」

そう思う日々が続いた。1年目は正直楽しくなかった。練習では周りに遠慮してしまい自分のプレーが全然出せない。練習前後ではチームの仕事があってなかなか自分の時間が作れない。
そういった1年間を過ごしていたと思う。それでも関東リーグのメンバーに選んでもらったり、Aチームの高いレベルで1年間プレーさせてもらい多くの経験ができた。
 
 
2年目
 
悔しさ、嬉しさ、怒りや理不尽なこと、多くのことがあった。
今年は多くの経験をした。選抜、代表などのレベルの高いア式とはまた違う環境でプレーし多くのことを吸収することができた。でもその反面、チームでは試合に絡めなくなった。今年の6月、初めてU-20日本代表候補合宿に選ばれた。その活動を通して改めて自分の実力は通用すると自信がついた。
しかし、代表候補合宿終了後のリーグ戦ですぐにメンバー外になった。
 
意味が分からなかった。
腹が立った。
 
今シーズンはメンバー外の試合が何試合かあり、こういった感情が多くあった。でもすぐに自分の中で切り替え、メンバーに入るために考えて自然と行動していた自分は成長したなと今振り返ると思う。
今までの自分は嫌なことがあった時すぐに周りにベクトルを向け自分から遠ざけていた。小さいときからそうだった。嫌なことがあったらすぐ人のせいにして自分が悪いのに頑なに認めようとしなかった。でも、ア式に入ってそういった部分の変化があった。改めて、ア式蹴球部の環境はサッカー面だけでなく1人の人間としても成長することができる素晴らしい環境だと思う。
 
 
自分らしく
 
 
これは自分の座右の銘である。どんなにつらいこと、苦しいこと、理不尽なことがあっても自分らしく生きていく。メンバーに入れなくても自分らしくプレーしていく。そう思ってずっとプレーをしてきたが、今年に入り自分の中で「今のまま自分らしくプレーしていたらやばい。」そう思った。
 
自分らしさとは何か。
 
初めは周りに何と言われようと自分のスタイル、取り組みをぶらさずにやっていくこと。そう思っていたが違う気がした。
 
 
だから自分はスタイルを変えた。
 
言葉が矛盾してしまうが、決してスタイルを変えたわけではない。自分はあくまでも攻撃の選手であり攻撃で違いを作る。そこに変わりない。
自分のスタイルは攻撃で違いを作る、攻撃のプレーヤーだ。それが自分らしさでもあった。でもそれだけでは上にはいけない気がした。
 
変化
 
結論から話すと、守備にフォーカスを当てた。前からずっと守備の強度は言われてきた。でも自分は攻撃の選手だからとあまり気にしてこなかった。それじゃ通用しないと感じ、守備にフォーカスを当てて練習から取り組むことにした。
最初は難しかった。
 
少しずつ守備は良くなっていった。
 
でも守備を頑張る反面、攻撃で自分の良さが出せなくなった。4年で新人監督の浦田幹君から「DMF(ディフェンスミッドフィルダー)じゃん。」と何度か言われた。
そう言われるということは、守備は間違いなく成長しているということ。
 
でもこの場を借りて言う。
 
自分はDMFではない。攻撃の選手であるということ。
もしかしたら今、攻撃より守備の方が目立っているかもしれない。でも自分はあくまで攻撃の選手。そこに変わりはない。
 
「やっぱり攻撃の選手だな。」そう思わせますよ幹君。
 
そう思わせるために攻撃ももっと頑張らなくてはならない。また自分を成長させてくれる気がする。
攻撃もできて守備もできる選手はなかなかいないと思う。でもそういった選手の特徴は、自分の圧倒的な武器がないということ。でも自分はそれでもいいと思う。小さい頃から「自分の武器は何か。」と聞かれることが多くあった。正直、自分の武器は何かわからなかった。高校の頃プロの練習参加をした際にも自分の突出したものがなく、なかなか内定が出なかった。ア式に入ったのも自分の武器を見つけるため。プロサッカー選手になるためにここに来た。でもやっぱり武器を見つけるより何でもできる選手に魅力を感じる。それもまた自分らしさなのかなと思う。
これから先、武器がなくて悩むことがあるかもしれない。躓くことも多くあると思う。でもその時はまた自分らしく少しずつ成長していけたらいいなと思う。
何より今年はサッカーが楽しい。色々なことがあったが、今こうして楽しむことができている。チームは今苦しい状況にある。そういった状況も楽しんで後悔のない毎日を送っていきたい。
 
 
そして来シーズン。
今年は多くの期待を裏切ってしまったと思う。
4年生の林君からはシーズン前から期待してくれていたらしい。(全く知らなかった)

期待に応えるために成長していく。
そして来年、多くの期待に応える。必ず。
 
 
 
 
自分らしく。

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植村洋斗(うえむらひろと)
学年:2年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:日本大学藤沢高校


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