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「夢」 3年・秋元浩希

「将来の夢はプロサッカー選手になってレアル・マドリードで7番をつけて活躍することです!」
ラウール・ゴンザレスに憧れていた当時小学生の自分はみんなにそう言っていた。

自分がこれまでの人生で明確に抱いた夢はひとつ、
「プロサッカー選手になる」
ということだけだった。

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そして現在、大学3年生、21歳。
1番身近な存在だった先輩たちはもうすぐ社会人に。
周りを見ると、就活に本腰を入れ始め、忙しそうにしている同期たち。
自分もそれにつられて何となく就活…
大学生から社会人へ。
そんな人生の大きな転換期を前にして、自分は自分の中に大きな違和感を抱く。

俺って何でサッカーしてるんだっけ?
何でア式に来たんだっけ?
将来はどうなりたいんだ?

最近そう考えることがとても多くなった。


中学

時は遡る、今の自分がある理由。
2014年10月13日
〜早稲田大学に進む決意〜

中学3年生の秋、それまで通っていた私立の中学校を辞め、地元の公立中学校へ転校した。
卒業の半年前に転校? 問題行為? と思った方はご安心ください。自らの意思なので。

元々通っていた私立の中学校は、Jリーグの下部組織へギリギリ入れなかった自分に声をかけてくれた。どこかしらには合格できるだろうと思っていたこともあり、他の選択肢は用意していなかった。消去法で進んだ道だったけれど、元プロサッカー選手の指導者もいて、人工芝のグラウンドで練習することができ、サッカー選手としても人としても多くのことを学んだ。とても感謝している。また、ありがたいことにキャプテンを務めさせてもらい、目標の日本一にこそ届かなかったものの、中体連で全国ベスト8も経験した。
中高一貫ということもあり、そのまま高校でも全国を目指すことが既定路線になるはずだった。が、幼いころから抱いていたプロになるという姿に全くイメージを持てなかった。中学生ながらも、高卒より、大学で経験を積んだ方がプロに近づけるのではないか、そう思った自分は親に相談し、中学の実績を使って早実を受けるという選択肢を見つけた。早実は早稲田大学の系属校で、ほぼ全員が大学へ内部進学することができる。早稲田大学に進んでサッカー部に入りたい、成長してプロになりたい。そしてスポーツ推薦という形で無事に早実へ入学することができた。


高校

いざ高校に入ると怪我が多く、なかなか安定してプレーすることができなかった。1年の頃から試合に出て活躍することを目指していたが、試合に絡むことができるようになったのは2年生になってから。ただ怪我がちで稼働できたのは実質半分くらいだった。それでも高校3年次には再びキャプテンを任せてもらい、チームを背負って戦うことや自分の力で勝利を掴み取る難しさを感じた。全国大会へ出場することは叶わなかったが、スポーツ推薦で入ったからこそ経験できたことはとても大きかった。早実だからこそ、東伏見にある大学のグラウンドを使わせてもらったり、大学生と練習試合をしたり。間近に感じるア式蹴球部への憧れや期待感も大きくなっていった。「あぁ、大学に入ったらこの組織でサッカーがしたいな」と。


大学

そして現在に至る。
実際に内部に入ってみると、ア式はピッチ内だけでなく、ピッチ外にも力を入れていて、選手・スタッフ関係なく、輝く場所はどこにでもあった、というか自分次第で作り出せる。卒業していく先輩たちは多くの人がプロに進むことはないが、大学での経験を基に幸せそうな、輝いた生活を送っているように映る。自分自身、今まではサッカーのことしか見ていなかったけれど、それ以外の道でも間違っていない、むしろ正解かも、ということを感じた。この部分は大学に来て1番考え方が変わった。
それでもなお、自分は本気でサッカーを続けたい。この思いは変わらず、むしろ強くなっていった。
ただ現実は、ア式に入って3年が経っても、未だトップチームでの出場どころか、Aチームにすら定着できていない。

なぜなのか。


振り返ると、自分は先のことを考えて後悔がないように決断して進んできた。
でも違う、そうじゃない。
自分には覚悟というものが圧倒的に足りなかった。自分の決断へ、ではなく、行動に対する覚悟が。
高校時代、大学に目線を置いていて、自分の取り組みに向き合えていたのか。
大学に入って、チームメイトの実績や実力に圧倒されて自分自身に目を背けていなかったか。

後悔を生まないための決断ではなく、
後悔を生まないための行動を。

ここまでずっとサッカーをやってきて、感じてきたことはたくさんある。
サッカーの楽しさ、勝つことの悦びだけでなく、プロになるという夢を持ちながらも多くの人がそうなるわけじゃないということも。それは、自分の実力に限界を感じたのか、他の道を見つけたのか、理由は人それぞれだ。
でも自分は、周りの反応や視線におびえて、自分の正直な思いを、夢を、口に出すのを恐れていた。自分よりも上手い選手がサッカーを辞めていったり、大学卒業後に就職の道を選んだりする人を見て、自分がプロになりたいなんて言っていいのか。今回のブログを書くにあたってこのことを書くか悩んだ。すごく悩んだ。この判断が正しいのかはわからない。でもあえて言葉にする。

そして、こんな自分でもこれだけは誰にも負けない自信がある。
それは、サッカーを好きだという気持ち。
去年書いたブログにも書いたが、自分はサッカーが好きで、何よりもサッカーをプレーすることが大好きなんだ。
だからもっと自分の気持ちに正直に行動しよう。


お父さん、お母さん、もう少しだけ夢を追いかけさせてください。

俺はプロサッカー選手になる。

2021シーズン、自分自身の行動で、ここまで歩んできた道を正解にする。

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秋元浩希(あきもとひろき)
学年:3年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:早稲田実業学校高等部


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