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【#Real Voice】 「新たな価値を創造する」 1年・矢萩啓暉

12/25 日本クラブユースサッカー選手権ラウンド32 vs横浜F・マリノスユース
1-1、PK戦の末、私の所属していたモンテディオ山形ユースは、敗れ、大会を去った。その時はまだ、それが、私のサッカー人生の最後の試合になるとは、一切考えてもいなかった。

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3歳からサッカーをはじめ、プロサッカー選手になるという夢に向かって、ただがむしゃらに走り続けた15年間。今振り返れば、すごく充実していた。

幼いころから強い憧れを抱いていた早稲田大学。

「必ず早稲田に入学し、そこでプロを目指す。」 

という思いを胸に高校時代、勉学に励んでいた。高校入試で志望校を下げた悔しさを忘れず、常にどうしたら早稲田に入学できるのか考え続けた。美しくきれいな見せかけの過程なんていらない。結果だけを求め、努力した。その甲斐あって、12月半ばには、早稲田大学合格を勝ち取ることができた。

最高だった。嬉しかった。今までにないくらい幸せだった。そんな気がした。

あとは、ア式蹴球部に入部するという目標に、そして、自分の夢に向かって、努力し走り続けるだけのはず…であった。


しかし、転機が訪れる。それは、受験勉強、ユースの活動が一段落ついたときであった。
自由に過ごせる時間が増え、必然的に自分自身と対話する時間が生まれた。この時間を通して、今まで、どれだけ自分と向き合っていなかったのか、自分から逃げていたのかに気づかされたのであった。
今まで、サッカーをプレーするのが嫌だ、やめたいとどれだけ考えたか。今だから言えるが、練習にいくのが嫌で、仮病を理由にして、練習を休んだことも度々あった(一桁では収まらないような気がするし、酷いときはライブにまで行こうとした)。チームでの立ち位置・役割によって発生する責任やプレッシャー、周りからの期待に押しつぶされることもあった。
 
そんな自分が…そんな私が…

本当にプロサッカー選手になりたいのか? 本当にサッカーを楽しんでいるのか?サッカーをする目的と本質って?これって本当に自分の考え?思い?

ちょっと勉強ができて、プロを目指している自分がかっこいいと思って、サッカーをやっているだけじゃないのか?結局自分に酔っているだけじゃないのか?
 
 
自分の本当にやりたいことっていったい何だろうか?
 
 
自分がサッカーをして作り出し、与えられる価値ってあるのか? いや、ないだろう。


色々なことを考えた。色々なことが頭をよぎっていった。


最終的には、自分の価値を見出せなくなってしまった。そこまで深く考える必要はなかったのかもしれない。価値が全てではないことはわかっている。けど。なんでだろう。わからなくなった。サッカーが好きなのかどうかさえも。自分に嘘をついて、いい顔して、都合のいいように生きていたのかもしれない。どうすればいいのかわからない。苦しかった。そんな苦しい期間が続いた。


「でもこのままずっと止まっていたら、結局変わらないし、変えることはできない。このままじゃ満足できない。」


そう考え、自分自身を変え、成長するために、私は、選手でなく、学生コーチとしてア式蹴球部に入部することを決した。サッカーに対してまた違ったアプローチができる、選手以外の立場に立つことで、今までとは違った角度や観点から物事を考察することができ、新たな学びや刺激を得られ、さらに、将来の可能性や自分の視野を広げられると思った。そして、学生の主体性を大いに尊重する組織であるからこそ、今まで逃げてきた自分と向き合うことができる。そんな素晴らしい環境であると思ったのであった。


ア式蹴球部の活動に参加して約半年。非常に楽しく、充実した生活を送れている。今まで経験できなかったような活動の連続。そこから得られる学びも多い。また、サッカーを軸に、社会との接点を生み出し、これまではほぼ無縁であった社会について知ることもできる。そして、先輩方やスタッフの皆様より、薫陶を受け、自分の考えや思いを言葉にして、周囲に伝え、それを行動に落とし込み、表現していく重要性を感じた。

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そうした日々の中で忘れてはならないこと。それは目を背けることなく、対話し、見つめ直すということ。逃げ出せばまた必ず、わからなくなってしまう。向き合うことを怖がってはいけない。そこから逃げ出してはいけない。

そう思えるようになったのは1つの成長なのかもしれない。


そして最後に、


価値を創造するとは今までなかった価値を創り出すということ。すなわち、自分自身に当てはめて考えれば、
それは、“自分だけの自分にしかできない価値を創る”ということであろう。

でも自分だけの自分にしかできない価値ってなんだろう?

正直言って、それは、まだ、ぼんやりとしている。見つけ出せていない。わからない。

でも今すぐに見つけ出す必要なんかない。だって、今までにはない新たな価値なんだから。ゆっくりでいい。この4年間で必ず見つけ出す。周囲の人を感化し、導いていく、そう思っている。


この大学での4年間、ア式蹴球部での4年間で、

自分と自分の弱さに向き合い続け、“自分だけの自分にしかできない価値”を見出していく

そして  “創造”  する

学生コーチとして、ア式蹴球部の一員として、そして社会の一員として。


最後までお読みいただきありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。



矢萩啓暉(やはぎけいき)
学年:1年
学部:教育学部
出身チーム:モンテディオ山形ユース

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