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【#Real Voice】 「ある日を境に」 2年・戸部広大

今回ブログを担当します、ア式蹴球部2年戸部広大です。
今シーズンに入り、自分を大きく成長させてくれた出来事について書きたいと思います。
 
2021シーズンが始動し2年生になり、自分では変えているつもりはなかったが、どこかで先輩になり自分をうまく見せようとカッコつけていた自分がいた気がした。
ア式のトップチームで活躍するボランチの選手たちは技術に加え、判断力、攻撃センス、守備センス、メンタルなど、自分から見たら天才な選手たちばかりだ。その選手たちを参考にしながらプレーをしていた今シーズンの初めは、上手くもない選手がゲームをコントロールしようとしているだけだった(実際はできていません)。
そんな感じで日々練習、試合に取り組んでいたが4月17日に行われた練習試合をきっかけに「ゲームをコントロールしている風」プレイヤーを卒業した。試合開始から30分くらいミスを連発しパニック状態になっていた自分を見てコーチがサイドバックにコンバートした。長いサッカー人生の中でサイドバックの経験はなかった。何をしたらいいか全くわからない自分はただ懸命に走った。今思えばもっと考えてプレーできたかもしれないが、パニック状態だった自分にその時できたのは走ることだけだった。
 
しかし、このプレーが初心を思い出すきっかけとなった。
 
我武者羅に走ったり、ボールを奪っていた時期の方が何倍もいいプレーができていたし、チームに貢献できている気がした。決して見ている人には綺麗に見えなかったかもしれない。でも、自分がサッカーをしていく中で手放してはいけないものだったと再認識させてくれた。

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自分はミスやファールを繰り返せば、ネガティブになりどんどん悪い方向に進んでしまう。戦術を完璧に理解し、試合で体現することもできない。色んな要求に対応しきることができない。
 
そう、自分はとても「不器用」なのだ。
 
サッカー以外でも同様のことが言える。
同時進行で物事を進めることが苦手。伝えたいことをうまく伝えられない。質のいい勉強の仕方ができない。
今まで自分の不器用さに何度も苦しめられてきた。
 
不器用な人間が周りの影響を受けて変わろうとしてもそんな簡単に変わることはできないし、いきなりサッカーが上手くなるわけでもない。
今シーズンの初めに「完璧になろう」という心意気のもと変化しようとしていたことは自分らしくなかった。自分の性格が4月17日の試合で顕著に現れたし、この先サッカーをしていく上で大きな気づきだったと思う。
 
自分の性格を根から更生することはできない。性格は生まれた環境によって形成されていくもので、約20年かけて作られた性格は容易に変えることはできない。ならば、不器用だからこそできることを考えてやるしかない。
質にこだわり結果を求め続けても、自分の場合ゴールは見えない。しっかりとした過程があって結果がついてくる。何かを得るために歩まなければいけないなら、過程を無視してはいけない。地道に進んでいくしかない。自分の強みを失わないためにも。
 
その後、ア式蹴球部に入部してから初めての公式戦に出場し、徐々に試合に絡めるようになった。たった何回もある練習試合の1試合だったかもしれないが、サッカーに対する考え方、自分の性格を再認識できた1試合だった。あの時のコーチのコンバートや、その選択に対して寛容に受け入れてくれたチームメイトには感謝しかない。
 
7月の終わりに左関節外果骨折、左脛腓間離開、左足関節三角靭帯損傷という大怪我をし、現在はリハビリをしています。不器用なりに地道に努力を続け、強くなって東伏見のピッチに戻ってきます。
 
不器用は恥ずかしいことじゃない!

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戸部広大(とべこうだい)
学年:2年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:早稲田大学本庄高等学院


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