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「GK」 2年・宍戸凛

こんにちは!2年の宍戸凜です。
 
部員ブログを書くのは2回目ですが、今回は私がサッカーをやっていて、一番聞かれることについて書いてみようと思います。多分GK(キーパー)にしか共感されないと思いますが…😅
 
 
なぜ「GK」をやっているの? 
 

 
 
GKというポジションは不思議だ。
サッカーはより多くの点を取ったチームが勝つ。裏を返せば、点を取られなければ負けることはない。つまり、GKは負けないためにチームにとって重要で不可欠な存在なのだ。
それなのにGKをやりたがる人はあまりいない。
それもそのはず。相手の強烈なシュートに自分から飛び込んでいくのだ。いろんな人に「痛くないの?」「怖くないの?」と言われる。その気持ちはとても分かる。しかも、テレビ中継ではほとんど映ることはない。ましてや、普段どんなにシュートを止めていても、1つのミスでチームは負ける。時には戦犯扱い。正直、得するポジションではないと思う。それに、私は身長が高いわけでもないので、この質問をしたくなるのだろう。
 
それでも私には、GKにこだわる理由がある
 
私は、サッカー好きの祖母の影響を受け、ボールを蹴り始めた。ドリブルをしてシュートを打つ。そしてゴールを決める。それがなによりも楽しかった。気がつけばサッカーの虜になっていた。当時の私は、ゴールを決めてヒーローになることに憧れていた。GKなんて目立たないし、正直一番やりたくないポジションだった。そんなある日、GKをやることになった。もともとGKをやっていた友達が体調を崩し、代わりにドッジボールが強いからという訳の分からない理由でやらされた。とても嫌だったが、頼まれたら断れない性格の私は仕方がなく引き受けることにした。これが私の運命の分かれ道だった。たまたまその試合で活躍したことにより、その日からずっとGKをやることになってしまったのだ。はじめはとてもつまらなかった。シュートがこない時は、ほとんどボールに触れないし、動くこともない。常に動き回っていたい私にとっては地獄のようだった。でも、試合に負けるのはもっと嫌だった。だから一応全力でゴールを守った。すると、嫌々やっていたはずだったのにもかかわらず、次第に自分の感情が変化していった。
 
難しいシュートや決定的な場面をとめた時は、ゴールを決めた時のように嬉しかった。シュートを止めるとチームメイトが駆けつけてきて声をかけてくれるのが嬉しかった。意外だった。思っていたよりGKも悪くないなと思った。
 
しかし、ある日事件は起こった。私のミスで試合に負け、大会が終わってしまったのだ。罪悪感でいっぱいだった。サッカーをしていて初めて大泣きした。やっぱりGKなんてやらなければよかった。そう思った。けれども、チームメイトは誰も私のことを責めなかった。もちろん心の中では責めていたはずだ。それにもかかわらず、負けたのは自分たちが点を取れなかったからだと言ったのだ。それがとても刺さった。みんなの頑張りを無駄にしてしまったからだ。その日から、借りを返すために死に物狂いで練習した。
 
苦しい時間が続いたが、ようやく次の大会でチームを救うことができた。試合後にはチームメイトが、「ナイスキーパー」と言ってくれた。それがとても嬉しかった。いつもの何倍も嬉しかった。
 
ここではじめてGKの醍醐味を知ったのだ。きっとGKというポジションは苦しんだ分だけ見返りが返ってくるのだと思う。それは何倍も大きくなって。普段は陰でチームを支える立場だが、その分ヒーローになると、とてつもなく讃えられる。
 
戦犯かヒーローか。
 
スリルは満点だ。でも、その分悔しさも嬉しさもGKにしか味わえないものがある。だからGKはやりがいのあるポジションだし、誰にでもできるポジションではないと思う。
 
これが、私がGKにこだわる理由だ。
 
だから私はGKであり続ける。
 
いつかヒーローになれるように。



宍戸凛(ししどりん)
学年:2年
学部:商学部
前所属チーム:桐光学園高校


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