【特別企画】 ア式✖️応援部 3年生対談〜コロナと共に歩んだ私たちの3年間〜 <後編>
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応援する側と応援される側。そんな応援部とア式蹴球部との接点は例年早慶戦に留まってしまっているという現状がある。
コロナ禍で応援の形に制限がかかるこのご時世だからこそ、交流を深め、互いの組織について知り、もっと「サッカー」というスポーツの中に「応援」を取り込んでいきたい。そんな思いからこの対談が実現した。
活動に制限がかかる日々の中で、彼らは今何を思うのか。今回はまさにコロナ禍に入学した3年生にお話を伺った。
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◯コロナ前の早慶戦
ーーこれから後半に入ります。この2年間の早慶戦の振り返りをしていきたいと思います。まず初めに、コロナ前の等々力競技場での早慶戦を実際に見たことがある人はいますか?
植村:はい。
ーーどうでしたか?
植村:ゴリ君(加藤拓己・令和4年卒)が決めた早慶戦(2019年)を観に行ったんだけど、すごい観客も入っていて、応援もすごかったです。その時丁度(早稲田に)行くか悩んでいた時期で。初めて早稲田の試合を見て、内容はその時慶應に押されてはいたんですけど、こんな雰囲気で自分も出たいなと思ったのが最初の印象だった。
ーーちなみに動画とかでは見たことあるよって方はいますか?
一同:見ました。
ーー藤間さんはどうでしたか?
藤間:信じられなかったですね。
一同:(笑)
ーー何がですか?(笑)
藤間:凄かった。Jリーグよりも何か違った意味の熱があって、あの試合終わった後の晃士君(山田晃士・令和3年卒)のやつ(動画: 5:22〜)とか。凄かったなあ...。丁度コロナの時に(動画を)見たから、こんなの出来たら良いなとか思っていた。
ーー応援部の方々どうですか?早慶戦の印象というか。
永井:規模が学生スポーツのレベルじゃなくて。それこそJリーグでもこんなに盛り上がること無いんじゃないかっていうぐらい観客もいっぱい入っていた。応援を見ていてもULTRASの方と応援部が一体となって盛り上げていて。最初見た時は本当に衝撃を受けた。
武田:画面越しでも伝わるくらい会場にぎっしり人がいて。みんな立ち上がって動いている様子が見えて、選手の方々もその熱気の中で試合されているのがすごい楽しそうだなって思って見てました。
平賀:観客同士の一体感が特に強いと思ってます。紺碧の空を歌って、みんなで肩組んで左右に揺れたりとか。観客の方と応援部、選手が一体となり、(応援が)届いているっていうのが目に見えて分かる感じがして羨ましいな、行ってみたいなっていう気持ちで見てました。
◯初めての早慶戦
ーーまずは12月の極寒の中雨天で行われた1年目の早慶戦について、永井さんお願いします。
永井:おっしゃる通り、本当に寒くて…(笑)。ピッチに降りて応援をするっていう経験が早慶サッカーが初めてだったので、普段の観客席からの応援とは違って、楽しいっていうのが1番印象に残っています。
ーー試合結果は1-1でしたけど、そこに関してはどう思いましたか。
永井:自分としてはやっぱり1番に勝ちたかったっていう気持ちが強かったですね。応援のやり方としても、もっと選手の力をもっと引き出せるような応援が出来たんじゃないかみたいなことは課題として残りましたね。
ーーありがとうございます。平賀さんはどうですか?
平賀:すごい寒かったなって…(笑)。雨の影響で楽器の音があまり響かなかったな。そういう状況の中でがむしゃらにやってた記憶があります。音を響かせるためにマイクを通していたので、とても緊張しました。
ーー試合結果に関してはいかがですか?
平賀:試合の展開に即して色々応援を考えて臨機応変にやるみたいなのが初めてだったので、あまり上手くできなかったなと感じました。選手との距離が近いからこそ、悔しさを感じ取れましたね。
ーーありがとうございます。ではア式の方に移ります。藤間さんは1年目の早慶戦はどうでしたか。
藤間:コロナで入場制限がかかっている中で、吹奏楽の人とかが演奏してくれたのを聞いたときはすごいなって単純に感動しました。
当日はサークル付きをやって、終わった後ずっとフリーだったから結構自由人みたいな感じでスタジアムの中ぐるぐる回ってたけど、色々な人との出会いもあって楽しいなって感じたのは覚えてます。
ーーありがとうございます。ちなみに、藤間さんはハーフタイムライブの動画を見たことはありますか?
藤間:ファンキー加藤さんですよね。なんかパッとしないというか、やっぱり生で見ないとイメージつかないよね。ライブとか見ている感覚と一緒で生で見ないと、物足りないかなという感じですね。
ーー藤間さんは生で誰が見たいですか?
藤間:ゆず見たい!
一同:(笑)
藤間:ゆず大好きだから。
ーー届くといいですね、この思い。(藤間さんが)3.4年生の時には呼びたいですね。
藤間:届ける絶対。
一同:(笑)
◯悔しさが残る2年目
ーー続いて2年目の早慶戦の振り返りに移ります。武田さんはいかがでしたか?
武田:正直試合結果から言うと、今まで何連勝もしてきた中で負けてしまったのが、自分がプレーしている訳ではないのであまり言える立場ではないですが、自分の応援ももっとできることがあったのではないかと思って、少しショックな感じでした。
ーー悔しいですよね。
武田:悔しかったですね。YouTube上で今までの試合とかも楽しく見せていただいていたので、選手の方々が1番悔しいとは思うんですけど、その分、応援部側としても悔しかったです。
ーーほとんど声も出せず、色々な制限があったと思いますが、動画で見ていた早慶戦と何が1番違いましたか?
武田:観客の人数が少なかったり、今までは観客と一体になり、フィールド上で応援できていたのが、去年はゴール裏での応援で距離が遠くなってしまって。
応援部は観客と選手と、応援部との3者が一体となった応援を目指してきたので、距離のある応援だと実現できることが少なかったです。
ーー想定していたものとかなりギャップがあったんですね。
武田:動画で見てきたものとはやはり違うなって思いましたし、2年生だったこともありできることも少なくて。どうしたらいいのだろうと悩みました。
ーー吹奏楽に関しては、録音で応援を流すという形だったと思いますが、それについてはどんな印象がありますか。
平賀:声も出せないし、ただハリセンを叩いてるだけだったので、私たちの存在意義とは?みたいな感じでした。
あとは機械の操作による微妙な無音の瞬間が応援のペースを乱してるというのと、音が流れないトラブルもあったので難しかったです。意思疎通などが課題かなと感じました。
ーーありがとうございます。では次に植村さんにお伺いします。結果としては負けてしまいましたが、個人としては調子が良かったとおっしゃっていました。
全体を通して2年目はどう感じましたか?
植村:個人としては結果は残したけどチームとして勝たないと意味がないと思いました。去年は出場できない4年生がいる中で、自分は出てたにも関わらず、勝利に貢献できず、悔しかったです。
たくさんの方々が応援に来てくれている中で負けたっていうのがすごい悔しかったです。今までで1番悔しかった試合に入るかなと思います。
◯3年目への決意
ーー3年目である今年の早慶戦はどんな早慶戦にしたいかお伺いしたいと思います。藤間さんは運営の中心に携わると思いますが、どうですか?
藤間:自分の全力を尽くしたいです。去年とかは結構色々なこと中途半端で終わらせちゃったんで。今年は悔い残らず自分の100%を出し切りたいなと思ってます。
ーー結果はもちろん?
藤間:勝ちます。
ーーありがとうございます。では次に、永井さんは3年目の早慶戦はどのようなものにしたいですか?
永井:今までで1番いい早慶戦にしたいっていうのがあります。勝つこともそうだし、質の良い応援をするっていうのも勿論なんですけど。
多くの学生だったり観客の人、それこそメディアに取り上げてもらうような規模感までしたいという思いはあります。
ーーありがとうございます。最後に、残り2年で成し遂げたいことを教えてください。永井さんからお願いします。
永井:コロナを経験してきたからこそ、1年目、2年目よりはるかに良い応援ができると思ってるし、コロナ禍での応援というのをひとつ完成させたいなと思います。
ーーありがとうございます。次は武田さんどうですか?
武田:はい…言われちゃったんですよね(笑)。
一同:(笑)
武田:3年生になって主体的に考えていかないといけない立場にあるし、自分がコロナ世代であることを悲観していたんですど、コロナ世代だからこそできる応援もあるんじゃないかと思っているので、それを後輩に引き継いでいけたらなと思います。
ーーありがとうございます。次に、平賀さんお願いします。
平賀:まずは、コロナ禍での吹奏楽団としての存在意義を見つける。生演奏できない中で、出来ることって何だろうっていうのを試行錯誤しています。それをひとつの形式として完成させたいなというのが目標です。
ーーすごく難しいですが大切なことですよね。
平賀:あとは、実際に演奏できるようになったときに、「やっぱり早稲田大学の応援団の吹奏楽が1番だな」と言ってもらえるように、演奏の質を常に高め続けたいと思います。
3年になると運営側に回るので難しさも感じますが、それを上手く取り込んでより良い団体にしていきたいと思います。
ーーありがとうございます。次に、藤間さんお願いします。
藤間:自分なりのマネージャー像を確立させたいです。マネージャー業務っていっぱいあるんですけど、自分にしかできないことを極めて、新しく入ってくる後輩にも「こういうマネージャー像もあるんだよ」というのを示せたらいいなと思います。
そして最後は選手と一緒に日本一を取ります。
ーーありがとうございます。では最後、植村さん締めてください。
植村:チームとしては、日本一を目指しています。応援団の方に「応援してよかった」と思っていただけるためにも、必ず今年の早慶戦は勝ちます。
そして個人としては、チームを引っ張っていける存在になりたいと思います。
ーー対談は以上になります。ありがとうございました。
一同:ありがとうございました。
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個人的に、今回の対談の中で「コロナ禍だからこそ」というような言葉が特に印象に残りました。コロナを言い訳にして下を向いているのではなく、「コロナ世代だからこそできることは何か」ということを考え、前を向いて歩き始めている彼らの姿にとても勇気づけられました。
今シーズンもア式蹴球部は常に挑み続けることを恐れず、多くの人々に活力を届けられるよう精一杯活動してまいります。
そして応援部もア式蹴球部も非常に熱い思いを持って取り組んでいる早慶戦。今年は観客の方々、ピッチ内の選手たち、応援部による応援が一体となる熱い早慶戦が行えるよう、全力で準備を進めていきたいと思います。
去年のリベンジを果たすべく、今年は慶應大学に必ず勝ちましょう。
そして会場でたくさんの観客の方々と共に勝利を喜び合える日が来ることを願っています。皆さんぜひ会場にお越しください。
今シーズンも応援部とア式蹴球部の応援をよろしくお願いします。
(インタビュアー:佐藤慧一、編集:平山怜央・渡邊朋恵)
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