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「人はみな、仮面をかぶって生きている」 3年・公文翔

自分はこう思っている。
「人はみな、仮面をかぶって生きている」

自分は、物心ついた時から誰一人として同じように接してきたことはなかったように思う。常に、相手に好かれたい、嫌われたくないと思い、その相手に、その場面に相応しい行動を取ることを考えてきた。

そんな自分はこの部員ブログを、「今まで自分と関わりを持ってくださった方に自分の素直な考えや想いを伝える場」にしたいと思う。
そう、初めて仮面を外してみたいと思う。
いや、外す努力をしたいと思う。

もちろん、初めて自分のことを知ってくださった方にも読んでほしいですが…


ここから先の文章は、なるべく自分の本心に近いものを、自分の中から出てくる言葉を、そのまま書きたいと思う。読み返すと絶対編集して本心から遠ざけてしまうので、少し汚い言葉が混じってしまうかもしれないし、文のまとまりもないかもしれませんが許してください。誤字くらいは部員ブログの主であるやし君(3年マネージャー・林隆生)が直してくれるだろう(笑)



それでは


2020年を一文字で表すと「苦」だ。時系列順に説明していこうと思う。

新シーズンが始まり、Aチームで好調なスタートをきれたと思ったら、すぐにコロナによってサッカーを奪われた。コロナ期間中は、就活の一環としてMatcherという就活版出会い系サイトみたいなアプリで色々な方と話したり、現在も所属している「ユニサカ」という学生団体の活動に参加し始めたりと、新しいことを初めてかなり充実した毎日だった。

ただ、部活が再開してからの毎日は負のループから抜け出せないように、すべてのことが悪い方向に転んでいった。もちろん今俯瞰してみると、そう思っていただけだったかもしれない。自分のせいだけど。
FCという社会人チームに登録されたこともあり、再開後すぐにBチームに落ちた。FCの公式戦、7試合中5試合に出場させてもらったが、自分のミスで失点したり、アディショナルタイムに失点して負けたり、「GKは俺じゃないほうが良かったかな」と何度も思った。特に、FCの試合でGKの座を争っていたタニ君(4年・谷口智洋)は、学連の仕事が忙しく練習に出られない日もある中で、文句ひとつ言わずハイパフォーマンスを続けていた(ように見えた)。この時期、同期の須藤(3年・須藤友介)に、「最近のお前は、前みたいにヘタクソでも必死に自主練して上手くなろうとする、泥臭さとかガムシャラさみたいなものがないぞ」的な言葉(完全には覚えてない笑)を言われた。須藤は正直自分と考え方が違うことが多いし、結構頭が固いから、どうせ俺が反論しても聞いてくれないんだろうなって思って、言わない時が当時まではよくあった。ただこの時は、ここが無ければ俺がア式に存在している価値がない、とすら言える部分の欠如を指摘されて、反論しなかったわけじゃなく何も言えなかった。「4年間死ぬ気でやって、どんなにヘタクソからのスタートでもトップチームの試合に出てやろう」と思っていたア式入部当時の自分の想いを、その当時の自分からは自分でも感じ取ることはできなかった。

須藤のアドバイスの後、自分の中でやりたいことの優先順位を決めて、何よりもサッカーで結果を出したいんだと再確認した。
が、現実はそう甘くはなく、ここからがもっと地獄だった。

必死でやっているはずなのに全然成長しているような気がしない。序列も全然上がらず、Bチームに定着。毎週毎週出る序列に一喜一憂しちゃだめだし、周りと比べたってどうしようもないなんてことは頭ではわかっている。自分の状況を気にかけてくれる先輩や同期に、「最近どうなの?」と聞かれて、「まあなかなか序列上がらないし難しい状況ですけど、自分のやるべきことに集中するしかないんで」って答えるけど、頭の中では「なんで序列が上がらないんだ? ゲバ(紅白戦)はあいつよりは良かっただろ」なんて思って、一喜一憂していることに自分が一番気付いて情けなくて、更に憂鬱になる日々が続いた。この頃は、追い打ちをかけるかのように、ユニサカの活動もかなりやることが多く、他にも来年に向けてのチームビルディング、自分の役職であるア式の広報の仕事、ほとんどやっていなかったけど就活、学校の授業と、ピッチ外の活動もやることが多くあり正直かなりきつかった。

メンタル的に一番やばかったのは11月。ただただ何も結果を出せない自分への無力感とよくわからない疲労。そして、「就活がやばい、マジで忙しい」と言っているア式内外の同学年の人たちに対して、「やかましい。俺の方がやばいし、よっぽど忙しいわ」と謎の怒りを感じた(本当にごめんなさい)。
ホームに立って、電車が入ってきた時に、ドラマや映画でよく見る自殺する人の気持ちに初めてなった。「ここで飛び込んだら楽かもしれないな」って。一度だけじゃなく何度も。何から解放されたいのかはわからない。理性が踏みとどまってくれて本当によかったと今思う。練習が終わると、自主練もできずにシャワーを浴び、学年ミーティング。夕食を食べて帰るとすぐユニサカのミーティング。0時くらいに終わるとぼんやりと携帯を眺める時間が続く。とてつもない孤独感と、みんな頑張っているのに俺は今何をやっているだろうという気持ちのまま、ベッドに入って寝ようとするが鼓動が早くなり、全く寝ることができない。不眠症と言えば少し大げさかもしれないけど、そんな日も多くあった。寝れていないからか、気持ち悪さもセットになってついてきた。


暗い話ばかりすみません。ここからが自分がこの経験を経て感じたことです。


上記のような症状が少しずつなくなった12月のある日、ふと思った。

「自分が感じてきた孤独感、無力感、死にたいような気持ち、全てを投げ出したくなる気持ち。それらは大小さまざまかもしれないが、ほぼ全員が経験した、もしくは経験することなのだろうな」と。

冷静になれば「まあそうだよね」って思うことだとは思うけど、今まで考えたことはなかった。衣食住に苦労したことはもちろん、進路も自由に選択させてもらって、大学でもサッカーをさせてもらえている。世間的に見れば恵まれた生活をさせてもらっていることは間違いないし、本当に両親に感謝している。そんな自分でもこのような思いを抱えるということは、みんなだって苦しいことは当然あるんだ。本当にその時そう思った。

そして同時に、「みんな強いな」と感じた。

弱い自分は結局周りの人に救われた。
本当に本当に力をもらった。
大げさではなく、生きる勇気をもらった。

めちゃくちゃありきたりになるが、この部員ブログを通して一番伝えたいことは、自分と関わってくれた人への「感謝」だ。

怒られる時も多かったけどいつもいつもアドバイスをし続けてくれた晃士君(4年・山田晃士)、辛い時にLINEでメッセージをくれ、めちゃくちゃご飯に連れて行ってくれて相談にものってくれた杉君(4年・杉山耕二)、いつも自主練付き合ってくれたデリー(4年・小野寺拓海)、早慶戦をとにかく頑張るユニサカでも同期のハルキ(3年マネージャー・西川玄記)、マジで死にそうだった時に話を聞いてくれた高校の友人。あげれば本当にきりがないのでこのへんにしておくが、本当に自分は周りの人に恵まれたと心から思っている。一人一人の行動に、プレーに、言葉に、勇気をもらい、何度も救われた。

「自分のやるべきことに集中しろ」とか、「周りと比べるな、自分は自分だ」とか、そんなことはみんなわかっている。だけど辛い時、苦しい時、自分では自分の気持ちをどうしようもできないことだってある。そんな時こそ、誰かの行動に、誰かの言葉に救われるものだ。自分も今度は誰かの救いに、勇気に、活力になりたいと思う。


今まで自分と関わってきて下さったすべての方に向けて、この場を借りて言わせて頂きます。

「ありがとうございました。」



自分はこう思っている。
「人はみな、仮面をかぶって生きている」

仮面は多くの場面で必要だ。
だが、心からの言葉を伝えたい時、仮面は邪魔になる。
この部員ブログで自分はどれほど仮面を外せただろう…



公文翔(くもんしょう)
学年:3年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:東京農業大学第一高校


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