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【#Real Voice】 「道標」 1年・石川真丸

「継続は力なり」
これは、私が普段から意識していることであり、大切にしている言葉である。とはいえ、偉そうに言っているものの、継続という言葉の本質を自分なりに理解することができたのはつい最近のことである。


幼少期から、地元のクラブチームに所属していたが、小学4年生の時に名古屋グランパスのアカデミーの試験を受け合格することができ、そこから9年間、ユースまで所属することができた。ただ正直に言うと、辛い経験の方が多かったと思う。

ジュニアの時は、入った当時周りの人達が上手すぎて全く試合に出ることができず、出ることができたとしても最後の1、2分。今思うと可愛いものだが、生まれて初めての挫折だった。地元のチームでやっていた時とは異なり練習場も遠かったため、毎日のように親に送り迎えをしてもらっていた。両親は、遠いところで試合が行われる際には、出られもしない試合に来てくれ、申し訳ない気持ちでいっぱいだったのを覚えている。ただこの当時、幼いながらも何か変えないと。これではダメだ。という気持ちを持つことができたのはこれからの私にとってとても良い影響をもたらしてくれた。

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後ろに写っているのはレオ(アイクソエ怜生オーエンス)です。

そこから私は、無意識に継続するということを行なっていた。因みに、どちらかというと私は、この時まで三日坊主の人間だった。思い立ってみたもののすぐ飽きてしまう、そんな人間が本気でこの状況を打破したいと思ったら案外続くもんだなと。結果もすぐに現れた。調子の浮き沈みはあるものの試合に出られるようになり、それなりに活躍することができた。

そんな6年生になったある時、全国大会行きを決める県予選であっさり負けてしまった。グランパスは全国大会に出て当たり前。そんな風にみんなが思っていた中での負けだった。その時私はとても悔しかった。心の底から変わろうとした。
そこからまた、いろいろなことにチャレンジして継続していたのを覚えている。
その甲斐あってか、ジュニアユースに昇格することができた。

ジュニアユースの時は、色々な経験をさせてもらった。2年時には、ひとつ上の学年の活動にも参加させてもらうことができ、自信を持ってプレーすることができていた。その背景には、自分なりに大切だと思うことはとことん継続して行っていたというところにあると思う。
実際すぐに結果に表れていたので、続けやすかったというのが大きいが。
3年時にはキャプテンも務めさせてもらい、自分だけでなく、チームのことも考える難しさを感じていた。
そして冬に行われた全国大会行きを決める試合が行われた。結果は惜敗。私自身は怪我で試合に出られなかったが、1年を通して勝てるチームにさせることができなかった自分の弱さが浮き彫りになった。
ここでもまた改めて変わろうと思い、自分の足りないところを補うため、プレー以外の部分も見直し続けた。


ユースに入ると今までとは違った環境となり、同学年だけでなく、他学年との競争に勝っていかないと試合には出られなかった。しかし、冬の負けから私はコツコツ積み上げてきたことに自信を持っていた。結果もいつも通りついてくると信じていた。
だが結果が出ない。どんなに足掻いても結果が出なかった。やり方を間違えていたわけでもなかった。

ここで私は、継続することをやめてしまった。

そこからの私は、コロコロとやることを変え、周りのせいにし、感謝の心までもが失われていた。案の定試合には絡めず、2年時には少しずつ自分が間違っていたということに気づくことはできつつあったが、もう遅かった。ほとんどベンチでチームが全国優勝するところを見ていた。

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そして最終学年になった去年、コロナの影響もあり今までとは違ったイレギュラーな年とはなったが、自分なりに殻を破り続け、今までないくらい密度が濃く、濃度の高い時間を過ごすことができていた。みんなが自信を持ってプレーできていたと思う。
そして最後の全国大会が行われた。ここでも負けた。 
この時、悔しかった思いと同時に、自分を客観視する私がいた。なんで負けたのだろうと。

今まで、継続すればどんなに辛いことを味わっても乗り越え、必ず結果に現れるものだと思っていた。ただそれは間違っていた。私が思うに、 

継続してもすぐに結果が出るわけではない。継続することで結果が出るかは分からないが、一回りも二回りも成長できるのは間違いない。  

結果を残すためには、今よりもより成長しなければならない。私はこれに気づくことができず、結果ばかりを求め過ぎて大切なものを見失い、かえって遠回りしていた。当時は本当に変わりたいと思っていたものの口だけになっていたのかもしれない。ただ今思うと、継続した先には、いつも少なからず成長した自分がいた。

だから進む道に迷ったら、継続することを道標にしよう。どんなに結果が出なくても地道に自分の成長を信じて。少しでも早く、多く結果を残すために。

そして100周年を迎える時には、私が一回りも二回りも成長した姿でチームに貢献し、同期とともに歴史に残る強く、素晴らしい組織を作り上げたい。

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石川真丸(いしかわしんま)
学年:1年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:名古屋グランパスU-18

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