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【#Real Voice】 「激動の1ヶ月」 3年・北本達拓

2021年10月
私にとって、2021年の中でも特に多くの経験・気付きを得た1ヶ月でした。
これからその1ヶ月について振り返るが、最後にその1ヶ月を通じて、私が得た学びを2つ書きました。時間のない方は、そこだけでも読んでもらえれば幸いです。


10/2
早稲田大学は龍ヶ崎グラウンドで桐蔭横浜大学との一戦があり、自分はピッチの外から観戦していた。早稲田大学は試合前日にFC東京内定のリリースがあった西堂の2アシストの活躍や主将・田中雄大くんの2ゴールもあり、劇的な逆転勝利を飾った。
この時、私は素直に同期である西堂や主将田中雄大くんの活躍を見て、凄いなぁと感心すると同時にこういう選手がプロになって多くの人の心を動かす選手になるのだろうと痛感した。

時を同じくして、別のグラウンドでは慶應義塾大学vs明治大学の試合が行われていた。
いつも通り早稲田の試合が終わって慶應のインスタを見てみると、中高6年間を共に過ごした廣田の写真が慶應のスタメンにあった。
私は、すぐにYouTubeで慶應vs明治の試合を見た。
廣田が明治相手にどんなプレーをしているのか、ドキドキしながら見ていた。
また試合を見ていると、同じ高校の後輩の塩貝が途中出場し、明治相手にゴールを決めていた。私は、関東リーグという舞台で高校時代、苦楽を共にした仲間が、スタメンで出場したり、ゴールを決めている姿を見て、とても嬉しかった。

10/3
同期や仲間の活躍に心が満たされた翌日。
私が所属していたIリーグでは大事な一戦があった。
勝てば、グループリーグ突破がより見えてくる。引き分け以下の場合は、ほぼ突破の可能性がなくなる。相手は前日と同じ桐蔭横浜大学。
私はその大事な1戦で、試合終了間際に訪れたビッグチャンスを外した。
結果は1-1。ほぼグループリーグ突破の可能性がなくなった。
間違いなく目の前にまで来ていた勝ち点3を、私の1つのプレーによって落とした。
自分が今後、本来ならあったはずのIリーグの活動を壊した。
時間が経つにつれて、その事実が私に重くのしかかってくる。
申し訳なさと罪悪感で押し潰されそうになった。
言うまでもなく、今季の中で一番メンタル的に落ち込んだ日となった。

10/10
流通経済大学とのIリーグ戦最終節。
グループ突破の可能性が厳しくなってしまったことに責任を感じていた私は、試合当日まで前期の流経の試合を見て、当日は丹羽が送ってくれたスカウティングの映像を何回も見て、イメージトレーニングをした。
自分のサイドの選手の足が速いこと。その中で何が自分に出来るのか。
そんな万全の準備をして臨んだ一戦は、5-2で早稲田の勝利。自分も試合開始からエンジン全開で臨んだ分、60分で足を攣るという失態を犯したが、2ゴール1アシストでチームの勝利に少なからず貢献できた試合となった。
バディの良威と「一緒に試合出て、どっちかゴール決めたらゴイゴイスーやろう!」とずっと話していた中で、入部してから初めて実現して嬉しかった。
もっとこの写真が増えるように、お互い頑張ろう👍

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10/12
Aチームに昇格した。
2週間後には、入部してからずっと目標としていた早慶サッカー定期戦が控えていただけに、私の気持ちのボルテージは最高潮。実力的に出場できる可能性は低かったかもしれないが、私には早慶戦に出場する権利が与えられたのだ。
同期も冗談で「早慶戦あるぞ~」とか言っていたが、目の前にずっと目標としていた早慶戦に出場するチャンスが現実としてあることに、私の気分は高揚していた。

10/13~10/23
現実はそんな甘くなかった。
3年目にして初めて関東リーグに登録されたが、彼らのレベルに間違いなく私は到達していなかった。
そんなことは前から分かっていたが、より現実として突き付けられた。
週末には明治戦、翌週には早慶戦。
決して、コンディションとして悪い状態ではなかったが、気分が高揚する一方で、現実の技量が伴わず、ずっと足元がふわふわしている感覚。
まさに早慶戦までの2週間は、気持ちと体の歯車が嚙み合わない期間だった。

10/24
早慶戦当日。
私が早慶戦のメンバーに名を連ねることはなかった。
しかし、慶應には暁星出身の先輩である田嶋さんと瑠架さんがメンバーに名を連ねていた。
やっぱり自分が早慶戦に出ることもそうだが、早慶両校に暁星出身の人が居て、ピッチで戦うことが出来ればこの上なく幸せだろう。

結果的に、早稲田は10年ぶりの敗戦となった。
それでもピッチで闘う選手達の凄さを知っている自分は、早稲田がどうこうというより、むしろこの早稲田のメンバーを相手に勝ち点3を獲得した慶應が凄いなと思った。
特に、慶應の橋本健人選手のゴールは敵ながら感心してしまった。桐蔭横浜大学戦で西堂と雄大くんに感じたように、早慶戦という舞台であのゴールを決めることが出来る。そういう人が集うプロの世界に、より一層凄さを感じる瞬間でもあった。

10/25~10/31
この週は拓殖大学と順天堂大学との2連戦があった。
チームとして、あれだけ多くの部員が熱量・労力を注ぎ、絶対に勝利が欲しかった早慶戦で敗戦したが、休んでいる暇はなかった。
自分もその試合に出場する権利のある一員として、活動に取り組んだものの、結果的にどちらの試合にも関わることはなかった。
目標としていた早慶戦が終わって糸が切れたわけでもなんでもなくて、単純にメンバーに入る基準に達していなかった。それだけだった。
西尾のブログに、「自分が試合に出ないと見る目ないなと思う」と書いてあったが、私にそんな気持ちはなかった。選手として、完全に自信を失っていた。


以上が10月の振り返りである。
私にとって激動の1ヶ月だったが、今となっては良い経験になったと思う。
最後に、この1ヶ月で学んだことを2つ。

①「常に準備をしておくこと」
この1ヶ月で酸いも甘いも経験したが、私は準備の重要性を痛感した。
目の前にチャンスが転がってきた時にそれを掴むことが出来るかどうかは事前準備が鍵となってくる。
桐蔭横浜大学戦のチャンス、流通経済大学戦の勝利、早慶戦など、チャンスは沢山転がっていた。
それでも桐蔭横浜大学戦でチャンスを逃したのも、早慶戦のメンバーに入れなかったのも、実力不足に加えてそもそもの準備が足りていなかったというのが、私の結論だ。
この準備というのは、体のケアなどの準備だけではなく、自分が成功するイメージトレーニングのようなものだ。
今年、「1を積み上げる」というミッションを掲げているが、まさにその通りだと思う。
日々の練習で、どれだけ自分が理想とする姿・舞台をイメージしてプレー出来ているか。
それなくして、目の前に大きなチャンスが転がってきても、チャンスを掴むことは出来ない。いや、掴めることはあるかもしれないが、掴めなかった時に後悔する。
仮に最大限の準備をして、チャンスを掴むことが出来なかったとしても、それは仕方ない。これまでやってきた事、実力が不足していた。それだけ。

②「自分に自信を持つこと」
この組織に居ると、周りのレベルが高くて、自信を失ってしまうことが多々ある。でも、そうした他人との比較に意味はない。自分がどれだけ上に行っても、さらに自分より上の人と比較して苦しむとだけ。だからと言って自分よりも下の人を見つけて、自尊心を保つことも違う。
ここで言う上とか下は、もちろん人間としての話ではなくて、イチ選手やイチ学生としての話である。そもそも上とか下とか付けている時点でナンセンスだが、これまでサッカーという競技でカテゴリーに分けられ、試合に出る出ないが当たり前の環境。勉強では点数という可視化できるものによって判断される環境で育ってきた私達は、少なからず自分の基準で上か下かを判断してしまうところがあると思う。
その上下が基準となって、自分に対する自信が変化してしまうのは勿体ない。
自分以外はあくまで他人だ。自分の人生なのに、その当人が自分のことを信じてあげられないでどうする。まずは誰よりも自分の可能性を信じること。


幸いにも私には、他の誰よりも自分の可能性を信じてくれている両親が居る。他にも、親戚や友人を始めとした多くの人が私の可能性を信じて、応援してくれている。そんな人達に少しでも恩返し出来るように、ラスト1年、常に自分を信じて最大限の準備をし、より多くのチャンスを掴むことが出来るように頑張ります。



北本達拓(きたもとたつひろ)
学年:3年
学部:文化構想学部
前所属チーム:暁星高校


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