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【#Real Voice】 「与えられた時間」 2年・森璃太

今回は私がア式に入部してから現在までの思いを綴ろうと思う。
 
 
 
 
私には時間がない。
 
 
 
 
ただ、焦っているわけではない。
 
 
少し矛盾しているようにも思えるが、私に「時間がない」と感じ始めたのは、ア式に入部した去年の3月頃だ。
 
 
4年後の大学卒業までにプロサッカー選手になれなかったら、プロサッカー選手を諦める。
 
 
私がア式に入部した時に決めたことである。
 
だから、この4年間は本気でサッカーに打ち込む。そう決めた。
ア式に入部し、1年と9ヶ月が経過した。
去年1年を振り返ると、ひたすらグラウンドにいた記憶しかない。
ほぼ毎日のようにグラウンドの電気が消えるまで自主練をしていた。
 
だが、Aチームでの公式戦出場はゼロ。ベンチに入ることもなかった。
 
いくら見えないとこで努力しようが、結果がついてこなければ評価されない。努力は評価の対象にならない。
仮にプロのスカウトの項目に努力の項目があれば別の話だが、そんなものは存在するはずがない。
 
 
努力に期待しない。
 
 
去年学んだことである。私は「こんだけやれば試合に出れるだろう」や「俺は他の人よりもやっているから大丈夫」などと、謎の自信と努力している自分への優越感に浸っていた時期があった。だが、スポーツは「努力すれば報われる」なんていう甘い世界ではない。何千、何万という人がプロ選手になるために毎日努力を積み重ねている。
仮に努力しなくても結果を残せばその選手が評価され、上に行く。
ただ、努力すれば結果を残せる可能性が上がるということだ。努力に期待をしてしまっては結果が出なかった時に、努力に裏切られたと勝手に思い込んでしまう。本当は自分の努力が足りていないだけなのに。
努力に裏切られたと思い込んでしまうと確実にモチベーションを失ってしまう。普段の練習や試合での気持ちの変化、あるいは自分の夢までも叶わないものとネガティブに捉え、挙げ句の果てには「俺はやっているのに」と他人にベクトルが向くようになる。このようなマインドでは当然、自分のなりたい姿に到達することはできない。
 
 
報われるまでが努力。
 
 
この言葉が一番しっくりくる。努力に期待せず、今自分がすべきこと、やるべきことだけにフォーカスし自分の理想像を追い求めて努力を積み重ねる。たとえ、結果が出なくても「まだまだ努力が足りていない」と考える。そうすればさらに成長するチャンスが広がる。「努力」と聞くとどうしてもきついことや苦しい思いみたいなことを連想しがちだが、私は、自分の理想に近づいているのだと思うとワクワクする。このようなマインドにシフトできるかが「努力し続ける」という高いハードルを限りなく低くしてくれるものだと私は思う。
普段、私は周りから努力していると言われるけれど、私は自分がやっていることが努力だとは思わない。ただ、自分がやるべきことをやっていると思っている。
だから練習後、長い時間櫓で話していたり、すぐにグラウンドから上がってしまっては、自分が目指すべき場所には到達できない。というより間に合わない。幸せなことにほぼいつでもグラウンドやトレーニングルームが使える。環境のせいにはできない。自分がやるかやらないかの問題である。
私は、1年生の頃から現在(10月15日)まで47試合を経験した(練習試合・公式戦含む)その中で感じたことは、公式戦に出場することが一番成長するということ。公式戦でしか味わえない緊張感や雰囲気でのプレーは成長曲線を加速させる。私自身、今年から関東リーグを経験し、試合を積み重ねるごとに成長している実感がある。だからこそ、1試合でも多く公式戦に出て成長曲線を加速させる必要がある。普段の練習と練習外での時間の使い方がいかに大事かを試合に出場してから身に染みて感じることができた。
試合に出場し、「プロサッカー選手」というものを少しだけ現実的に捉えられるようにはなったが、私がJリーグの舞台で活躍している姿をまだまだ想像できない。それが明確に想像できた時にプロサッカー選手になれるのだろうなと最近は感じている。
 
 
 
 
最後に
 
 
 
人は生まれながらにして平等ではないと思う。それは育った家庭環境や金銭面などで大きな格差は必ず生まれてしまう。しかし、時間だけは世界で唯一平等に与えられている。1日24時間、365日。その平等に与えられた時間をどうサッカーに費やすか。それがプロになるかならないかの差だと思う。この大学生活で自分のサッカー人生が決まる。卒業後、プロサッカー選手になれているのか、あるいは一般企業に就職しているのか。自分の努力によって全ては決まってしまう。だからこそ、1日1日を無駄にしたくないし、あっという間に大学生が終わってしまったなんて感情を抱きたくない。仮にプロサッカー選手になれなかったとしても、こんだけやってなれないのなら運がなかったと思えるくらい、残り2年半、仲間と一緒にサッカーをしたい。


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森璃太(もりりいた)
学年:2年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:川崎フロンターレU-18


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