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「愛する猫とくらす家」のつくりかた。

こんにちは!北陸の暮らしづくり職人、WARMTH坂口工務店の坂口智志です。

富山で地元の木を使った木組み・手刻みの家づくりで、住まい手さまの「暮らしづくり」に取り組んでいます。

前回記事でご紹介した、猫のきなこちゃんのために家を建てたご夫婦が暮らす「木なネコhouse」。

SNSでも「かわいい・・・」「好きすぎる・・・」などなどうれしい反響をいただきました。本当にありがとうございます。きなこちゃんもよろこんでいることでしょう・・・!


そんな「木なネコhouse」について、今回の後編記事ではわたしたち「建てる人」の視点から語っていきたいと思います。

同じように愛する猫ちゃんとの暮らしを実現したい方の参考になれば幸いです!


坂口が家をつくらせていただくことになったきっかけ

本題に入る前にそもそものきっかけのお話。

坂口が「木なネコhouse」をつくらせていただくことになったのは、住まい手さんが選んでくださったからこそなのですが、その最初のきっかけは住宅情報誌だったそうです。

富山県内で販売されているとある住宅情報誌を見た住まい手ご夫婦の奥さんが、私たちが手掛けさせていただいた家を見て、直感的に「これだ!」と思ってくださったとのこと。本当に嬉しいことです・・・!

もともと別のメーカーさんと相談していたけれどイメージをうまく形にできず断念した、という経緯もあり最初は不安もあった住まい手さんですが「坂口さんの提案は最初から直すところがなかった」と嬉しいお言葉をいただくほどでした。

そんなきっかけからつくった家。はたしてどんな提案をしていったのでしょうか。

きなこが家を大好きになるように


前回記事でも書いた通り、前の家では壁紙やビニールクロスをひっかきまくっていたきなこちゃんも、今の家はストレスもないようで平和に暮らしています。

とはいえ、ただ大人しくしているのではなく、きなこちゃんがいつでも楽しく過ごせるように実はいろいろな気遣いをしているのです。

①外を眺められるお気に入りの居場所


一つ目はなんといってもきなこちゃんの「居場所」。窓際の定位置に、取材中も何度も外を眺めにやってくるきなこちゃん。下を通る車や子どもたちの様子は、どれだけ眺めても飽きないようです。

②自由に動ける通り道



アパート時代のお話を聞かせていただき、間違いなく必要だと直感したのがきなこちゃんのための「通り道」でした。



窓枠の台を広げて座れるようにしたきなこちゃん専用の居場所をつくり、住まい手さんがリビングで過ごしながらいつもきなこちゃんのいる場所を見えるようにするといった工夫がうまくハマり、毎日狙い通りに行き来してくれています。


また、階段に据え付けたキャットウォークもお気に入りの一つ。普通だったら本を置いたりして終わりとなる階段つくりつけの棚が、きなこちゃんがジグザグに登っていけるような通路兼棚の役割になりました。想像もしなかった場所まで歩いていく姿にいつもハラハラしながら楽しんでいるそうです。

③安心できるくつろぎスペース


家中のいろんな場所がきなこちゃんのくつろぎスペース。カウンターの窓越しにベンチがあったり、通路の奥にあるきなこちゃん専用の窓をつくったり。住まい手さんによると、アパートで暮らしていたときより家中のいろんな場所で寝るようになったとのことです。家全体がくつろげる場所になっているのですね。

④爪研ぎ用の壁

このあたりの壁で爪を研いでくれたらいいかな、という目的であえてつるつるではない壁を残しました。爪がかかりやすいようにがさがさのラフ挽きという仕上げの面を一部つくっています。

⑤猫ちゃんが留守番していても危なくない家


天然素材の断熱材を使うことで冬は暖かく夏は涼しい、エアコン1台で十分に快適な空調状態に保たれるように設計しました。過剰な冷暖房は住まい手さんはもちろん、猫ちゃんの体調を崩す元になってしまいます。

⑥寝室には入らないようにバリケード


ほかにも、寝室のあいだに空間は繋がっているけれど、猫は入れないような格子を設置したりなど、こまかい工夫が随所に散りばめられています。

梁の上にも登ってしまい降りられなくなってしまったことがあってからは、登らないように棘を置いている、ときなこちゃんのうっかりエピソードも教えてもらいました。

幸せなシーン

そんな「木なネコhouse」で幸せに暮らしているのはきなこちゃんだけではありません。もちろん、人も幸せを日々感じられる家になっています。

住まい手ご夫婦がもっとも幸せを感じる瞬間について聞くと、「家に帰ったとき、きなこが玄関のガラスのところで出迎えてくれるのがとても幸せです」と教えてくださりました。

わたしたちから提案させていただいたこの玄関のつくりですが、玄関で出迎えてくれたり、見送ってくれたりするのは人の子どもでも猫ちゃんでもとても嬉しいもの。


ですが、戸を開けた時にうっかり外に出て行かれると困るので、そこにいるのがわかるようにガラス張りにして見えるようにしておくという安全面の工夫でもあります。つくらせていただいたものがこのように喜んでいただけて本当に光栄で嬉しいことです。

WARMTH坂口工務店はこれからも、住まい手さんが本当にしたい暮らしを実現できるための「暮らしづくり職人」であり続けたいと思います。

次回記事もお楽しみに!

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