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コンパス(8686)
2020年10月24日 23:38
霜のように張り詰めた空気。降り積もる雪。悴む手。長靴が雪を踏みつける感触を確かに感じながら、俺は歩いていた。今日はクリスマス。まるで光の粒子があたり一面に飛び散ったみたいに、町は煌びやかに輝いている。そんな中、無論、俺の心も弾んでいた。クリスマスで心が弾む、と聞けば、考えられるのは一つだけだろう。そう、俺は今日、とある女に告白をするのだ。アルバイトで忙しげな学生、キ