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テン年代の美少女ゲーム

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2010~2019年の美少女ゲーム文化とその周辺について語っていきます
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#ゲーム

テン年代のエロゲを振り返る(2019年編)

テン年代のエロゲを振り返る(2019年編)

2019年4月、ついに30年続いた平成が終わった。生前退位ということもあり、改元はちょっとしたお祭りムードの元に行われた。平成という時代を回顧するムーブメントも起き、平成を通じてポップカルチャーとしてのプレゼンスが大きくなったオタク文化を回顧する様々なテキストが発表された。この記事もそのようなブームの一環として書き始めたものである。
平成は1989年に始まる。その時期はアダルトゲーム業界の勃興とも

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テン年代のエロゲを振り返る(2018年編)

テン年代のエロゲを振り返る(2018年編)

2018年は改元も迫る中で、エロゲーの中でも時代の変わり目を感じるような作品が多かった。エロゲー業界全体としては衰退も目に見えてくる一方で、新しいブランドの中には勢いを見せつけるものもあり、総じていえば業界全体がそれなりに盛り上がった一年であった。

この年のビッグイベントといえばやはり30年以上続いてきた「ランスシリーズ」の完結が挙げられるだろう。前々から予告されていたランスシリーズ最終作の『ラ

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テン年代のエロゲを振り返る(2014年編)

テン年代のエロゲを振り返る(2014年編)

2014年、多くのエロゲプレイヤーを支えてきたWindows XPのサポートが終了した。秋葉原ラジオ会館も改装再オープンし、オタク業界にはラブライブ旋風が吹き荒れていた。次世代のオタクたちの可処分時間はスマホへと向かっており、「若者のPC離れ」が進んでいくのではないだろうかとすらささやかれ始めていた。

PCゲームの衰退が決定的かと思われた中で、spriteより発売した『蒼の彼方のフォーリズム』は

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テン年代のエロゲを振り返る(2013年編)

テン年代のエロゲを振り返る(2013年編)

2013年は,この年で一番注目するべきは,メタフィクションもの『君と彼女と彼女の恋。』だろう.そのほかには,『虚ノ少女』『Magical Charming!』『ハピメア』などの作品が評価を受けていた気がする.微妙にリメイクが多かった気もする年で,「Rance」と「家族計画」がリメイクした.『ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-』がリパッケージしたりもしている.個人的な印象ではOP・ED

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テン年代のエロゲを振り返る(2012年編)

テン年代のエロゲを振り返る(2012年編)

総評2012年はヒット作がないわけではないが,頭の一つ抜けた大傑作というものを欠いた年に思える.一方,現在の若年層ユーザーが影響を受けた作品は比較的多いように思える.例えば,SAGA PLANETSより『はつゆきさくら』,PULLTOPより『この大空に,翼を広げて』はそれぞれのブランドの現在のファンの多くを獲得した作品であろう.その他の点でいうと.例えば,E-moteを使用した作品や,また『魔法使

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テン年代のエロゲを振り返る(2011年編)

テン年代のエロゲを振り返る(2011年編)

2010年は『素晴らしき日々』こそあれ,全体としてイマイチパッとしない1年という印象であったが,打って変わって2011年は美少女ゲーム界にとって多くの重要な作品が生まれた年である.特に大手メーカーからのリリースが相次いだ年であり,Leafから『WHITE ALBUM 2 ~closing chapter~』『星の王子くん』,Keyから『Rewrite』Alicesoftから『大帝国』『ランスクエス

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テン年代の美少女ゲームを振り返る(2010年編)

テン年代の美少女ゲームを振り返る(2010年編)

ゼロ年代におけるエロゲ(美少女ゲーム)の存在感が良く語り草にされる一方で,2010年に入って以降エロゲ業界というのは縮小を続けているといわれている.

先日も『ef』で有名なminori,『Dies irae』のlight,『蒼の彼方のフォーリズム』のspriteが活動を停止するなど,傑作を生みだしてきたブランドが次々と終焉を迎えている.

このような縮小ゆえか,あまり2010年代のエロゲというも

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